コメント欄を管理したり場を盛り上げたり 「モデレーター」
「モデレーター」 とは、ビジネスの世界をはじめ一般的な意味では、討論会や会議、インタビュー、イベント などにおいて 司会者 や議長を務めたり、ディレクターやプロデューサーといった立場で催しを支え、聴衆や視聴者を含めた参加者全体をつないで円滑な進行をサポートする立場の人のことです。
一方、おたく やそれに近い世界では、前述した意味合いのほか、とくに 動画サイト Youtube のライブ配信において 配信者 のサポートを行う人、わかりやすい役割では コメント欄 の管理を行う人を指します。
配信者 (チャンネル管理者) から指名されモデレーターの権限を与えられると、不適切な コメント を削除したり (実際は管理者の認証待ち保留状態にしてコメント欄では非表示にできる)、不適切なコメントを行うユーザーを非表示にしたり、投稿制限をかけることなどができます。
権限を与えられたモデレーターのユーザー名は通常の黒ではなく青色となり、ユーザー名の隣に設定の アイコン であるスパナマークがつくことから、「青字ユーザー」「スパナ」 と呼ばれることもあります。 これにより他ユーザーから見ても 「チャンネル管理者から権限を委ねられた 運営側 のユーザー」「サポート役」 だとわかるため、ファン の立場でサポートしていても、それ以外の視聴者からはおおむね運営側・公式側 の立場だと見られることが多いでしょう。
憎まれ役を買ってでる有志か、単なる仕切り屋か
コメント欄の管理は非常に難しい役割です。 厳しすぎると不満を持った視聴者と争いが生じたり場が荒れてきますし、緩すぎても 治安 が悪化する原因になります。 人気配信者のモデレーターとなったらコメントがつくこともありますし、場を円滑なものにするとか配信者が気持ちよく配信に集中できるようにノイズを除去するだけでなく、ある意味では配信者の身代わりとなって憎まれ役を買ってでるような心づもりや決意が必要でしょう。
一方で他人のコメントや、ひいては他視聴者の存在そのものを自分の判断でないものにできるというのは、自治活動や仕切りが好きな人間にとってはささやかな権力欲を満たすある種の快感すら覚えるものでしょう。 しかもそれを自分のためではなく好きな配信者に信頼されてその人のために行うというのは、ちょっとした自己犠牲による陶酔感すら覚えるものです。
モデレーターにとって大切なのはもちろん配信者や 生主・ストリーマーといった配信の主体となる人物との信頼関係ですが、それに加えよほど配信者やチャンネル、あるいはそこに集う リスナー や場の 雰囲気 が好きでなければ続きません。 目に余るほどに独善的・強権的で不平等な管理や運営をする人でなければ、リスナーの側も 「お疲れ様です」 くらいの感覚で見てあげたいものです。