常軌を逸した特定キャラ叩き… 「キャラヘイト」
「キャラヘイト」(Chara Hate/ キャラクターヘイト) とは、アニメ や マンガ、ゲーム や小説などに登場する自分の嫌いな キャラクター を、自分の 作品 中 (そのキャラが登場する 二次創作 のマンガや SS の作品など) で徹底的に虐めること、バッシングしまくることです。 「ヘイト表現」、あるいは アンチ を接尾して 「キャラアンチ」、愛がない と呼ぶ場合もあります。 なお 「ヘイト」(Hate) とは、英語で憎しみのことです。
単に作品中で肉体的に 虐待 する、殺すだけではなく、「ズルくて意地悪な笑えない極悪人のように描写する」「無能 でバカ、魅力のかけらもない ゴミ のように扱う」「出す必要がないのにあえて出して、自分の好きなキャラの引き立て役として汚れ役ばかりさせる」「ことさらに空気のように扱う」 などは 愛 も感じられず読んでいても辛く、作者 の心の奥の黒いものを見た気がして気分が暗くなってしまう場合もあります。
とはいえ、虐めると一言でいっても 「好きだからこそ虐めたい」…なんて意識の人も結構多いですし、陵辱 とか 鬼畜、虐待などの多くはキャラヘイトの傾向を持っているわけではありません(虐待系などは、その要素が含まれるケースも結構ありますが)。
公式カップリングが気に食わないと…○○死ね! 的な
また、いわゆる カップリング の傾向などと密接に関連を持つ場合が多いのも、「キャラヘイト」「ヘイト表現」 にしばしば見られる特徴のひとつです。
例えば二次創作の 元ネタ としている特定作品に A B C と3人のキャラがいたとして、自分はBが好きでAとBの組み合わせ、カップリングが最高だと思っている人がいたとします。 ところがその作品中ではAとCの組み合わせになってしまった (原作などで使われる組み合わせは 公式カップリング などと呼びます)、しかもそのせいで自分の好きなキャラBの出番が極端に減ってしまった… なんてことになると、ヘイト気質を持つその人の怒りは、原作者に向けられないならやっぱりキャラC (場合によってはキャラCの ファン) に向けられるでしょう。
ただし注意が必要なのは、誰かが 「あの人はキャラCをヘイトしてる」 と主張していても、実際はしてなくて、そう主張している誰かの方こそヘイト気質を持つ極端なCファンで、「過剰反応、もしくは自分の好きなキャラを自分の好きな形で動かさない作家を、ヘイトだヘイトだと叫んで中傷しているだけ」 だったりする場合もあるので、結構複雑です。
まぁどんな作品にも叩かれやすいキャラ、嫌われがちなキャラはいますから、その ジャンル で活動している人 (ジャンル者) なら、何となくどっちの主張が正しいのか自然にわかるようになったりもするんですが、俗に 高CQ などと呼ぶように、「厨房 だと叫んでる方こそ実は厨」 なんてことがよくあるのが、この世界の難しさです。
二次創作が ファンアート だとしても、物語 を作るうえで 「悪役」「敵役」 は必要になるケースもあるでしょう。 しかし人気のあるキャラでそれを行うと、数多くのファンがろくに読みもせずに片っ端から 「ヘイト扱い」 をし、バッシングされかねない場合もあり、「これでは表現の幅を狭めるだけだ」 との意見もあります。 嫌なら見るな という訳です。
一方で、「嫌いなもの、嫌いなキャラを、わざわざ自分の 同人作品 に出していじることもないだろう」「そのキャラのファンの気持ちも考えて欲しい」 との意見も多く、ここらは妥協すべき境目や着地点が作れない状況です。
作品の中だけでなく、ネットやリアル社会で叩きをはじめる人も…
ヘイト気質を持つ人は、しばしば時と場所を選ばずに、やたらと攻撃的だったりもします。 結果、同人イベント の開催されている 会場 や ネット の 掲示板 などでも誹謗中傷、ネガティブ な発言をしまくりだったりします。 「○○は 氏ね!」「死ね! 氏ねじゃなく死ね!」 みたいな感じですね。 結果、「困ったちゃん」「厨房」 扱いされるケースも多いようです。
またひどい場合には、そのキャラを憎んで 叩く だけに留まらず、そのキャラが好きな人やそのキャラで二次創作などの 同人活動 を行っている 作家 や サークル まで 「あんなキャラが好きだなんて常識を疑う」 と吹聴して叩いたり、そのキャラのファンが集まるコミュニティで 荒らし行為 を繰り返したりもします。 しばしばそれが原因で バトル が始まったりもします。
キャラが好きとか嫌いなどは理屈ではなく感情の問題ですし、その形はしばしば不条理や矛盾に満ちたものでもあります。 正解は人それぞれで、いくら議論を積み重ねても建設的な結論がでるはずもなく、最終的には反目し合っているファン同士が互いの 人格攻撃 に走りがちで、深刻な トラブル を生じるケースなどもあります。
趣味 や好みに妥協はしづらいとはいえ、ここらはなんとも頭の痛い問題ですね。