同人用語の基礎知識

伝書鳩

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場をわきまえず、いらぬ情報をせっせと運ぶ 「伝書鳩」

 「伝書鳩」 あるいは 「鳩」「鳩行為」 とは、主に ネット動画サイト などで誰かが生配信 (ライブ配信) や 実況 などを行っている時に、視聴者 (リスナー) がその配信に対する コメント欄 へ 「〇〇さんの配信から来ました」「今、〇〇さんも同じ ゲーム をやってますよ」「その話題は〇〇さんもしてましたね」 などなど、その配信の 配信者生主) や Vtuber とは別の配信者や場所の話題を出すことです。 元ネタ はそのまんまですが、遠隔地の情報を伝えるために訓練された鳩、伝書鳩からです。

 こうした行為は、使いどころや ニュアンス はやや異なるものの、それ以前からある ネットスラング として 「〇〇から来ました」、あるいは 「出張」 と呼ぶこともあります (後述します)。

無関係な人の話をここでやられても対応に困る

 生配信の場合は、視聴者はその配信者の配信を楽しむために来ている人がほとんどです。 そのような場でそこに居ない無関係の配信者の話題を出されても、配信者や周りの視聴者はどう反応して良いかわかりません。 とくに名前を出された配信者が著名だったり競合する関係にあった場合、言葉のすれ違いなどで トラブル を招きかねないため、うかつな反応もできません。 かといって完全無視した場合、「コメント を拾ってくれない…〇〇さんのことが嫌いなんだな」 などと勘違いをして、それが事実かのように触れ回るような人すらいます。

 また配信者にとっては、「〇〇さんも今同じ配信やってますね」 といったコメントは自分の配信を見ている人がそちらに移動し離脱することにもつながりかねないため、快く感じることは少ないでしょう。 自分のチャンネルで他の配信者の宣伝や 布教活動 をされているような不快感を覚えることもあるでしょう。

 もちろん 「〇〇さん」 がその配信者と仲が良く コラボ を行うなど強いつながりがあったり、配信者自身が話題にする場合もありますから、必ずしもすべてがルール違反やマナー違反というわけではありません。 内容によってはケースバイケースなことももちろんありますし、鳩を飛ばす人も悪意のない単なる世間話のつもりなのがほとんどなのかもしれません。

 しかし原則的には、たとえ世間話や軽い雑談のつもりでも、無関係な配信者の話題をコメントするのは避けたほうが良いでしょう。 これは生配信だけでなく、通常の動画配信でも、特定の テーマ に沿った内容の 掲示板SNS のコメントなどでも、原則同じです。 またいくつかの生配信を掛け持ちで同時に見ている時は、コメントを書き込む際に宛先をよく確認してから行うようにしましょう。 書き込み 先を間違え、誤爆 によって鳩扱いされてトラブルになるのは、本当にバカバカしいことです。

「鳩行為」 に反応する人がいると、論争が起こったりトラブルが生じたり…

 なお最悪なのは、視聴者の 「〇〇さんの配信から来ました」 に他の視聴者が過剰反応し、配信内容と全く関係のない言い争いや口論が始まってしまうことでしょう。 お互いに最初は悪意がなかったとしても、ちょっとした言葉の行き違いで売り言葉に買い言葉でヒートアップして場の 雰囲気 は悪くなり、結果的にコメント欄が荒らされている状態と同じになってしまうかも知れません。 また誰にも頼まれてもいないのに、勝手にコメント欄の自治活動を始めてトラブルばかり起こす人 (自治厨や仕切り厨) のような視聴者もいます。

 それが配信のコメント欄の中だけに留まらず、それぞれの配信者の ファン信者 を巻き込んだ大きな バトル となり、互いの配信を荒らし合う、配信内容を悪意に基づいて恣意的に 切り抜い て広める、配信者やそのファンへの誹謗中傷や アンチ活動 が広がるようなことも起きることとなります。

 配信者が 「鳩行為禁止」 とか 「鳩はほどほどに」 などと配信視聴の注意点を概要欄などに書いている場合は、それを尊重するようにしましょう。 それは配信者が狭量なのではなく、様々なトラブルが過去に無数にあったからです。 またそれがなくとも、「無関係な場所で無関係な話はするべきでない」 のは、ネットを利用する上での常識、ネット・リテラシー として当たり前に持っていたいものです。 一方で、自分以外の誰かがちょっとした鳩発言をしてもいきなりケンカ腰で注意などせず、ひとまず スルー して様子を見るなどの 耐性 は、視聴者も配信者も持ちたいものです。

「〇〇から来ました」「出張」 という言い回し

 なお 「〇〇から来ました」 や、ネットにおける 「出張」 といった言い回しは、かつて掲示場 2ちゃんねる の利用者が2ちゃんねる内の別の板や別の場所 (他の掲示板やコメント欄のある ブログホームページ (ウェブサイト) など) へ訪れてコメントを残す際に 「〇〇板から来ました」「2ちゃんから来ました」 などと書き始めたものが発端となり広がった言い回しです。

 これは初期の頃はおおむね 荒らし を目的とする人たちが書き込みしがちな文字列と見なされており、「お前のことが2ちゃんで 晒され て話題になってるから出張して見に来たわ」 といった強い 煽り のニュアンスを持っています。

 一方こうした言い回しが広がると、荒らし行為を意図しない普通の言い回し、単なるネット用語としても定着。 またニコニコ動画などで何かの動画を見た後におすすめされた別動画に移動する際にもこの言い回しが 「さっきまで見ていた〇〇動画からこちらにきました」 のニュアンスで流行し定着しています。

 いずれにせよ、「伝書鳩」 でも 「〇〇から来ました」 でも、本来その配信や掲示板ですべきでない話をするのは パソ通 の時代から 「脱線ネタ」 として敬遠されがちであり、配信者が許可しているか、雑談・脱線ネタ・慣れ合い でも何でもOKな雑談・ラウンジ系の場でないなら、避けた方が無難でしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2015年9月12日)
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