単なる偶然か、それとも名前の乗っ取りか… 「名前かぶり」
「名前かぶり」(名称かぶり) とは、同人活動 を行う際のペンネームや サークル の名前、あるいは ネット で使う ハンドル などが、誰かと同じになってしまうことです。 それぞれペンネームかぶりとかハンドルかぶり、バッティングと呼んだりもします。 あるいは オリジナル な 作品 に登場する オリジナルキャラ の名前かぶりを指すこともあります。
ありがちな文字列の場合、ダブってしまうのは避けられないものでもありますが、同じようなコミュニティの場で同じ名前の人が複数いると、お互いに気まずい感じになったり、周囲も呼びづらかったりもします。 なので先発主義というか、おおむね先にその名前を使っていた人に優先権を持たせた上で、当事者同士でその名前へのこだわりなどを考慮し、譲ったり譲られたりしてどちらかが別名にするケースも多いでしょう。
一方で、名前かぶりを前提とした別の愛称が設けられ、それが代名詞として使われることもあります。 ありがちなのは名前の後に2とか2号といった番号を振ったり、一方を 姉、もう一方を 妹 と呼んだり、それぞれの個性を形容する語句を追加する (例えば りんご、なら、「うるさい方のりんご」 とか) などはよく見かけます。 またお笑い芸人の世界で使われる 「じゃない方」 が使われることもあります (有名じゃない方の○○とか)。
もっとも変えるのが困難な本名 (実名) ならともかく、ペンネームやハンドルなどは変えようと思えば変えられますし、そもそも同じ文字列の人間がいることを後から参加したり名乗った方はあらかじめ知っていることが多いので、わざわざ同じ名前を使う行為は 「かぶり」 ではなく 「かぶせ」 だ、「乗っ取り」 だと、批判的にみられることが多いでしょう。
なお実名の場合の名前かぶりの場合は、ニックネームやあだ名などで区別することが多いでしょう。 ネットのハンドルなどでもニックネームを使うことがありますが、あまり一般的ではないでしょう。 ハンドルにはこだわりがある人もいますし、いらぬ誤解を招くだけです。
インターネット時代の名前かぶり
名前は個人や個別のものを識別・特定・同定するために必須で、個人ならば本名を必ず持っています。 ただしそのままでは使い勝手が良くない場合、愛称 (ニックネーム・渾名 (あだ名) とか異なる別の識別名を自分でつけたり、第三者からつけられたりします。 作品内の架空のキャラ名は、それが本名扱いにもなるでしょう。
個人や個別のものを識別・特定・同定ためには、それぞれが異なる名前 (ユニークネーム) であるのが望ましいのですが、名前や愛称として使いやすく相応しい音や意味、文字数でとなると、文字にも限りがありどうしても名称がかぶるのは避けがたい部分があります。 とくにそれが一般名称をそのまま使ったもの (例えば、りんごとか、みかん) とか、そのアレンジ (例えば青いリンゴとか、みかんちゃんとか) では、名前かぶりが生じない方がむしろ稀です。
そこで、せめて狭いコミュニケーションの場内では、なるべくかぶらないようにしようという使い方がされるようになっています。 例えば特定の 掲示板 や同人の場なら同じ ジャンル 内で、同じ名前がいたら避けようという意識です。
ただし ネット、とくに インターネット が登場し普及する前までは、自分の仲間内以外の第三者の名前を広く調べる方法はほぼなかったので (せいぜい おたく や 腐女子 向け雑誌の投稿欄とか コミケ や レヴォ といった大規模な 同人イベント の サークル参加 一覧を見て調べる程度)、万が一初参加同士で名前かぶりが生じても止むを得ない部分はあり、その後の展開や場合によっては一方が名前を譲って改名するなどはありましたが、さほど大きな トラブル は生じないものでした。
しかしネットが登場すると、同じ名前で活動する者が検索結果などで混ざり合ったり (検索汚染)、とくに ツイッター といった SNS の場では、ハッシュタグ の競合などが生じて、トラブルが生じやすくもなっています。 一般的には前述の通り、先にその文字列をその場で名乗った方に先行者としての権利を認めるみたいなルールや 雰囲気 で取り扱われるケースが多いのですが、これも絶対ではなく、後から来た方が絶大な知名度や人気を得た場合は 「名前乗っ取り」 とか 「ハッシュタグ乗っ取り」 などと呼ばれ、それが発端で 炎上 などが生じることにもなっています。
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