同人用語の基礎知識

オリジナルキャラ/ オリキャラ

トップ 同人用語 項目一覧 オリジナルキャラ/ オリキャラ

自分で何もかも考えたり、一部を他作品から借りたり… 「オリキャラ」

 「オリジナルキャラ」 あるいは 「オリキャラ」 とは、オリジナルキャラクター という意味の言葉です。 とはいえこの言葉はかなり重層的な言葉であり、使う文脈によって様々な意味を持っています。

 同人 の世界で使う場合、作者 が自分で考えたキャラクターやそれを描いた キャラ絵) を指して使うケースが多いでしょう。 既存の マンガアニメ などに登場する既存のキャラやそれを描いたもの、すなわち ファンアート としての 二次創作パロディ ではない自分オリジナルのキャラ、完全自作・一次創作のキャラだという意味になります。 うちの子、宅の子のほか、よりわかりやすく自作キャラとか自前キャラと呼ぶこともあります。

 こうしたキャラは 同人イベントお絵描き 系の SNS (pixiv など) における ジャンルジャンルコード) や カテゴリ (あるいは識別用の タグ など) が 「オリジナル」 となり、作品はオリキャラ作品やオリ作品などと呼ばれます。 またオリジナル作品のみが サークル参加 できる オンリーイベント (例えば コミティア とかそうさく畑とか) に参加することもできるようになります。 とはいえオリジナルでも共通する大まかな 萌え属性要素 はあるので (例えば 猫耳 とか ロリ とか)、それらでジャンルやカテゴリが整理される場合もあります。

 一方、二次創作に対して 元ネタモチーフ となったオリジナル作品のキャラやキャラ絵を、同人絵と対比するために指す使い方もあります。 ただし同人の世界でわざわざオリキャラとかオリキャラ作品、オリキャラ絵などと呼ぶ場合は、その人が自分で 新規 に創り出した自前のキャラを指すことの方が多いでしょう。

世界観や設定を既存作品から借りたオリジナルキャラ

 何もかもが新規で作られるオリキャラがいる一方、既存のマンガやアニメなどの 世界観設定、舞台などの一部を借りて、二次創作に近い形で創作されるオリジナルなキャラもいます。 二次創作+オリジナルで 「二次オリ」 と呼ばれるようなキャラです。

 わかりやすい例としては、アニメ美少女戦士セーラームーンの設定を借りて元作品には登場しない自分オリジナルのセーラー戦士を創るとか、キン肉マンで 「ぼくのかんがえたさいきょうの超人」 とか、ゲームポケットモンスターでゲームに登場しないモンスターを新たに創るような存在です。 これら作者オリキャラが登場する二次創作の場合、作品名の略称にオリを接頭する 「オリ○○」 のような呼び方が多いでしょう。 前述のセーラームーンの例なら 「オリセラ」 みたいな感じです。

 こうしたキャラが登場する二次創作は、元作品に実際に登場したキャラを描いたり、そのキャラが他のキャラと 絡む ような カップリング がされた二次創作を好む ファン からは 「原作にない要素が混ざって世界観を壊す」 と思われがちです。

 またメアリー・スーなどと同様にこれらのキャラがしばしば原作キャラより 有能 だったり目立ったり (逆に云うと原作キャラを踏み台・引き立て役にして目立っている) ように見え、原作キャラファンからは 地雷 扱いされるような場合もあります。 こうしたキャラに作者や 読者 が自分を強く重ね合わせたり自己投影するような作品 (夢表現 など) も、苦手な人は少なくないようです。

 しかし一方で、どのような形であれ二次創作に二次創作者オリジナルの要素が入るのは当然でもあるため、それが独立したキャラの形で描かれた場合だけ、ことさらに異質なもののように見るのもおかしな話です (逆に完全オリジナルだと自分では思っていても、過去に読んだり観たりしたキャラの影響が無意識に出てくるケースも多いでしょう)。 とはいえ受け付けない人は受け付けない部分もあるので、嫌なら見るなnot for me だとして住み分けることが大切なのでしょうね。

オリジナルキャラを描く楽しみは無限大

 ちなみに 筆者 は二次創作もやっているものの、仕事でオリジナルのマンガや イラスト を描いていた時期があります。 その後あまりの才能のなさや当時のゆるい業界慣習に甘えた結果の不義理不行状のあれこれで強い自己嫌悪もあって猛省し、ほとんど 断筆 な状態なのですが、このサイトの周年記念でイメージキャラや Vキャラ でも描くかと久々にオリキャラで趣味のイラスト描きを再開してみました (公開前提である程度ちゃんと描くのはたぶん20年ぶりくらい)。 いやまああれね、オリジナル創作活動やっぱり ヤバイ ですね。 描いてるうちにキャラがどんどん好きになってしまう。 ああだこうだと手直ししてると突然急激にかわいくなる瞬間があってヤバイ。 創作活動危険すぎます。

 とりわけオリキャラがやばいのは、キャラを自分の好き勝手にできるところですね。 他のファンの目を気にする必要が全くない。 なんなんですかこの久々の全能感。 あたし じゃん。 生殺与奪思いのまま。 でも かわいそう だからこれはダメやろ、でもここまではギリOKかとか、複数いる オリキャラが自分の中で人気争い をはじめたりもして葛藤がすごい。 いったん表に出すと周囲の反応とかが気になってしまうのは仕方がないことですが、それを差し引いても自由過ぎて楽しすぎて創作ヤバすぎます。 素人 にはお薦めできない。

 創作においてオリジナルや二次創作でどっちが偉いとか優れているなどはありませんが (どちらも素晴らしい創作活動です)、オリジナルにも二次創作にも楽しい点や面白い部分がそれぞれあります。 もしまだオリジナルなキャラクターを本格的に描いたことがない方がいたら、一度試しに描いてみたら世界がうんと広がると思います。 描く前にあれこれ考えている時点でもう楽しい。 モチーフは何であれ、絵を描いたりあれこれ設定を考えるのは自分の世界が広がって本当に楽しいです。

Twitterこのエントリーをはてなブックマークに追加FacebookLINEGoogle+

関連する同人用語・オタ用語・ネット用語をチェック

(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 1999年11月15日/ 項目を分割しました)
破線
トップページへページの先頭へ

トップ
 旧同人用語メイン
 同人用語辞典 収録語 項目一覧表
 同人おたく年表
 同人関連リンク
 付録・資料
サイトについて
書籍版について
リンク・引用・転載について
閲覧環境
サイトマップ
のんびりやってます
フッター