同人誌の入った段ボール箱を運んだり倒れた人を運んだり… 「台車」
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| 台車は安全に注意して使おうね (同人する子) |
「台車」 とは、荷台に車輪 (キャスター) のついた荷運び用の運搬器、もっぱら荷台に手で押すための持ち手 (ハンドル) がついた荷車のことです。
工場や倉庫、物流関係の 現場 などで、重量があったり複数の荷物を安全かつ効率的に移動・運搬するために使用されます。 材質は様々で、スチール製のものが一般的ですが、ステンレスや一部に樹脂を用いたものもあります。
もっとも広く利用されるのは手で押すタイプの手押し台車でしょう。 持ち手部分は固定式の他に折りたたみ式のものもあり、とくに引越しや事務所移転、企業の荷物運搬用といった 一般人 の目にも入りやすい場でよく使われます。 持ち手がないものは平台車 (平床台車) と呼ばれ、樹脂製の簡便なものから金属式のものまでよく普及しています。 移動の際は積載した荷物を手で押して行います。
これらは コミケ といった 同人誌即売会 でもよく利用されます。 同人誌 は数がまとまるととても重いですし、頒布数 (頒布 (販売) する 部数) が多いと 会場 に 搬入 するのも搬出するにも一苦労です。 時代を下ると搬出・搬入を業者に任せることもできるようになっていますが、とくにクルマで サークル参加 する サークル の場合、搬出が自力しかない時代には駐車場との往復に手押し台車はとてもよく見かけるものでした。
事故を防ぐためにも利用には十分な注意が必要です
荷物を楽に運ぶことができて便利な台車ですが、使い方を誤ると思わぬ 事故 の元となることもあります。 荷物の積み過ぎが危ないなどもそうですが、とくに注意すべきは路面の段差ですね。 段差でつまづくと荷物が前方 (進行方向) に向かって崩れますし、崩れそうになった荷物を押さえて身動きが取れなくなることもあります。
段差がないかどうか前方の確認をする、あるとわかったら荷台に足を掛けて台車を手前に傾けて前輪を浮かし、段差をうまく乗り越える必要があります。 後輪の引っ掛かりの際も力任せに押し込むとやっぱり荷崩れしますから、持ち上げるように車輪を浮かせる、荷物を押えつつ荷台部分といった重心の低い位置から持ち上げて押してやる必要があります。 荷物を積み過ぎると重くて車輪を浮かすことができなくなり、浮いたら浮いたで台車が左右に暴れて段差を超えられなくなったりもします。 この点でも過積載は厳禁です。
利用の際は可能な限り前後に人がつく2人体制で使う、荷物が多い時は一度に運ぼうとせず2度に分けて運ぶなどの安全対策をきちんと取るようにしましょう。 荷崩れを起こして荷物が破損・汚損したり、自分や周囲の人にけがをさせたりしたら最悪です。 引越しなどと違い施設の壁面や荷車などに 保護 のための養生がされていないことが多いため、とにかくぶつけないよう注意が必要です。
また事前にどのルートを通るかの確認は必須です。 段差のあるなしはもちろん、進んだ先に急な スロープ や階段・エスカレーターしかなければ、先に進めずに来た道を引き返す羽目になったりもします。 進行方向にエレベーターがあっても時間帯によって 混雑対応 のためにルート制限がかかることもありますから、その都度可能な限り確認するべきでしょう。 ルートによっては逆方向に戻れず立ち往生し、スタッフに助けを求めるハメになることもあります。
周囲の人も、物流系の仕事などをしていて台車あしらいに覚えがある人は、可能な範囲で声をかけて手伝ってあげるのも助け合いのひとつです。 とはいえいずれの場合でも判断に迷ったらスタッフに声をかけるなどして独自の判断をせず、また絶対に無理はしないようにしましょう。 またぶっつけ本番で利用せず、イベント の前に使う練習をするのも大切です。
「大五郎」 とか 「ドナドナ」 とか
ダンボール箱を積んで運ぶ姿から、マンガ や映画、ドラマで人気を博した 「子連れ狼」(1970年) にかけた ネタ として手押し台車を 「大五郎」 と呼ぶこともあります。 大五郎とは同作 主人公 で元公儀介錯人・剣の達人である拝一刀の幼い息子の名前で、幼児を運ぶために使っている武装された乳母車が 元ネタ となっています。 一般的には1973年から萬屋錦之介さん 主演 で三部作に渡って放映されたテレビドラマ版が有名でしょう。
ちなみに体調不良などで動けなくなった参加者を救護室まで運ぶため、よく訓練された スタッフが緊急の 用途外使用 で台車を車いすやストレッチ代わりに使うこともあります。 まるで乳母車のような使い方ですが、運ぶことそれ自体を畜産市場に出荷される動物に喩えて 「出荷」「ドナドナ」 と呼ぶこともあります。 大五郎やドナドナにならないためにも体調管理、とくに夏場の 暑さ対策 はしっかり行うようにしましょう…。
なお一般にはあまり台車とは呼びませんが、キャリーカート (カラコロ) や車輪つきの旅行ケース、ベビーカーやシルバーカー、スーパーマーケットのショッピングカート、介護用の四輪歩行器や車いすなども車輪があるので台車の一種です。 基本は人力車を指しますが、一部に電動のものなどもあります。 ただし車輪が荷台の下ではなく大型のものが横につく大八車やリヤカー、あるいはターレやクローラーと呼ばれる小型運搬車やフォークリフトなどは一般に台車とは呼びません。
特定用途や業種に最適化された様々な台車が
物流倉庫とか小売業のバックヤードなどでよく使われるものに、カゴ台車と呼ばれる金属パイプの囲いがついた大型の台車があります。 囲いがあるので荷崩れしづらく、サイズの違う荷物をまとめて運べる点が大きな特徴です。 こちらも折りたためばコンパクトに収納することができます。 より細かい囲いとして金網を用いたものもあります。 金網付き台車と呼ばれ、不定形の荷物などをまとめて入れることができます。 学校の部活におけるボール入れなどによく使われていますね。
その他、手押し台車を2つ向き合わせでつなげたような形の両軸台車や、持ち手が前後ではなく左右についたサイドハンドルタイプ、荷台が2段3段と上下に重ねられたもの、さらには特定の用途や業種に最適化されたものなど、数多くの形のものが利用されています。
基本的に台車は産業用で、あまり個人で所有するものでもありませんが、簡便な平台者やコンパクトな手押し台車が1つあると何かと重宝します。 とはいえ重量物を運ぶような仕事や 趣味 でも持っていなければ、必要に応じてレンタルするなどが賢い利用法かもしれません。 ちなみに土木や建築、農林関係で土砂や資材の運搬用に荷台が容器状になった一輪車は猫車 (ネコ) と呼びます。 二輪のものは前述したネコも含め広く手押し車と呼ぶことが多いでしょう。 二輪以上のものは地車 (デッチ) と呼ぶことが多いでしょう。
このあたりは農家だったりするとだいたい1つくらいは家にあったりするものです。 子供の頃にネコに人を乗せて遊んで怒られた人も結構いるかもしれません。 一輪車は慣れていないと大人でも上手く動かせないことがあるので、人を乗せたりするのはやめましょう…。







