上半身に何もつけず胸を露わにする 「トップレス」
「トップレス」(Topless)とは、上半身 (トップス) の衣服や 下着・水着 などを身に着けず、胸を 露出 した状態を指す言葉です。 様態表現としては男女を問いませんが、もっぱら女性に対してのみ使われ、肩や背中が隠れて胸だけが剥き出しになったパイ出しとか乳出しも同様にトップレスと呼ぶこともあります。
男性に対して使う場合は単に パンツ のみ着用しているとする パンイチ (パンツ一丁) と呼ぶことが多く、わざわざトップレスと呼ぶ場合はギャグや ネタ、揶揄や冷やかしの ニュアンス がしばしば含まれるでしょう。 ただし エンタメ として一部のアミューズメント型の飲食店や コンカフェ などで、マッチョな男性がトップレス姿で接客を行うケースのように、文字通り、あるいは ポジティブ な使い方がされることもあります。 なお一般の男性の場合はパンイチ以外では、単に上半身裸とか、もっぱらスポーツや 学校 の部活の場などでよく使われる上裸 (じょうら) と呼ぶことが多いでしょう。
なお英単語としての 「topless」 には、服や水着だけでなく単に 「上部がない」「屋根や蓋がない」 状態でも用いられます。 例えば女性の ブラジャー の上部分がカットされたものはトップレスブラと呼びますし、蓋なしの瓶をトップレス瓶と呼んだりもします。 また シャツ などのトップスを着てブラのみ身に着けない状態は ノーブラ と呼びます。
ちなみに中国で 中高年の男性 が、夏の暑い時期にシャツを胸やお腹までまくり上げる姿は、俗に 「北京ビキニ」(膀爺) と呼ばれます。 近年では都市部を中心に公共の場での マナー の観点から 「非文明的」 だと法で規制されるなど減りつつありますが、日本同様に酷暑が増える夏に涼を求める中国ならではの光景として日本はもちろん世界的にも広く知られています。 そこまでめくるならいっそ上半身裸の方がすっきりすると思いますが、都市部で洋服で行うと見苦しく感じられるのは仕方がない部分はあります。 ただそれを本人らが自覚してやめるならともかく、外から笑うのはちょっと違うのかなとも思います。
なお男性の上半身裸は社会通念上認められても来たので、海やプール、あるいは河川での水遊びにおける 海パン 姿はもちろん、夏場の公園とか観光地などでは、トップスを脱いでのスポーツや移動にもそれほど違和感もありません。 また子供なら、場所を問わずある程度許容されることが多いでしょう (筆者 も子供の頃は、夏休みに市営プールの帰りにトップレスでチャリに乗って帰り道の商店でアイスとかお肉屋さんの揚げたてのメンチカツとかをよく買い食いしてました…)。 こうした男女の違いを差別だとして、男女同権や性の解放を訴える活動家の一部によって、女性がトップレス、男性が女物のブラジャーをして街中を練り歩くといったデモンストレーションもしばしば行われます。
あるがままの姿と開放感、欧米のビーチやリゾートではしばしば見かける
トップレスそのものの俗語的な言葉の成り立ちとしては、欧米の一部のビーチやリゾートで、女性が日光浴目的で ビキニ のブラを外したり、ワンピース水着 の上のみをずり下げるといった スタイル をトップレスと呼んで広がっています。 欧米の女性は肌が露出する服を着たり胸の谷間を強調するような服を比較的身に着けがちで、肩や胸にブラ紐やブラの形の 日焼け の跡ができるのを避けるという意味があります。
日本でも欧米的なファッションが広がると同様の傾向が生じていますが、仮にブラをとってもうつ伏せになって日光浴をするなど、胸を隠す形が一般的でしょう。 欧米では仰向けで寝ころんで日光浴をしたり、乳房を露出した状態で歩く姿も珍しくありません。 極端な場合は、全裸 で過ごすヌーディストといった文化もあります。 こちらは日焼け対策というよりは、あるがままの自然な姿を楽しむ、開放感を得るといった精神的な意味が大きいのですが、日本ではちょっとありえない文化ですね。 欧米においては1960年代には女性向けのトップレス水着も発表され、ファッション界で大きな話題となっています。
このあたりの感覚は文化や宗教、あるいは地域の条例により基準は異なりますが、日本の法令や公序良俗の観点においては、公然わいせつ罪などに抵触する可能性があるため、特定の施設や イベント 以外での露出は法的に制限されています。 とはいえ一方で、日本では銭湯や温泉、さらには男女が同じ湯を楽しむ混浴もあります。 近年では混浴もめっきり減り、また温泉も風呂でありながら水着で入浴といった人も増えていると聞きますが、「あるがままの自然な姿」 を自然の中でどう楽しむかが欧米と日本とでちょっとだけ違う程度なので、どちらが良い悪いという話ではありません。 実際、上半身裸で野外で涼しい風に吹かれたりすると、本当に気持ちよいというか生きている感じがひしひしと身体から湧き上がってきます。
ちなみに欧米ではお風呂はトイレと同じ極めてプライベートな場だと考えられているようで、日本の マンガ や アニメ の混浴表現とか、親子での入浴に強い忌避感情があるとされます。 実際に親子でお風呂や温泉に入るシーンはおおむね 自主規制 でカットされています。 銭湯文化自体は古代ローマ時代からヨーロッパでも盛んでしたが、このあたりは時代の流れなのでしょうか。 それ以外の国では着衣状態での海水浴や入浴も多く、トップレスや全裸といった文化が現在に伝わっていない国も多くなっています。 逆にアフリカなどで伝統的な生活を営む少数民族などは、裸体が当たり前の生活を送ることも多いでしょう。 前述した中国の北京ビキニ (あるいはかつての朝鮮の乳出しチマチョゴリとか) は日本でも見苦しいと嘲笑されがちですが、その国や文化や風俗に根ざした生活様式を笑う方が見苦しいと思います。
ちなみの蛇足で、別にトップレスの話という訳ではありませんが、昭和 の途中くらいの大らかな時代までは、母親が公衆の場で赤ちゃんに授乳するといった風景はそれほど珍しくありませんでした。 現在では家族以外の人の前で授乳などありえないのでしょうし、そもそも母乳で育てる母親も少ないのでしょうし、とくに都市部では全く考えられないものなのかも知れませんが、東京住まいの筆者が子供の頃に人生で一度だけ家族や親戚以外の他人のそれを目撃したのは電車の中で、周囲の人もちゃんと配慮していて、日常 のものとして溶け込んでいました。
人の価値観など人それぞれですし、時代の変化もありますが、母親の強さとか周囲に対する信頼とか思いやりとか、人間、あるいは生物として当たり前の営みに必要以上の羞恥を貼り付けて人目から遠ざける一方なのもちょっと違うのかなと、たまに思い出しては考えたりもします。





