ガソリン値下げ隊なんて忘れました…「そうでしたっけ? ウフフ」
「そうでしたっけ? ウフフ」 とは、都合の悪い過去の自分の発言や行動を問われ、とぼけてシラを切る時に使うごまかしのセリフです。 主に ネット の 掲示板 などで使われる言葉で、2009年12月から翌2010年3月頃まで ネットスラング の一種として流行しました。
元ネタ としては、元祖小沢ガールズとも呼ばれる民主党の太田和美 衆議院議員 (千葉7区→福島2区選出) の、ガソリン価格と税金に関するテレビインタビューでのセリフ (後述します) からとなります。
原油価格の暴騰により、1リットルあたり25円のガソリン暫定税率が焦点に
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| 生活を直撃するガソリン価格 |
ガソリンにかかる税金 (揮発油税) のうち、第一次オイルショック時代 (1973年10月以降) に 「道路整備のために」 として暫定的に設けられた高い税率 (1974年実施) をどうするか、2008年に大問題となりました。
本来は 「暫定」 なので、オイルショックが終わるなり道路整備がある程度行き渡るなりした時点で廃止すべきものですが、2兆5千億円という莫大な税収があるため、その後も30年以上に渡って期限を延長する形で継続。 その次の期限が2008年3月末で切れるので、さらに延長継続するか廃止するかで、政治の場で大問題となっていました。
30年余り続き税収の柱の一つとなっていたこともあり、政権与党自民党はこれまで通り継続の方針を決定。 一方野党民主党はこれに反対。 折しも原油価格が高騰し、ガソリンが値上がりしている時期でもあったため、「暫定分を廃止すれば、ガソリン1リットル当たり25円安くなる」 とし、様々な形のパフォーマンスで反対運動を繰り広げていました (政権獲得後には、合わせて軽油も17円安くすると云っていた)。
国会は衆議院は自民党が多数だったものの、参議院では民主党ほか野党が多数という、いわゆる 「ねじれ国会」 となっていて、暫定税率の問題は難しい判断を要する緊急の政治的課題となっていました。 なお国民のおよそ5割が、マスコミ報道の後押しなどもあり、暫定税率廃止に賛成していました。
暫定税率の延長ができず、一度は小売価格が21円ほど安く…
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| 暫定税率廃止に向け「ガソリン値下げ隊」始動 川内博史議員を隊長に 2008年1月16日に旗揚げ |
結局この時は、延長法案が参議院で否決され継続することができずに3月末に一旦期限切れ、失効となって4月1日から事実上の廃止となりましたが、その後衆議院で再可決 (4月30日) し、すぐに復活。
ゴールデンウィーク前に再び値上げとなるため、暫定税率がないうちにガソリンを入れようとする消費者がガソリンスタンド前に行列を作ったり、原油価格が上がり続ける中、ガソリンスタンド同士の値下げ競争圧力により中小スタンドが暫定税率分以上の値下げをせざるを得ない状況に追いやられ倒産や廃業も増加。 さらに燃料を扱う業者や税務関連省庁の事務手続きが煩雑になるなど、現場が混乱するだけに終わりました。
この時に民主党は 「暫定税率廃止」 を強く訴えるパフォーマンス的グループ、「ガソリン値下げ隊」 を結成。 国対筆頭副委員長の川内博史議員を隊長に、国対副委員長6人の計7人が指揮を取り、若手議員52名が参加。 全体を6つのグループにわけ、全国キャラバンの形でパフォーマンスを繰り広げました。
キャラバンでは大きなノボリやポスター、揃いのジャンバーなどを着た民主党議員が各地で 「暫定税率廃止」「ガソリン値下げ」 を訴え、後の首相菅直人議員らも参加。 その中でも、当時中心となってマスコミに露出していたのが、「そうでしたっけ? ウフフ」 の生みの親、太田和美 衆議院議員なのでした。
2009年に政権交代、しかし暫定税率は事実上廃止されず…
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Q、ガソリン値下げ隊として活動していましたけど? ,..,,,,,,__ ノ~___∧__\ / /⌒ ⌒ , ゞ \ / /(●) (●) ヽ \ | / :::: (__人__) :::: i \ 丶| ` ⌒´ | | \ _/ | ,..,,,,,,__ ノ~___∧__\ / /⌒ ⌒ , ゞ \ / /(⌒) (⌒) ヽ \ そうでしたっけ?ウフフ | /::::⌒(__人__)⌒::: i \ 丶| トェェェイ | | \ `ェェェ´ _/ | |
| そうでしたっけ?ウフフ AA |
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| そうでしたっけ?ウフフ AA リアル版 |
その後、2009年8月の衆議院選挙で自民党は大敗。 民主党は308議席獲得の大勝利となり、政権交代が実現しました。
「暫定税率廃止により2兆5千億円の減税を実施」 は民主党のマニフェストにも明記されていて、「政権を獲得し、衆参両院とも多数を持っているのだから廃止されるのだろう」 と思われていました。
ところが与党となり実際に予算を策定し執行する責任が生じると、黙っていても莫大な税収があがる暫定税率を手放すことが惜しくなったのか、小沢一郎幹事長らの提言により一転して廃止には慎重な立場に。
「マニフェスト違反ではないか?」 と批判が巻き起こると、「暫定税は廃止しますが、ガソリン税の税率を上げて同じ税率とします」 と事実上のマニフェスト撤回を鳩山内閣は決定。
廃止どころか、暫定税が期限のない恒久税に
2009年12月24日には、「暫定税廃止」 によるガソリン値下げどころか、同じ税率を看板の掛け替えによって維持することにより、結果的に暫定税を期限のない恒久税にしてしまうという、全く正反対の対応となったのでした。
この決定に前後して、マスコミはかつて 「ガソリン値下げ隊」 で活躍していた太田議員に 「どうなっているのか」 と取材を実施。 釈明を求めたところ、フジテレビ系 (FNN) の12月22日放映のニュース番組 「FNNスーパーニュース」 で、「Q ガソリン値下げ隊として活動していましたけど?」 との問いに何ら明確な回答をせず、満面の笑みでの 「そうでしたっけ?フフフ」 の返答となったのでした (テレビ番組のテロップでは 「フフフ」)。
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| ガソリン値下げ隊」 の先頭に立って活動した 民主党の太田和美 衆議院議員 |
マニフェスト違反に対し真摯に反省するコメントをするならまだしも、これはあまりにひどいとネットで話題となり、その様子は アスキーアート (AA) となり流行。 過去の自分の発言などをごまかすセリフとして、「そうでしたっけ? ウフフ」 がよく使われることとなりました。
後に本人は自分のサイト上で、この発言について釈明。 ただし有権者を裏切ったことに対する謝罪や釈明ではなく、あのシーンは 「私があたかもガソリン値下げ隊のメンバーであることを忘れているかのように報道されていましたが、実際には、ガソリン値下げ隊のリーダー格として立派に活躍していたという主旨の質問に対し、「そうでしたっけ、私なんかより、隊長はじめいろいろな方々がもっと立派に活躍していましたよ」と、謙遜して発言したもの」 だった、不本意な編集による誤解だとしました。
マニフェストとガソリン値下げ隊とは何だったのか…
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| 「2009年の衆院解散と同時に自動的に解散」 “テキトー”民主の「ガソリン値下げ隊」は どこ行った?(zakzak/ 2011年2月9日) |
民主党は 「自民党の公約は単なる努力目標、私たちのマニフェストは有権者との契約です」「必ず実現します」 と選挙中に叫んでいました。 しかし公約の大半を実現していた自民党に対し、民主党のマニフェストはその大半が実現していません。
後には 「詐欺フェストだ」 などとも揶揄されていますが、マニフェスト撤回の際の弁明も嘘やその場限りのデタラメばかりで、これでは国民はたまったものじゃないでしょう。 まさに ブーメラン 政党の面目躍如といったところでしょうか。
一応、暫定税率廃止→恒久税率になった際には、価格がもし高騰した場合には暫定的に2ヶ月間をめどに減税するとの申し合わせや付帯条項が設けられましたが、その後どれだけ価格が上昇してもこれが発動されることはなく、2011年3月の東日本大震災 (東北地方太平洋沖地震) でガソリン不足による価格高騰が生じた際には、この暫定減税の正式な廃止 (と同時に、復興のためのさらなる増税) が検討される有様となっています。
焦点の 「ガソリン値下げ隊」 も、価格を実質的には1円も下げることなく、むしろ軽油や灯油などその他の燃料の価格が釣り上がる形で終了。 要するにガソリンの値段や庶民の生活などどうでもよく、暫定税を人質に国会運営の主導権を握りたかっただけだったのでしょう。 政権獲得後は公式のアナウンスは一切なく、その後ひっそりと解散しています。
なお解散時期はしばらく判明していませんでしたが、2011年2月、中東情勢の影響などで再びガソリン価格が高騰しつつある時期に自民党議員から 「ガソリン値下げ隊、どこ行っちゃったんでしょう」(2月8日、衆院予算委員会で、茂木敏充議員から菅直人首相への質問) とのやり取りがあり、この顛末を報道した翌9日の夕刊フジの取材に答える形で、かつてのガソリン値下げ隊隊長、川内博史議員が 「2009年の衆院解散と同時に自動的に解散しました」 と述べています。
このコメントはネットニュースサイト 「zakzak」 にも掲載され、「これはひどい」 と再び話題となりました。
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