同人用語の基礎知識

Bukkake/ ぶっかけ

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顔面シャワーから集団汁男優による精液の乱れ撃ちまで…

 「ぶっかけ」 とは、精液、ザーメンや小便、おしっこ などを女性 (ホモゲイ を扱ったものなら、男性の場合もある) の顔や体、頭や衣服に射精の形でかける行為、もしくはそうした描写のある写真やビデオ (動画) の作品のことです。 うち精液に関しては、汁系 などとも呼びます。

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 1980年代後半のアダルトビデオ (AV) での 「顔射」(顔面射精/ 顔面シャワー) の誕生が、こうした描写が広まる直接的な契機となりました。 それ以前にも、エロ雑誌などの写真で扱ったもの (顔ではなく、女性の腹部などへの射精 (膣外射精・腹撃ち) は古くからあります) がありましたし、マンガ や劇画の世界ではもっと古くからこうした描写がありましたが、やはり動画で 「顔へ向けて射精」 というインパクトは格別なものがありました。

 名物AV監督、村西透氏が 「顔面シャワー」 シリーズを発表したのが 1980年代末ですが、ビニ本ブーム (ビニール本ブーム) と共に、アダルトの世界のムーブメントでありながら、当時は一種の一般的ブーム (言葉として流行っただけで、実際に実践するような人は少なかったようですが) になるほどのインパクトをもたらしていたものです。

ぶっかけの直接のルーツは、「ぶっかけうどん」 から…

 なおぶっかけの直接の語源は、うどんや蕎麦などの 「ぶっかけ」 で、濃い目の出汁を冷やしたうどんや蕎麦にかけて食べるための方法をそう呼び始めたことからきています。 現在は蕎麦でもぶっかけと呼ぶことがありますが、元々はうどんの食べ方として生まれ、腰の強いざるの讃岐うどんに、関東のざる蕎麦用の濃いつけ出汁を 「ぶっかけ」 て食べるためのものでした。

 語源は江戸からやってきたお代官様と地元豪商とのグルメ争いの逸話を持つ、ぶっかけ元祖となる岡山県倉敷のうどん専門店 「ふるいち」(古市) の、天領 「倉敷」 名物 「ぶっかけうどん」 です。 この 「ふるいち」 のうどん、実際は讃岐うどんではなく、あくまで讃岐うどん風の腰の強いうどん、だったのですが、その後讃岐にもこの食べ方が伝播、夏場などに冷やした うどんに 「花かつお」 と 「甘辛い濃い目の出汁」 をぶっかけて食べ始めるようになり、新しい美味しさが受けて全国に広がりました。

 ただし江戸時代にはうどんは嗜好品、贅沢品の扱いでしたので (麺類は穀物を無駄にすると、江戸幕府からたびたび禁止令なども出ています)、庶民が手軽に食べられるようになった、明治以降におなじみの食べ方となりました。

「ぶっかけ」 そのものの語源は…

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 ちなみの蛇足で、「ぶっかけうどん」 の言葉としての 「ぶっかけ」 そのものの語源は、江戸で町民が飯に汁をかけて食べた 「ぶっかけめし」 の 「ぶっかけ」 を取ったものでした。 こうした使い方は今でも行われてはいますが、「ぶっかけ」 が麺類で使われるようになったからか、ご飯物は 「汁かけご飯」 とか 「味噌汁かけご飯」 などと呼ぶケースが多く、現在ではあまりポピュラーな名称にはなっていない感じです。

 さらにさらにさかのぼって 「ぶっかけ」 を追求すると、水などが体などにかかる 「かける」 という動詞に、「ぶつ」 という接頭辞がついている形ですが、この 「ぶつ」 は 「殴る」 などの意味の 「打つ」 で、「ぶっ叩く」「ぶん投げる」 など、他の動詞に接頭して強調する使い方をしているものです。 すなわち 「打つ + 掛ける」 という訳ですね。

汁男優の公募まで行い大人数でのぶっかけが主流に…

 その後、「顔面シャワー」 がエスカレートしたエロ演出があちこちから登場。 有名なところでは、いまや世界的にも BUKKAKE として広く知られる シャトルジャパンさん (現在は 新規 作品の制作は休止中) の作品群の本格リリースが始まりました。

 「普通のセックスの最後の演出」「締めのクライマックス」 ではなく、もうとにかく大量の精液をドロドロになる (というか、テカテカになる) までひたすら女性にかけまくるような作品が次々に登場するようになりました。 「顔射」 と違い、顔面以外にもシャワーするので、その後こうしたエロ演出は 「ぶっかけ」 と呼ばれるようになります。

 「顔射」 もそうですが、日本ではポルノ合法の欧米と違い、局部の撮影や描写が わいせつ物 として厳しく規制されていますから、いかにして性的絶頂といやらしさ、性的な過激さを演出するかのひとつの結論が、こうした表現に結びついたようですね。

様々な呼び名が誕生、さらに 「ごっくん」 ものなども…

 なお AV 用語としては、「顔射」「顔面シャワー」 のほか、とくに大量の汁が出るものを 「大量汁モノ」「大量ぶっかけモノ」「汁ダク」「大量白濁液」「大量カルピス」 なんて直接的に呼ぶケースもあります。 顔ではなく胸に射精する場合は 「パイ射」、中出しではないものの非挿入状態で女性器に向けて射精するのは 「性器撃ち」 や 「性器射」 となります。 また アイコラ にも、顔などに汁を合成加工する汁コラなんてのが存在します。

 2000年代にもなると、ガラスコップに何人分もの精液をためてAV嬢に飲み干させたり (ごっくん などと呼びます)、透明な アクリル を首を取り囲むように取り付けてそこに大量の精液をためたり、あるいは鼻の穴や耳の穴、目に射精したり、AV嬢の口にたくさん精液をためさせうがいをさせたり、そのままそれを別のAV嬢に口移しで飲ませたりと、疑似 精液を使ったものも結構あるとは云え、AVの世界はほとんど何でもアリになってますね。

 どこかのソフトハウスが過激なことをやると、売り上げにダイレクトに響くだけに互いにどんどんと過激さがエスカレートするものですが、あまりに極端なものは、エロというより余りのバカバカしさに、むしろ笑いがこみ上げてくるようなものもあるようです。 例えば女性の鼻の穴に向けて射精し、女性が 「オエっ」 となるのを延々と繰り返すビデオなどがありますが、見ていて 「世の中にはいろんな趣味の人がいるんだな…」 と、ある種の感動すら覚えました。

エロ同人の世界では、それなりに人気のあるジャンルです

 マンガや劇画では集団ファックもので大量の精液が乱れ飛ぶような描写は 1970年代から珍しくない表現でした。 それは 1980年代以降の 美少女コミック などの ジャンル でもかわらず、もちろん漫画家によってそういった表現がまったく見当たらない作家も少なくありませんが、実写のAVがかなり人を選ぶ (さすがに気持ち悪い、苦手だ…って人も多いです) のに対し、マンガの世界ではわりと受け入れやすかった感じがありますね。

 触手スライム なんかもそうですが、女体をメインにほとばしる液体なんかは画面効果として映えるので、描きやすいってのもあるのかも知れません。 「ぶっかけ」 はアダルトビデオの言葉ですが、マンガや同人の世界でのことは、汁系 項目で詳しく解説しています。 興味がありましたらご覧ください。

写真やフィギュアに射精する場合も

 オナニー などで、それまで おかず としていた漫画や写真、時にはフィギュアなどに精液をかける場合もあります。 とりわけ写真やフィギュアへの射精は、「写真ぶっかけ」 とか 「フィギュアぶっかけ」 と称して、ある種の動画などの ネタ ともなっているようです。 どちらも顔面射精などぶっかけ系の疑似体験、代償行為なんでしょうが、他人がフィギュアなどに射精している動画や 画像 を見て興奮する人もいるようです。

 フィギュアぶっかけなどは、フェチ の一種になるんでしょうけど、世の中にはいろんな性的趣味があるものですね。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2001年6月11日)
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