同人用語の基礎知識

HENTAI/ ヘンタイ

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世界を席巻する HENTAI

 「HENTAI」(ヘンタイ) とは欧米で一部マニアが日本製の 18禁アニメ (アダルトアニメ/ エロアニメ) やマンガ、ゲーム、さらには同人やフィギュアなど、一連の 「おたく」 系サブカルメディア類全般を指し示す際に用いるスラングの1つです。

 一般的に欧米で使われる言葉では 「Porno/ ポルノ」、日本で使われる言葉で一番近いのは 「Adult/ アダルト」 や 「Ero/ エロ」 あたりですが、18禁ではない日本製サブカルチャー全般を指す場合に使うこともあります。 いわゆる 「Erotomania/ エロトマニア」 などの一般形容詞なんかとはまた違った言葉となっていますね。

 そういやスケベな人を日本語で俗に 「エッチ」 なんて呼びますが、これは 変態=HENTAI の頭文字、Hを取ったものです。 やはり HENTAI は、特別な言葉なのかも知れません。 なお HENTAI に限らず、OTAKU (「おたく」) や MANGA (「漫画」)、COSPLAY (「コスプレ」)、YAOI (「やおい」)、DOUJIN (「同人」)、BUKKAKE (「ぶっかけ」)、KAWAII (可愛い)、MOE (「萌え」) なんかも、今は割りと通じる日本語由来の英語になっていたりします。

 アニメも ANIMATION や CARTOON ではなく 「ANIME」 と表記する場合は、日本製アニメのみを指すようです。 そういや 「コスプレ」 も、向こうでは本来の意は時代衣装を着た舞台稽古を指していて、映画などの登場キャラクターの着真似をするのは 「Masked Party」 のように呼んで区別していましたが、これもすっかり、「コスチュームプレイ (Costume Play)」、「コスプレ (Cos-Play)」 と呼ぶのがポピュラーになりました。 インターネット時代となって、こうした言葉の輸出は時間がかからなくなりました。

 さて、こうした言葉がどのくらい普及し広まっているのか、ですが、ためしに日本を代表する(?)とされる旧来のキーワードと、おたくや同人をルーツとする言葉とを、ぐぐって比較してみました。

旧来の日本を代表するイメージ語句と HENTAI 同人系用語/ 2004,12 現在

日本語英語Google 検索件数Yahoo! USA 検索件数
富士山Fujiyama   約121,000 件   約115,000 件
芸者Geisha Girl 約189,000 件 約429,000 件
切腹Hara-kiri 約74,300 件 約79,200 件
神風Kamikaze 約732,000 件 約1,490,000 件
寿司Sushi 約2,400,000 件 約4,230,000 件
天ぷらTempura 約153,000 件 約243,000 件
歌舞伎Kabuki 約366,000 件 約478,000 件
カラオケKaraoke 約8,830,000 件 約15,600,000 件
改善 (職場改善運動)Kaizen 約915,000 件 約556,000 件
変態Hentai 22,300,000 件 8,070,000 件
おたくOtaku 約600,000 件 約1,030,000 件
同人Doujin 約223,000 件 約97,600 件
萌えMoe 約4,670,000 件 約3,280,000 件
やおいYaoi 約515,000 件 約713,000 件
コスプレCosplay 約710,000 件 約677,000 件
ぶっかけBukkake 約2,570,000 件 約1,720,000 件
セーラームーンSailorMoon 約949,000 件 約885,000 件

 最近何かと世界を席巻する日本文化ともてはやされるアニメやゲーム、「おたく」 文化ですが、こうしてみると確かに圧倒的ですねw。 う〜む、ネットとアニメやゲームなど 「HENTAI」 文化との親和性が高いってのを差し引いても、これはこれで日本人として困ったような感じもしたりはしますが (^-^;)、しかしいずれは浮世絵における春画のように、これら HENTAI 文化が世界のアカデミックな芸術や文化に影響を与えて行くのかも知れません。

 まぁ、日本国内では全く評価されていない、常に当局の取り締まりに遭っている…ってのも、かなり状況が似てますしねぇ (春画も日本国内では単なる世俗のエロ画として全く評価されず、陶磁器の輸出の際にオマケにつけたり、あるいはまるめて緩衝材にされて海を渡ったのが、欧米で印象派画家を中心に影響を与えたのでした)。

 ちなみに HENTAI 系サイトの多くは日本製アニメやギャルゲーなどの画像のパクリで構成されていて、日本人が見るとちょっとびっくりする作りのサイトばかりです。 …海外のファンサイト運営者って、著作権や版権、肖像権に対する意識ってないんでしょうか (^-^;)。 日本国内サイトではありえないバナーやサムネイルが炸裂してますね。 末尾にうちのサイトのリンク集のうち、HENTAI 系サイトの検索さんのリンクをまとめたページがあるので、リンクを貼っておきます。 興味のあります方は、一度のぞいてみてはいかがでしょう? (ただし 18歳以上の方で、リンク集冒頭の注意文をよく読まれた上でお願いしますね)。

新しい動きも少しずつ出始めてはいるが…

 「有害コミック」 の項目でも述べていますが、昨今、日本の産業界や行政、文化関係の諸機関での 「HENTAI」 再評価の動きが急です。 2003年1月17日、日本文化の国際交流の方策を検討してきた文化庁の 「国際文化交流懇談会」 (座長/ 平山郁夫東京芸術大学長) が、日本映画やマンガ、アニメーション、コンピューターグラフィックスなどを重要な日本文化芸術として位置付け、積極的に海外に発信することなどを提言した中間報告を作成、3月をめどに最終案をまとめると発表しました (座長の平山郁夫氏って独特な日中史観の持ち主で、一部から猛反発受けていたりするんですが…おまけに文化庁文化部長は、「ゆとり教育」 の推進者、ミスターゆとり教育、あの寺脇研さんです (´□`)。

 同年12月25日には、総務省の情報通信ソフト懇談会 (座長/ 長尾真京都大学前学長) がアニメやコミック、ゲームなどのポップアート、ポップカルチャーを国の政策として一致協力して伸ばすことが日本の経済競争力強化にもつながるとする報告書をまとめ、世界で高い評価を得ていながら国内では低い評価と関係者の劣悪な就業環境となっている現状を見直し、改善するべきだと提唱しています。 また翌 2004年2月には、通常国会に議員立法の形で国が率先しアニメやマンガ、ゲームなどの制作環境を整え、また人材育成や知的財産権の保護などに取り組もうとの法案も提出されました。 前後して、野村総研はじめ各シンクタンクも軒並み、おたく文化の市場の大きさと 「産業としての価値」 を見い出す調査結果や提言を発表しています。

 これが過保護になりすぎず、日本マンガ、アニメなどの適度なバックアップになってくれれば嬉しいんですけどね。 つかむしろ、逆に変な自主規制を盛り込むみたいな形になって、邪魔をしなければ良いのですがね。 「次世代の人材育成を図る」 なんて云ってヘンな専門学校とか箱物を適当に作って、それを所管する天下り先の団体を作って終わりになっては、やらない方が余程マシです。 あるいは知的所有権保護は結構ですが、違法コピー対策の名の元に、同人など二次著作権までも急造の著作権管理団体あたりに任せて取り締まる一方では、マンガ文化の裾野を踏み荒らすだけになるでしょうし。 人材がダブついている 「プロデューサーの発掘と育成」 なんか、もはや有害です。

 ただ、「大人がマンガを読むのは日本だけ」、「マンガやアニメそのものがダメ」 なんて実情を知らないにも程がある噴飯ものの現状認識は、世界を席巻する日本アニメや芸術作品として世界的に賞レースを総なめにした宮崎駿監督 「千と千尋の神隠し」 効果もあって、これで少しは改められるんでしょうか。 「HENTAI」 との名称がこれ以上世界で一般化することの是非はともかくw、こうした前向きな動きには期待したいものです…。

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(うっ!/ 2003年5月27日)
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