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突込みどころ満載の意見をあえて配信…「炎上マーケティング」

 「炎上マーケティング」 とは、ブログTwitter、もしくは公式サイトやその他の場所で、わざと突込みどころ満載のおかしな意見、極端で批判を受けるような偏った意見を配信し、いわゆる 炎上 と呼ばれる状態を意図的に作り出す広告宣伝、マーケティング手法の一つです。 「炎上マーケ」「炎マ」 のほか、「炎上商法」 とも呼びます。

 ブログや Twitter には批判的なコメントが殺到し、2ちゃんねる などの外部の 掲示板 などで話題が広がる一方、ネットニュースサイトに話題として取り上げられたり、その配信を受けている Yahoo! ニュースに掲載されるなど、低コストで急激に ネット の世界で大きな話題となります。 これにより、正規の広告費を掛けずに自社サイトのアクセス増加や知名度の急上昇を目指す手法のひとつとなります。

 こうした 自作自演 のような広告宣伝は、本人が自分に不利益となる ネガティブ な情報をわざわざ出すわけがないとの先入観を利用し、通常の広告枠から飛び出したニュース枠、クチコミを最大限に利用する 「嘘マーケティング」 の一種とされます。 似た言葉に ノイズ・マーケティング (嘘マーケティング)、話題が急速に広まる点で バイラル・マーケティング の一種ともされます。

炎マ…リスクはあるが、長い目でみるとプラスもある独特の広告

 炎上によってアクセスが殺到し、掲示板やブログに感情的なコメントがあふれ、お祭り騒ぎ となるのは非常にリスクがあります。 1990年代から2000年代の中頃にかけては、「いかに炎上を防ぐか」「炎上したらどうやって速やかに鎮火するべきか」 との対応がもっとも重要で、意図的に炎上を招くなどは、少々精神的に不安定な 「構ってちゃん」「目立ちたがり屋」 の個人や、エロ や風俗関係の、いかがわしいサービスを行なっているような企業や個人が大半でした。

 しかしその後、過去の炎上の様子などが詳細に分析され、さらに Twitter や Facebook といったソーシャル系の瞬発力のあるネットサービスなどが登場して状況も変化。 それまでレピュテーション・リスク(Reputation Risk/ 評判リスク、風評リスク) を監視・対策して回避する 「ネット監視」 を業務としていた一部の RRM (レピュテーション・リスク・マネジメント) の業者などが、ネット工作員 的な書き込み誘導から発展した形で、「炎上をプロモーション」 する業務をも、取り扱うようになっているとされます。

 ただし知名度を瞬発的に上げる効果はそれなりにあるものの、リスクも極めて高い広告宣伝方法なので、実際にどのプロモーションが炎上マーケティングを採用していたのかはわかりませんし、単なる目立ちたがり屋が行う自爆的な炎上を揶揄して、「炎上マーケティングか」 などと冷やかすだけの使い方をされる場合もあります。 一方で、一部の ITベンチャーやネット世界の有名人の一部には、好んで 「炎上マーケティングを仕掛けている」 などと経営者や本人がうそぶいたり、実際にそれに近い行為を明白に行っている場合もあります。

有名人・著名人に理不尽な喧嘩をふっかける炎上マーケも

 こうした手法でもっとも悪質なのは、ツイッターなどで数万〜数十万の フォロワー を持つような有名人・著名人に対し、理不尽で無茶苦茶な理屈でもって喧嘩を吹っかける手法でしょう。 その内容に疑問を感じたフォロワーや一般人が、そのツイッターアカウントのプロフィールに記載されているURLや、つぶやいている短縮URLにアクセスすると、そこに怪しげな アフィリエイト や情報商材の購入誘導がてんこ盛りのサイトやブログがでてくるという図式です。

 そのような状態でアクセスされても商品購入に至る人はほとんどいないでしょうが、とりあえず膨大なアクセス数を稼ぐという目的は達成できますし、多くのアフィリエイトなどが、アクセス数に応じて手数料などが上がる仕組みになっていたりもするので、「商品を売るサイト」 と 「炎上でアクセス数を稼いで手数料を上げるサイト」 に割り振って商売しているようなケースもあります。

 また世の中には 「天邪鬼」 な人がいますから、みんなが批判してるなら、自分はあえて擁護しようと、好意的なつながり方をする人もいます。 一旦好意的なつながり方をすると、その後は自分を守るために批判されている対象をさらに擁護するようになりますし、それが100人の内でたった1人だけでも、集めたアクセスが100万なら、都合1万人にもなります。 何もせず、地道に自分の擁護者を1万人集めるのは大変ですから、マーケティング的にはこれでも 「アリ」 なのでしょう。 コストも掛かりませんし。

 しかし無茶苦茶な理由で喧嘩をふっかけられる有名人・著名人や、それを見て不快を感じるファンなどは、たまったものじゃありません。

どれほどのネガティブ情報であっても、そう感じない人も

 俗に悪評も評判のうちと云いますが、ネット中で大騒ぎになるほどの炎上となっては、知名度が高まってもマーケティングにはならない、商売をするにしてもイメージが悪くなって逆効果だとの意見もあります。 しかし 「それでもなお食いついてくる客」 をこうした方法で集める手法は、実は結構歴史もあり、しかもかなり有効なものです。

 例えばネズミ講やマルチ商法などの 主催者 が、いかにも詐欺師っぽい格好、あからさまにインチキくさい突込みどころ満載の顔や身なりをしているケースがあり、事件報道などでその姿を見て、「何であんなのに騙されるのだ?」 と驚くことがあります。

 被害者が欲に目がくらむこともあるのでしょうが、実はあれは、わざとインチキ臭く安っぽい格好をし、「それでも騙されるバカ」 を最初の段階から効率的にふるいにかけ、限られた人的リソースを集中的に運用するためなのですね。 詐欺師やマルチ商法の運営者や主催者は、騙すのにコストがかかり悪事が発覚する恐れも高まる 「賢く利口な人」 など、最初からいらない、眼中にないのです (それ以外にも色々な理由があり、実際の運営にももう少し複雑なフロー (少しだけ信頼感のある営業担当を別に設けギャップで揺さぶるなど) がありますが)。

 炎上マーケティングは、そうした下世話で 「低レベル」 な方法をあからさまに使うことによって、それと同じレベルの人を効率的に集めるためのマーケティングとして極めて有効です。 そうした低レベルなマーケティングに嫌悪感を覚えるようなレベルの高い人、情報リテラシーや意識の高い人など最初から相手にしていないのですから、実に理にかなった方法とも云えます (低レベルのターゲットだけに絞って、彼らに合う方法で情報を提供する…こうしたやり方は、嘘がバレバレのスパムメールによるマーケティングもそうですし、ある意味でテレビのバラエティ番組での宣伝も一緒でしょう)。 またごく少数の、前出した 「天邪鬼な人」 も吸い上げることができます。

 その後炎上をコントロールする形のマーケティング方法が作られると、ここまであからさまなものは炎上を使ったケースで見られなくなりつつありますが、ノウハウは蓄積され、情報戦の一種として様々な取り組みが現在進行形で試され、また構築されていると云って良いでしょう。

「炎上マーケティング」 …付き合うだけ、時間の無駄です

 不可抗力と思われる事件や事故が発端で炎上騒ぎになるケースはともかく、あからさまな 釣り、いかにも突っ込んでくれと言わんばかりの暴言などは、炎マであろうがなかろうが、「つきあうだけ時間の無駄」 だと考えるようにしましょう。 晒し上げのつもりでわざわざそのサイトにリンクなどを貼って、話題を広げる協力をしたり、SEO (検索エンジン最適化) のお手伝いをする必要はありません。

 ネットには、色々な思惑を持つ人が、様々な形で関わっていることを知ること。 それが ネットリテラシー を高める、最初の第一歩と云えるかも知れません。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2009年10月22日)
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