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キリ番

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なんだかんだいって嬉しい 「キリ番」、しかし行き過ぎると…

ウェブサイトの 「キリ番」
ウェブサイトの 「キリ番」

 「キリ番」 とは、ホームページ (ウェブサイト) の アクセスカウンター掲示板書き込み 番号などの 「数字」 がキリの良い数値になること、あるいは利用者がその瞬間にサイトに訪れたり、その番号で書き込みをすることです。

 例えばアクセスカウンターで数値がちょうど 100,000ヒット目だったり、掲示板の書き込み発言番号が 1,000 だったりすると、「キリ番を取った」 となります。 端数のないキリのよいものだけでなく、22,222 などのような 「ぞろ目」、123,456 のような 「並び」、さらには 4649 (よろしく) などのような 「語呂合わせ」 になっている数値の場合も、「キリ番」 と呼ぶ場合が多いようです。

 また アニメ漫画ゲーム に登場する キャラクター や芸能人やアイドルなどの ファンサイト の場合、ファン 活動の対象としているそのキャラなりタレントなりの誕生日となる日付の文字列なども、そう呼ぶ場合があります。 11月25日なら、「1125」 が誕生日キリ番となります。

 なお 「キリ番」 を取ることは 「キリ番を踏む」「キリ番ゲット」 と呼び、取った人は 「キリ番ゲッター」 などと呼びます。

「キリ番踏み逃げ厳禁!」 時にはトラブルになる場合も…

 こうした ネット に現れる数字のキリのよさ、語呂のよさなどで遊ぶのは、パソコン通信 の時代にもありました。 当時はアクセスカウンターなどはありませんでしたが、書き込み番号や閲覧数値などで大台目前となると、それなりに利用者も意識していたものです。

 また後の インターネット の時代になっても、アクセスカウンターで 1万ヒットとか 10万ヒットなどの区切りの大台に乗る瞬間は、多かれ少なかれサイトを開設している 管理人 の多くは嬉しく感じたり、それを利用者らが祝う 雰囲気 もあります。 カウンターがぐるぐる回るアクセス数の多い 大手サイト ならともかく、細々とやっている小さいサイトなどでは、かなり励みにもなりますね。

 ところがこれが行き過ぎ、「キリ番を踏んだら必ず報告してください」 などと、管理人が利用者に要求するようになると、ちょっと ニュアンス も変わります。 多くの場合、「1万ヒット記念イラストを差し上げます」「イラストのリクエストを受け付けます」(リク絵) といった利用者への感謝のプレゼントを企画として行っているケースでそれが見られ、サイトを盛り上げようと頑張っているのはわかりますが、無関係の人がうっかり踏んでしまって申し訳ない気分になったり、管理人との感覚の違いで トラブル が生じたりもします。

キリ番報告を頼んでもいないのに、執拗に行う人とか…

 もっぱらこうした遊びで行き過ぎた 縛り をかけるのが リア、すなわち中学生や、それに感性が近い人に多いこともあり、厨房 のサイト、厨サイト などと呼ばれてしまうケースもあります。

 また逆に、「厨」 な利用者がキリ番サービス (報告募集) をしていないサイト管理者に、いちいちキリ番報告をする場合もあります。 掲示板などで勝手に 「キリ番○○ゲトー」 などと書き込む分には盛り上げ ネタ として嬉しいものでしょうが、個別に メール で 「○○取りました」 なんて報告されると、「いったい私にどうしろと」 と、戸惑う人もいるようです。

 まぁ長い間サイトを 運営 していると段々とだれてきて、1周年とか5周年とか、こうしたキリ番などをひとつの目標にしないと、新しい イラスト とか作品を作るのが難しい、モチベーションが上がらないなどという場合もありますし、サイトを盛り上げるために使うのはぜんぜん問題がありません。 筆者 も別のサイトでキリ番で遊んだこともありますし、オンラインゲームでキャラクターの レベル 数などのキリ番で祝いあったり、アイテム のプレゼントをするなど、「ネット上の日常生活のちょっとしたスパイス」 には、こうした遊びはもってこいでしょう。 そもそもデジタル時計の時間表示が誕生日とおなじになったのを偶然見ただけでも、何故か嬉しくなってしまう人もいますし。

 しかしそれが、「○○さん がキリ番を踏んだのは分かってるんですよ? どうして報告しないんですか!?」「せっかくキリ番報告したのに無視ですか…さすが大手サイトの管理人様は違いますね」 なんて 叩き や争いの種になるのは悲しいことです。

 管理人は 「踏んだことに意味を感じない人もいる」 と想像力をめぐらせ自分ひとりで喜べばいいやと 割り切り、利用者は 「管理人さんに日ごろの更新のお礼を言う良いタイミングだ」 と思いやりを持って 「利用する」 のが、「賢いキリ番の使い方」 なんでしょうね。

日本語における 「キリ〇〇」 という言葉

 「キリ」 とは 「区切り」 の 「切り」 のことですが、キリの良い数字で 「キリ〇〇」 と呼ぶ例は勝負事の世界によくあります。 もっとも一般的に広く使われているのは、将棋におけるキリ番 (通算100勝とか200勝とかが懸かった勝負) やキリ勝 (同じく100勝目といったキリの良い通算勝ち数の勝ち) があります。

 これはメディアやファンが使う俗語に留まらず、日本将棋連盟なども 公式 に使う言葉であり、これが発端という訳でもないのでしょうが、ネット用語のキリ番への影響も当然あったのでしょう。 通算数は区切りではあるものの単なる通過点でもあるわけですが、将棋でもスポーツでも勝負事に記録の顕彰やゲン担ぎはつきものですし、誰もが価値を認めて馴染みのある表現でもあるのでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 1999年8月20日)
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