同人用語の基礎知識

チート/ Cheat

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ゲームデータを不正に操作…無敵のキャラに… 「チート」

 「チート」 とは、コンピュータゲームの セーブデータ などを特殊なツール類を使って操作し書き換え、改変・改竄してしまうことです。 例えば ゲーム の中で使うお金を増やしたり、キャラクターパラメータ (能力値) やキャラが 装備 する武器や アイテム の効果を大きく強くしたり、攻撃が全て命中したり クリティカルヒット になるようにしたり、キャラを無敵状態とし、死なないように変更するなどとなります。

 「チート」 の直接の意味は、英語の 「Cheat」(ズルい、騙す、イカサマ、詐欺、ごまかし) で、後には日本独特の意味の付け足しや拡張もあるものの、アメリカを始め海外の英語圏でもほぼ同じような意味で使われる言葉となっています。 例えば試験などでズルするカンニングで、こっそり試験中に見る答が書かれた紙をカンニングペーパー (カンペ) と日本では呼びますが、海外では 「チートシート」(Cheat Sheet/ 覚え書きみたいな意味もある) と呼んだりもします。 またダイエット中の停滞期やストレス対策として設ける何でも食べられる日を 「チートデイ」 と呼ぶこともあります。

 なお日本のネットコミュニティで使う場合には、長音符を略して 「チト」 としたり、一部の 掲示板 では半角カタカナで 「チト」、それと似た漢字となる 「升」(ます) なんて書く場合もあります。 「チート」 する人は 「チーター」「チート」 したデータやキャラ、アイテムは、「チートデータ」「チートキャラ」「チートアイテム」 などと呼びます。

 一方派生語として、ソフトウェアではなくコントローラやモニターといった物理的な プレイ環境、ハードウェアの部分を改変・改造してしまうことを 物理チート、難しくて自分ではプレイできないようなケースで、ゲームが得意な家族や友人らにプレイ代行を頼むことを 生体チート と呼ぶこともあります。

現実の世界でも、異常に強い存在をシャレで 「チート」 呼ばわり

F-22 ラプター
ほとんどチート武器の F-22 ラプター

 こうした意味が転じて、ゲーム世界の話ではなく現実の世界でも、やたら能力が高く無敵の強さ、無双状態 を発揮するスポーツ選手や歴史上の武将、あるいは高い威力を持つ兵器や道具類などを、賞賛や感嘆の意味で 「チートだ」 なんて比喩として表現する使い方、リアルチート もポピュラーとなっています。

 例えばアメリカ空軍のステルス戦闘機、F-22 ラプターなどは、そのあまりに圧倒的な空戦能力や性能から、「リアルチート武器」 などと表現されたりします。 また個人でいえば、フィンランド狙撃兵の シモ・ヘイヘ や、ドイツ第三帝国軍のパイロット、ハンス・ウルリッヒ・ルーデルなどが 「リアルチートキャラ」 としてよく話題に出ます。

「苦労は買ってでもしろ」 なゲームで 「ズル」 する 「チート」

 「チート」 と似た 概念 に、「裏ワザ」 があります。 あらかじめ用意されている裏ワザ (隠しコマンドなど) もあれば、ゲームのプログラムの バグ を利用した不正なものもあります。 また 「デュープ」(Dupe/ Duplicate/ デュプ) と呼ばれる不正行為は、アイテムをコピーして増殖させたり、新しく作り出したりします。 さらにゲームのプログラム自体を書き換える 「改造」 なんてのもあります。

 これらはそれぞれの意味や使いどころが全く違うものですが、これらを全てひっくるめて、「ゲームで不正行為すること」 全般を、「チート」 と呼ぶ場合もあります。 ただし 「チート」 自体も、全てが 「不正」 というわけではなく、ゲームの制作者が開発用に用意したものがあったり、「キャラクターのパラメータを自由に書き換えるツール」 を、他でもないオリジナルのゲームを発売している会社がそのまま 「パワーアップキット」 などとして販売する場合もあります。 ただし 普通に 「チート」 といえば、やっぱり プレイヤー による意図的な不正行為を指す言葉との意味が一般的でしょう。

オンラインゲーム、ネトゲではとにかく嫌われる 「チート」

 こうした行為はゲームのバランスを崩し (いわゆる バランスブレイク)、そのゲームをつまらなくしてしまいます。 コツコツとプレイしてキャラを育てる努力が 「バカバカしいもの」 となりますし、同じ強さのキャラを持っていても、「ありがたみ」「達成感」 は雲泥の差です。

 またゲームは 「ルール」 があるからゲームなのであって、それを不正な手段で突破し 「俺ルール」 でプレイすることは、「そもそも何のためにゲームをしているのか」 という根本的な疑問にもつながります。 理不尽な難易度設定のゲームを楽にクリアするために利用する場合もありますが、同じゲームをプレイした友人らと、「あそこは苦労するんだよな」 なんて思い出話もできなくなります。

 それでも自分で買ったソフトを自分の責任において、閉じた 環境 (ローカル) で行うのなら、それはその個人の勝手とも云えるかも知れません (「最強 セーブデータ」 といった感じで広く一般に販売したら、問題が生じる可能性はありますが)。

 しかし複数のプレイヤーが集うオンラインゲーム上で 「チート行為」 を行う人も多く、せっかく楽しんでプレイしている自分以外のプレイヤーのゲームバランスを崩し白けさせたり、ハイスコアを競うようなゲームで、ランキングを乱してしまったりもします。 オンラインゲームの利用規約ではっきりと禁止されてるケースが大半なので、仮に改造コードやチートコードをデータに書き込めるツール類があっても、決してやるべきではないでしょう。

ネトゲなどでは、BAN されることも…

 なおこうした行為をオンライン上で行っているのが発覚した場合、アクセスするための アカウント を剥奪されたりします (垢BAN)。 「チーター」 個人が 「BAN」 されるのは自業自得でしょうが、たまたま同じグループでプレイしていただけ、それと知らずにチートされた武器を貰ったり使ったりしただけで巻き添えになる他のプレイヤーがいたりすると、本人だけの問題ではなくなってしまいます。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2001年10月4日)
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