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一発だけなら誤射かもしれない

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「一発だけなら誤射かもしれない」 その1発が命取り

 「一発だけなら誤射かもしれない」 とは、2002年4月20日の朝日新聞に掲載された記事、「有事法制ここが分からない 「武力攻撃事態」 って何」 の中にあったフレーズです。

 「有事」 とは主に戦争 (武力衝突) のこと、「法制」 は、その 「有事」 が起こってしまった時の国の対処やその手続きなどを法律で定めることですが、このうち 「武力攻撃事態」(武力攻撃を受けたり、その恐れがある事態、予想される事態) に関する対処関連3法は国会に法案が提出され、審議を行っているところでした。

 その後2003年6月6日にこの法案は可決、6月13日に公布・施行されましたが、この言葉が出た時は、朝日新聞始め革新系と呼ばれる人たちの間では、「戦争への道を開くものだ」「過去の過ちを繰り返すものだ」「いつか来た道へ戻るものだ」 として強い反対キャンペーンが繰り広げられていました。 いわゆる 「軍靴の音が聞こえてくる 状態」という訳です。

 なおこの法案の提出と可決には、1999年3月23日に発生した能登半島沖不審船事件 (不審船は取り逃がした)、2001年12月22日に発生した九州南西海域工作船事件 (不審船と海上保安庁の巡視船が交戦、不審船は自爆沈没、その後引き上げられ日本国内で調査、展示 された) などの、いわゆる 「不審船・工作船騒動」、それと密接に関連している 「北朝鮮拉致事件」、および1998年8月31日に日本本土上空を通過した弾道ミサイル 「テポドン1号」 の発射事件などが、日本の安全保障に対する大きな潜在的脅威となっていたという背景があります。

分かりやすく法案の内容を説明するはずが…

 この記事では、「武力攻撃事態」 という聞きなれない言葉の解説を、2人の会話による一問一答のFAQ方式で試みているのですが、その中に

Q ミサイルが飛んできたら。

という設問があり、これに対する答えを、

A 武力攻撃事態ということになるだろうけど、1発だけなら、誤射かもしれない。

と記述し解説。

 どこかの国から日本に向けてミサイルが飛んできたら、常識で考えて間違いなく 「武力攻撃事態」 になると思うのですが、それでもなお 「1発だけなら、誤射かもしれない」 と頑なに攻撃ではないと言い張るがごとくの表現に、掲示板 2ちゃんねる などでは 「ミサイルを撃たれても攻撃を受けてないのかよ」「それを防衛のために撃ち落とすのもダメだと言いたいのか?」「誤射なら黙って撃たれろってか?」「もし核ミサイルだったら、その1発で終わりなんですが…」 と批判が続出。

 すぐに 「頭の中がお花畑」「電波ゆんゆん」 と面白おかしく伝わり、朝日新聞はもとより、日ごろ軍事関係にヒステリー気味の反応をする報道機関を揶揄する成句として広まることになりました。

「一発だけなら誤射かもしれない」 が度々リバイバル

防衛省に配備された PAC3
防衛省に配備された PAC3

 その後この言い回しは、北朝鮮などからミサイル (対艦ミサイルのような小規模なものを含む) が発射されるたびに ネット の界隈で揶揄するように使われるようになり、すっかり定着。

 後には意味が転じ、レイプなどのような性犯罪などでも、「一発だけなら誤射かもしれない」 が使われるようになり、とりわけ マスゴミ と批判される報道機関などの記者や関係者が性犯罪で逮捕されると、掲示板 などで 「一発だけなら誤挿入かもしれない」「一発だけなら和姦かもしれない」 などとアレンジされて頻繁に書き込まれるように。

 さらに2度目となるテポドン発射事件 (2009年4月5日) では、テポドン打ち上げの兆候や予告が現れた頃から厳戒態勢が引かれ、東京の防衛省や陸上自衛隊朝霞駐屯地、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場などに迎撃用のパトリオット・ミサイル3(PAC-3) が配備される事態になりネットでも大きな話題となっていましたが、ほぼ同じ頃、いわゆる ネトアサ 事件があったこともあり、このフレーズが繰り返し使われるようになりリバイバル状態となりました。

※元ネタとなった新聞記事の掲載年を2003年と紹介しておりましたが、正しくは2002年でした。 確認不足で誤った記述となり、大変申し訳ありません。 訂正してお詫びいたします。 またご指摘をいただき、ありがとうございました。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年12月20日)
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