同人用語の基礎知識

背景

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しっかり描くと主題やその輪郭が浮き上がってくる 「背景」

 「背景」 とは、 や写真において主題である描写物・被写体らの背後の景色や様子、あるいは 舞台 の奥に描かれた情景を示す景色 (書き割り) などのことです。 背後の景観というわけですね。

 またある人物や事件・事故、あるいは時代や社会的な動きの背後にあるものを指すこともあります。 主題が背景そのものの場合は、背景ではなく景色や風景、景観と呼ぶことが多いでしょう。 人物やキャラが背景として用いられる場合は モブ と呼びます。 視覚的なものではなく音響音声データの場合は背景音と呼びます。

 同人 の世界では、イラストマンガキャラクター の後ろに描かれる情景を指すことが多いでしょう。 これらはそのキャラが今どこにいるのかを説明するものとして用いられることもあれば、何らかの画面効果によって、キャラの感情を心象風景として描いたり動きを表現することもあります。 例えば真っ黒に塗りつぶす (ベタ塗り) ことで落ち込んだ気分を表現したり、稲妻や火花でショックをあらわす、花を散ら したりかわいい 模様 を描くなどで明るく華やかな気分をあらわす、集中線やスピード線のような効果線でキャラの動きや迫力を引き出すなどです。

 背景は主題を盛り上げたり輪郭をはっきりさせるなど状況説明のための添え物のような補助的役割を与えられがちでもあり、ややもすると軽視されがちです。 とくに 趣味絵描き などでは、その制作の面倒くささから省略されたり簡便なものにされがちな傾向があります。 実際、描きたいのは主題であるキャラだったりしますし、きちんと背景を描こうとするとわりと膨大な手間がかかります。

 例えば教室で誰かと会話しているシーンをマンガで描くとして、黒板やら机やらを一つ一つシーンごとに描くのはかなり面倒なものです。 またあまりに力を入れ過ぎても、それはそれで背景が目立ってしまって一番大切な主題が埋もれてしまう可能性もあります。 とはいえ適切に、かつ魅力的に描かれた背景は見るものの想像力を掻き立て、あるいはキャラの置かれている状況への理解を助け、より深い 感情移入 に誘うものとなります。

デジタル時代になって、背景の制作もかなり簡単に

 このあたりはパソコンで描くようになってかなり緩和しています。 比較的安価、あるいは無料で背景用の 素材 なども販売・配布されていますし、とりわけコミスタやクリスタといったそれ用のソフトウェア (アプリ) を使えば、学校 とか街中の風景、公共交通機関のあれこれといった 日常 の背景を描くのは、アナログ時代とは比較にならないほど楽になりました。 何しろ素材を貼り付けたり 3D の素材で作成したり、一度使った背景をまた読み込んで使うだけだったりしますし。 やりすぎたと思ったら簡単に消すこともできます。

 とはいえこれらのツールを自由自在に使いこなすにもそれなりのスキルが必要ですし、ネット で公開するちょっとしたイラストなどは、どうしても背景部分は手抜きがされがちです。 とくに一時期流行したのはキャラの顔部分を拡大してちょっと加工しただけのものを背景とする 顔背景 でしょうか。

 紙に描くアナログ時代に手抜きをする方法としては、スクリーントーン をぺたりと貼って終わりみたいな方法もよく行われていました。 空白・真っ白では寂しいので、ちょっとトーンでも貼っておくか、みたいな。 こうした手抜き漫画はトーンマンガなどと呼ばれていました。

 一方、いくらツールが便利になっても、手が抜けない部分もあります。 例えばキャラが生活している自分の部屋などは、そのキャラの 設定 や性格をあらわすものなので、出来合いの素材だけでは物足りない場合もあります。 部屋に置かれた家具や小物といった ディテール に凝りだすと、描く以前にあれこれ調べたり資料集めも必要にもなり、時間がいくらあっても足りません。 自分と同じような生活をしているキャラなら問題なく描けても、お金持ちの部屋とか外国の部屋、異性の部屋などは、どうなっているか想像だけでは描けません。

 また学校や街の風景なども、現代日本が舞台であればある程度規格化された施設や 備品 で構成されているので素材が使えても、異世界やら独自の世界であれば、設定や 世界観 に合わせるのも大変でしょう。 最終的には自分で頑張って描くしかありません。

アニメやゲームの背景

 デジタル時代となって、マンガ用の背景もグラフィックソフトの レイヤー などを使って、キャラ絵 などとは独立した一枚の 画像 として管理できるようになりました。 同じようなやり方をするものに、アニメ の背景や ゲーム のものがあります。 これらは背景画と呼ばれます。 またゲームやデジタルツールを用いた場合は背景画も 画面 を構成する一つの要素としてアセットと呼ばれることがあります。

 こちらも一部では素材用として販売・配布されているものを加工して使うこともありますが、一般的には 新規 に描き起こすことが多いでしょう。 これらの制作は美術と呼ばれるスタッフが担いますが、アニメにせよゲームにせよ膨大な背景画が必要で、とくに街並みの背景などは制作に手間や費用がかかるものでした。 その後あまり予算が取れないアダルトゲームを中心に、実在の街をカメラで撮影し、写真を画像処理などを行って背景に用いるケースが増えてきました。 またその手法はアダルトゲームのアニメ化などの際にも踏襲されています。

 これらはもっぱら予算の問題というやむを得ない 大人の都合 によるものでしたが、結果的にゲームやアニメに登場する背景が現実に存在する場所となり、そこが舞台や 聖地 として ファン らの注目を集めるようになったのは思わぬ功名です。 その後は予算のあるなしに関わらず、実在する風景を用いて地域と密着した形でのゲームやアニメ制作が積極的に行われるようにもなっています。 場合によっては コラボ や現地での リアイベ を通じたファンサービスも行われるようになっています。 これは純粋に、コンテンツ の商品としての価値を高め寿命を伸ばす好ましいものとして作用します。

 一方、異世界が舞台の場合は、モデルとなる場所が決められロケによって背景画に活かされることはあっても、画処理してほとんどそのままみたいな描き方は難しく、高コストな点は昔と変わりません (とはいえ紙に手書きと比べたらはるかに生産性は上がっていますが)。 結果、あまり予算がなく、かつ似たような形の異世界 (中世ヨーロッパ風の街並みとか) の場合は、他の 作品 で使った素材の転用なども行われるようになっています。 このあたりはセル画アニメの時代から似たような背景画使いまわしによる合理化が行われていましたが、アニメの制作タイトル数が増えるにつれ、一部では常態化している部分もあります。

 ゲームの背景でも特定の ジャンル に特有のものとして、カードゲーム (トレーディングカードゲーム (TCG) に使われる レアリティ (希少度) をあらわすための共用背景があります。 無地 の背景に 単色 が乗っただけの 地味 なものから、銀色や金色、さらには キラキラ したホログラム (ホロ) や虹色などの華やかな背景をレアリティごとに使い分けるもので、レアリティが高くなるほど豪華で光沢のある派手なものになります。 これらは銀背景とかキラカードと呼ばれたり、そこから転じてキャラのレアリティを示す意味で金背景キャラとかホロキャラみたいに呼ぶこともあります。

 なお背景という言葉の派生的な使われ方として、背景がもっぱら主題の添え物や補足的なものであるため、主人公 や主要なキャラ以外の存在感のないキャラを背景キャラとか、舞台用語のそれから書き割りキャラなどと呼ぶこともあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年10月12日)
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