同人用語の基礎知識

目線/ 黒目線

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写真で顔を隠す必要がある場合には… 「目線」

 「目線」 とは、写真などで被写体となっている人物の顔を隠すときに、目の位置に入れる 「線」 の事です。 「目隠し線」 とも呼びます。 これとは別に、単に目の瞳が向いている方向、視線の事を 「目線」 と呼ぶこともありますが、それと区別するために、とくに 「黒目線」 などと呼ぶ場合もあります。

 線を入れることにより 「目の部分を隠す」 という画像処理は、様々な場所でその実例を見かけます。 例えば何らかの犯罪の容疑者が未成年だった場合、報道写真などで人権に配慮して目の部分を黒くしたり、医療用の人物写真で、プライバシーに配慮して個人が特定できないように顔を隠す場合もあります。 また一部の 18禁 サイトなどで、「顔出しNG」(顔バレができない) となっていて、モザイクをかけたり、線で目を隠す場合もあります。

 「少年A」 とか 「○○」 などで名前や固有名詞の一部を隠す 伏せ字 とともに、マンガ などの世界では、未成年者、犯罪者としての記号として、あるいはそのギャグ的な表現としても、おなじみの処理方法となります。

未成年者、犯罪者の記号、あるいはそのギャグとして

 左画像は、様々な目線・目隠し線の再現図です。

「目線・目隠し線の再現図」私で試して遊ぼ♪

これは再現図です。下のサムネイル画像へマウスオーバーすると、左側に大きな再現図が表示されます。

回線の状態によっては、表示までに少々時間がかかる場合があります。

目線なし 一般的な目線 モザイク処理の目線
いい加減な目線 医療用 ぼかし処理の目線

ところで何で隠すのが 「目」 なのか

 ところで容疑者の報道写真にせよ何にせよ、人の顔を隠す時に、なぜ鼻や口ではなく 「目」 を隠すのでしょうか。

 それは人間の目というのは、人の顔についたパーツの中でももっとも個人差が大きく際立った特徴を持ち、その人らしさを示す重要で目立つ部分だからです。

 これについては科学的、医学的な根拠もあり、人間の脳細胞の中で、人の顔を覚えためだけに使われる 「顔細胞」 というべき部位 (側頭連合野の神経細胞群の一部) があり、その部分が人の目に強く反応することが知られています。 つまり脳細胞の役割として、人の顔の識別に目がたいへん大きな役割を持っているのですね。

 この現象は脳細胞の働きが解明される前から、幼児や子供が親や友達の似顔絵を描く際に、やたらと目を大きく描くなどから、経験則的にある程度予想されていましたが、近年の研究で特定の脳細胞がその役割を担っていることがわかってきて、裏付けられた形となっています。 さらに年齢によってその働きが活発な時期とそうでない時期がある (子供の頃は活発で、加齢と共に衰えてゆく) ことも分かってきたようです。

 人間は、出産や育児、狩猟といった生存に欠かせない営みにおいて、他動物と異なり親子や仲間同士での助け合いや協力がほぼ必須であること、道具すなわち武器を用いることで敵となった場合には容易に命の危険にさらされることから、仲間の表情や、それに伴う感情を読み取る機能が他の動物とはけた違いに高度に進化したとされます。 こうしたコミュニケーション能力の根幹はブラインドサイト (人の表情を読み取る能力) と呼びますが、例えば、目から入った視覚情報は、通常は脳の視覚野で処理されますが、人の表情だけは、危険の察知や命を守るための情報を処理するための扁桃体でも並行して処理することが近年の研究で明らかになってきています。

 一方、蝶や蛾、その幼虫やサナギといった昆虫類の一部の体に、まるで目のような模様がつき、これが敵 (捕食者) から身を守るためのものであるのもよく知られています。 「眼状紋」「偽の眼」 と呼ばれるこの模様は、天敵となる捕食者の天敵 (例えば鳥類に対して蛇の目で威嚇する) や、非常に大きな生物であるかのような大きな目の模様をしていますが、これは逆に、人間のような高等な哺乳類だけでなく、ある特定の昆虫や小動物の世界でも、目が相手を識別・特定するための重要な要素のひとつであるのを物語っているといってよいでしょう。

いい加減な目線の例
いい加減な目線の例

 メガネ やサングラスをかけると表情が一変する、印象が大きく変わるというのは多くの人が感じるところですし、変装や身分を隠すときにしばしばこれらが活用されるのはご存じのとおりですが、何にでもちゃんと科学的な裏付けや根拠というものがあるのですね。

目線によって、隠された部分への想像が掻き立てられる

 一方で一部の動画サイト、あるいはアダルトサイトなどでは、素人 と称した女優の顔写真や 盗撮 との触れ込みの動画などで、ことさらに本物っぽさを演出するために 「目線」 を使う場合もあります。

 使い方には通常の目線のほか、顔の大半をモザイクで覆ってしまうタイプと、上の再現図にあるような、赤や白などのいい加減な細い目線のタイプ (ほとんど顔がわかる状態になっている) の大きく分けて3種類があります。

 顔の大半を覆うタイプでは、多少容姿に難があってもそれを隠せる上に、見る方は良い方に妄想を膨らませるので、セールス的に美味しい演出ともなっています。 一方、顔がほとんど出ている状態の細い目線は、元々隠す必要がないけれど演出のために目線処理していたり、あるいは 「一応形ばかりの目線は入れていますが、女の子の顔バレなど別に気にしていません」 との 鬼畜 ぶりの演出のような形になります (逆に絡み役の男性の顔はモザイクで完全に隠したりもします)。 これはもちろん、セールスポイントである女性の容姿にも自信があるからこその処置と云えます。

医療用の黒丸は、ちょっと不気味な感じに

 一風変わった 「目線」(というか、丸い目蓋、●) としては、医療関係の瞳の部分だけに丸く色の付いたパターンもあります。 これは見ようによってはかなり不気味な感じで、初めて医療用の専門書や症例写真集などを見ると、面食らう人も多いようです。

 医療用の症例写真でわざわざ顔が写っているというのは、顔の皮膚や目、鼻中、口中の病気や怪我の症例を撮影した写真であるケースが多い訳ですが、一般的な黒目線ですと隠す範囲が広すぎて、症例写真としては使い辛いのでしょう。 しかし瞳より少々大きい程度の隠し方ですと、個人特定を防ぐための顔の特徴隠しとしては、ちょっと効果が薄いような気もします。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2004年3月20日)
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