同人用語の基礎知識

オタ芸

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歌ってみたり踊ってみたり…様々な 「オタ芸」

 「オタ芸」 とは、おたく な人の 「芸」、具体的にはアイドルタレントなどを応援する際の、一糸乱れぬ応援の掛け声 (コール) や独特な派手な動き、さらにはそこから派生した踊りや コスプレ しての 「なりきり 演技」 や 「路上パフォーマンス」 などを指します。

 他にはアイドルの歌や アニメ の主題歌 (アニメソング/ アニソン) の超絶技巧な歌声 (男性が、裏声で女声を出し、そっくりに歌ったりします)、すなわち カラオケ などでの物まね熱唱、ダンスや振り付けの完全なコピー (完コピ) などなど、部外者の見ようによってはちょっと 痛い 感じの活動、もしくは行動を指す言葉ともなっています。 かくし芸のおたく版ですね。 これらに長じた人は、「オタ芸師」「打ち師」 などと呼ばれます。

モー娘。 ファンらの応援から、「オタ芸」 が言葉として流行

 当初はアイドルタレントや声優などのコンサートにおける、ファン らの熱狂的な応援のみ、「オタ芸」 と呼ばれるものでした。 とりわけこの言葉が ネット などで広まったのは、「モーニング娘。」(1997年9月7日結成) をはじめとする 「ハロー!プロジェクト」 界隈でのファンらの声援でしょうか。 「オタ芸」 をする場合には、「打ちにいく」(手拍子などが基本なので) などと呼びます。

オタ芸イメージ  「OAD」(Over Action Dolphin/ 右に左に体を捻りながら手拍子を打つ応援) や 「PPPH」(パンパンパンヒュー/ 手拍子3発の後、ヒューと叫びながら飛び上がる) などと呼ばれるものを筆頭に、ライブ会場全体が一体化する、独特のスタイルが確立。 2003年頃からは、その様子がマスコミなどにも徐々に取り上げられ始め、一般にも認知されるようになりました。

 もちろんそれ以前にも、女性アイドルを応援する人たち (仲間で揃いの鉢巻きやハッピを身に着け、コンサートなどで統率された掛け声で声援したり、アイドルの振り付けを正確にコピーする (振コピ) など) はいました。

 なかでも 「キャンディーズ」(1972年4月〜1978年4月4日) の人気はすさまじく、その後のアイドルタレントやグループを応援する若い男性の行動様式の原型が、この頃にはほぼ全て作られていたといってよいでしょう。

 とくにアイドル誕生→引退までの 「美しい流れ」 とファンのありようを作ったのは間違いなくキャンディーズで、初のチャート1位獲得となったラストシングル 「微笑がえし」 は、歌詞や振り付けの内容がキャンディーズおよびファンへの愛情に溢れ、ラストコンサートも含めて、当時さして熱心なファンでもなかった筆者ですら泣いたほどです。

 ただし 「おたく」 という名称が生まれ広まったのは 1983年になってからですし、当時は金銭トラブルやファン同士のもめごと、暴力沙汰なども起こしやすい私設ファンクラブ的なヤンキーっぽい、つっぱり系の親衛隊もかなり多く、「オタ芸」 などという言葉は存在せず、ファン全体で見れば今でいう 「アイドルオタク」 とは、かなり似て非なるものでした。

 その後 1980年代のアイドルブームと、テレビ番組から生まれたアイドルグループ、「おニャン子クラブ」(1985年7月5日〜1987年9月20日) の大人気により、「オタ芸」 の形が定まってきました。 アイドル以上にファンが 「おたく」 である、歌手を兼ねた人気女性声優のブームもありました。

「応援」 と 「マナー」、難しい 「オタ芸」

 ただしこれら 「動きの派手な応援」 は、マナーの点で否定的に捉える人も当然ながら結構多く、エスカレートしつつも 「事故が起こって、応援しているアイドルに迷惑をかけてからでは遅い」 と、自粛するようなムードが、定期的にやってくる感じでした。 多くの場合、応援する人たちは親衛隊や応援サークルに参加していてローカルルールのようなものをそれぞれ持っていたりしますし、そうでないファンらも、会場全体のムード、空気でそれらを察知して、「突出した行動はとらない」 ような配慮をしていたものです。

 「オタ芸」 という言葉を広めた 「モー娘。」 や 「ハロー!プロジェクト」 関連アイドルのファンの間でも、イベント会場 の種類や時期によっては、「オタ芸」 を控えたり、あるいはそうでない人と意見の衝突をしたりと、「コンサートを楽しむ」「ごひいきのアイドルに声援を届けたい」、そして何より 「素晴らしいコンサートにしたい」 という目的にために、努力している人たちも大勢いました。

 筆者は 「モー娘。」 のライブには行ったことがありませんが、サークル仲間に超がつくファンがおり、さらに他のアイドル (ずいぶん昔ですがw) や声優系のイベントなどには行ってましたので、何となく雰囲気は分かります。 せっかくのコンサート、会場の一体感に酔ったり練習したコールを思う存分叫んだり、楽しく弾けたいのですが、かと云ってあまりにやり過ぎたら周りに迷惑ですし、ファン同士がいざこざを起こすなど最悪です。 …ここらは難しいですね。

「応援」 以外にも 「オタ芸」 が使われるようになったのは、2006年頃から

 その後 「オタ芸」 は、アニメ 「涼宮ハルヒの憂鬱」 のエンディングに使われた 「ハルヒダンス」 の物まね、作品中のダンスのコピーなどを通じて意味が拡散。

 2006年4月頃から、秋葉原 の路上で 「ハルヒダンス」 の練習をしたり (当時は完全版の振り付けがまだなかったので、各自オリジナルでアレンジした踊りを踊っていました)、日曜の 「歩行者天国」(ホコ天) で、ハルヒダンスを大勢でゲリラ的に踊るようなイベントが何度か発生。

 またその様子が動画撮影され、「YouTube」 などにアップロードされ注目を集めた頃から、ネット界隈で言葉として浸透し、同時に意味も広がって行ったようです。 ここらには、いわゆる コスプレイヤー の参入が大きかったようです。

 「コスプレ」 の世界では、アニメ主題歌などに合わせて踊りを踊ったりする コスパ (コスプレパーティーや、ダンパと呼ばれるダンスパーティー) の文化がありました。 こういった集まりは近年はやや衰退していた印象がありますが、「おたくブーム」 に牽引される形でコスプレ人口が膨張、全体の数が増えたことによる、こうした 「コスパ」 的な楽しみ方の復権もあるようです。

 また踊りで使えるようなアニメ楽曲の登場や、歌って踊るアイドルが主人公のアニメ作品の人気、それらの曲のアレンジやリミックスの登場によるダンスシーンの盛り上がりも無関係ではないでしょう。 これらは踊り手だけで集まるのではなく、踊り手とそれを盛り上げるコール要員としてのファンやオタ芸師の共同作業でもあります。 さらに付け加えるならば、コンサートやライブ会場以外の盛り上がれる場 (映画館で行われる立ちOKコールOKのライブビューイングなど) の登場も、大きな影響を与えたと云えるでしょう。

 実際、ペンライト (サイリウムやブレード) を持って行うコールは、アーティストや会場全体と一体化する感覚を味わえたり、やるとフィジカル的にシンプルに楽しかったりもするので、広まる傾向にあります。

DDというより、もはや騒ぎたいだけ…? 迷惑行為を行うケースも

 一方、コンサートなどで、そのコンサートに出演するタレントを取り立てて大好きなわけではない (単なる DD (誰でも大好き) だったり)、もしくはファンですらない人たちが、「騒げそうな声優などのコンサート」 で目立ちたいだけ、オタ芸で大騒ぎするためだけに訪れるケースも後には生じ、タレント側が声援の一部自粛を要請するなど、取り巻く環境の変化も見られます。

いじめっ子による罵倒語としての 「オタ芸」

 「オタ芸」 そのものは、実はあまりポジティブな意味は昔も今もなかったりするんですが (^-^;)、いわゆる 「おたく」 自らが 「オタク芸」 として仲間内でのみ振舞うライブ会場での応援や、「踊ってみた」 系の動画、カラオケなどとは別に、学校などで 「おたく」 をいじめたりバカにするような人たちが、おたくの人たちの行動を揶揄する意味で 「おたく芸」 と呼ぶケースも結構あるようです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2007年3月18日)
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