2000年代萌え要素としてもっとも重要なキーワードのひとつ、ツンデレ
「ツンデレ」 とは、いつもは、あるいは最初は、ツンツンと澄ました冷たい態度でつっけんどんなのに、何かのきっかけや、あるいは2人っきりになると急にしおらしくおどおどしたりベタベタと甘えてきたり…そんなツンツン&デレデレなギャップのあるキャラクターのことです。
冷たい時と甘えてくる時のギャップやそうなる動機などが 「萌える」 と感じるファンは多いようで、いわゆる 「萌え要素」 の大きなカテゴリの1つとなっています。 「ツンデレ」 が好きな人、そういう 「属性」 を持っている人は、「ツンデラー」「ツンデレラ」 などとも呼びます。
感情表現や行動パターンに起伏をつけやすい 「ツンデレ」
もともと創作物におけるこうした登場キャラ造形は、恋愛モノのストーリーでは定番、王道のものですし、もっと云えば多くの物語は 「最初は登場人物同士が いがみ合ったり反発しあったりするけれど、紆余曲折を経て最後には和解する」 という筋書きの構造を持っているものです。
1970年代から人気の 「ラブコメ」 などでも、こうしたヒロインキャラは多数見かけられますし、いわゆる恋愛感情表現とは違いますが、例えば 「いつもは怖いけど、実は涙もろくて優しい良いヤツ」「普段は冷淡だけど、いざという時頼りになるヤツ」 なんて意外性、二面性のあるキャラ造形は、魅力的なキャラとしてお約束のような感じです。 ツンからデレになる瞬間に、物語の起伏や感情の高揚を当てはめやすいからなんでしょうね。
当初は美少女ゲームなどで、自分の好きな登場キャラ (ヒロインやサブキャラ) の行動パターンの変化を類型化し表現する言葉でしたが、現在は意味が拡散し、そのキャラの2面性を表す言葉としても使われています。 また 「ヤンデレ」 (病んでいるデレ、好きだからあなたに死んで欲しいの…的なキャラ) や、ネタ設定として、「ツンツン」(最初から最後までツンなキャラ、本来の 「ツンツンしてる」 と同じ意味ですが、一周回ってまたこの意味に) や、「デレツン」(最初はデレっとしてるのに、最後に心にグサリと刺さる痛撃を与えるツンキャラ) なども派生しています。
言葉として誕生したのは、あやしいわーるど@暫定での、2002年の書き込みから
いわゆる 「ツンツンデレデレ」「ツンデレ」 という表現によるキャラのカテゴライズ、萌え要素の属性値としての初出は、掲示板 「あやしいわーるど@暫定」(ぁゃιぃ系アングラ掲示板/ 2002年1月4日〜) でのレス投稿であったとするのが通説となっています。
当時人気の美少女ゲーム、「君が望む永遠」(âge/ 2001年8月3日/ 9,975円/ 限定版/ 9,240円/ 通常版) の登場キャラ、大空寺あゆ (ファミレス 「すかいてんぷる」 で主人公と一緒に働く大空寺財閥の令嬢/ 口が悪い、金髪ツインテール、釣り目/ 口癖は 「あんですと〜?」「糞虫が!」「うが〜!」「お前なんか猫のうんこ踏め〜!」) や、ゲーム 「秋桜の空に」(Marron/ 2001年7月27日/ 8,800円) に登場するキャラ、佐久間晴姫 (水泳部員、ツインテール、つるぺた/ 口癖は 「殺す、絶対殺す」) などのキャラ萌え話の中で発生、「ツンツンデレデレ」 って萌えるよね、いいよねの 「ツンツンデレデレ」 が略され 「ツンデレ」 となったようです。
その後この言葉と概念は 「2ちゃんねる」 のギャルゲーやゲーム関連板などにも飛び火。 ツンデレをスレタイ (スレッドタイトル) とするスレが立ち、ツンデレを元とするネタ書き込みが多数生まれ、一部の面白いものはコピペ素材として他の板にも広がり、キャラのセリフ、行動パターンからの類型が萌え要素として確立、一般にも広くその言葉が広がることになりました。
こっ…このお弁当は材料が余ったから仕方なく作ったんだからね! 作りたくて作ったわけじゃないんだからね!
上記ギャルゲーキャラの見た目の特徴に釣り目や 「ツインテール」、乱暴で強い調子のセリフ、口の悪さがあったこともあり、概念発祥からこれらの要素はツンデレを構成する大きな特徴、属性とされているようです。
実際は、ツンデレという言葉が生まれる前からある概念、キャラ造形ですし、これに当てはまらないキャラも多いのですが (筆者はツンデレキャラというと、ショートヘアーのボーイッシュなキャラを真っ先に思い浮かべます)、その後の美少女ゲーム、萌えアニメなどでは積極的にこれらの属性や要素が取り入れられ、あるいはそれを意識せずに作られたキャラも、この言葉によってことさらに注目を集め、また人気になったこともあり、一種の様式美のような形になってきています。
これらの属性を持ち合わせたキャラは (例えば 「らき☆すた」 の柊かがみなど)、ある程度 「お約束」 を守りながら、新しい定義や様式を少しずつ書き換えながらツンデレを発展させているようです。

