ある意味、男性にとっては永遠の理想的女性像 「ママ」
「ママ」 とは、英語の Mother (母親) の一般化・簡略化された言いまわし Ma'am (Mom/ Mum) がカタカナ日本語となった言葉です。 そのまんまお母さんという意味になります。 対義語はパパ (父親) です。
言葉自体は日常でも使う一般用語ですが、お母さんや母親、母、あるいはかあちゃんやおっかあなどと比べると、日本においては気取っていてやや子供っぽい甘えたようなイメージがあります。 もちろん家庭内で家族をどう呼ぶかなどは各家庭の自由ではありますが、大人になってから母親をママと呼ぶ場合は、いわゆるマザコンを連想させ、あまり褒められた呼び方だと認識されてはいないでしょう。
一方、おたく や 腐女子 の 界隈 では、これら 普通 の日本語の意味の他、一般的に母親からイメージされる母性愛から連想できる優しさ、温かさ、慈悲の心、逞しさ、あるいは面倒見が良く世話を焼いてくれる、お節介、心配性、家庭的といった部分を表現する言葉として用いられます。 例えばいつも 主人公 の面倒を見ている包容力があって甘えさせてくれそうな ヒロイン を、ママやママキャラ、あるいは おかんキャラと呼ぶなどです。 キャラ名に接尾し、「〇〇ママ」 と呼ぶこともあります。 ママだけに女性キャラで用いられることが多いのですが、男性キャラでもママキャラ扱いされることもありますし、キャラ の性別はさほど問いません。
ただし マンガ や アニメ の物語で主人公や主要なキャラに母親キャラの存在がある場合、そのキャラを指す場合もあります。 いわゆる熟女的な魅力を母親に感じる 「ママ 萌え」 の場合、どちらのママに萌えているのかは ファン によってケースバイケースです。
お姉さんや幼馴染、ツンデレキャラの上位互換とも目される 「ママ」
ママに近い 属性 としては、姉 (兄) や 幼馴染 (あるいは 許嫁) があります。 いずれも主人公らが幼い頃から生活を共にし、家族や家族同然の存在であり、損得勘定抜きで相手の身を案じ、相手が危機に陥れば守るために自己犠牲すらも厭わない強さも持っています。 そこには、絶対に自分を受け入れてくれるという揺るぎない安心感や信頼感、信仰にも似た強い確信があります。
これらママや姉や幼馴染を含めた 「自分の全てをありのままに受入れてくれ、叱咤激励をしつつも甘えさせてくれそうなキャラ」 は、バブみとかオギャると呼ぶこともあります。 赤ん坊がバブーとかオギャーとか口にしてお母さんに甘える様から転じたものです。 また恋人や配偶者などの場合、よしよし彼女といった呼び方がされることもあります。 母親がよしよしと頭をなでて褒めたり慰めてくれる姿から転じたものです。 甘やかしてくれてダメな人間になりそうなほど甘々なキャラの場合、ダメ人間製造機 (逆に 更生機 の場合も)と呼ぶこともあります。
母親というからにはそれなりの年齢の女性キャラが選ばれそうなものですが、実際は性別に加えキャラの年齢もほとんど無関係で、優しくて世話好きなキャラなら ロリ だろうが何だろうがママ扱いです。 場合によってはロリで 巨乳 で ふたなり かつ おとこの娘 でママという、よく分からない 萌え属性 のてんこ盛り・欲張りセットみたいになっていることもあります。 一方、優しさやお節介なところと逞しさ・強さとが組み合わさっていることから、いわゆる ツンデレ とは極めて相性が良く、というよりツンデレという属性自体がかなりのママ属性だと云える部分はあります。
なお ネット の 配信者 のうち、Vtuber で キャラデザ や キャラ絵 を担当した 絵師 をママと呼ぶこともあります。 文字通りキャラの生みの親としての使い方となります。
その他の 「ママ」
ちなみにバーやスナック、クラブといった飲み屋さんでは女性店長や支配人・経営者といった責任者をマダムの他に広くママと呼びますが、これはアメリカなどで女性が接客する飲み屋で若い女性従業員 (ホステスやキャスト) が年長者である彼女をママと呼んでいたのがそのまま日本でも広まり定着したもののようです。 ママの下にいる人、2番目の女性責任者は小さいママでチーママと呼びます。 日本語では女将と呼ぶこともありますが、こちらは和食の料亭とか旅館の女性経営者といった ニュアンス が強いでしょう。
一方、同人に近い話に戻せば、文章などで第三者の記述や コメント を引用・転載する際、誤字脱字や内容の間違いや不適切な表現、あるいはその疑いが強い場合にママ (儘) 原文のまま) を但し書きとして入れることもあります。
若い人が耳で聞いて誤解しそうな言葉には 「ママ母」 があります。 「ママ」 と 「母」 で言葉がダブってるやないかいという感じがしますが、これは血のつながっていない母親、継母を指します。 一般的には父親の後添いの妻や育ての母といった意味で使われることが多いでしょう。