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中学から高校にかけての引っ越し

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友人関係や子供時代の宝物が失われたり… 「中学から高校にかけての引っ越し」

 「中学から高校にかけての引っ越し」 とは、そのまんまですが12歳から15歳程度までの中学生、15歳から18歳程度までの高校生の間に、家族の都合等によって引っ越しをすることです。 子供の発育具合や 環境・条件によっては、小学校高学年あたりを含める場合があります。 この間の引っ越しについては、それ以外のタイミングでの引っ越しに比べて大小さまざまな影響を本人に与えることが知られています。 「思春期の引っ越し」 という呼び方もあります。

 まず第一に、この年代はちょうど思春期のタイミングであり、幼馴染 やその時点での友人との別れ、生活環境の激変等により、人格形成に多大な影響を及ぼす点が挙げられます。 とくに小学生の頃の人間関係が切り離されてリセットされるのは、人によっては性格やものの考え方に大変大きな影響を与えたり、子供の頃の記憶に大きな欠落を生じてその後の人生の質をも左右する可能性があるでしょう (必ずしもマイナスになるわけではありませんが)。

 次に第二の影響としては、「子供の頃の趣味の品、コレクション類の散逸」 が生じやすい点が挙げられます。 これは 「中学から高校にかけての引っ越し」 にもっとも大きな影響を受ける部分であり、とくに おたく腐女子 らにとって、この時期の引っ越しが与える物理的なインパクトが最大となるケースもあります (後述します)。

 なお受け入れる側 (引っ越してきた転校生を受け入れる側) にとっては 「新しい人が仲間に加わること」 でもあり、基本的にはプラスの要素しかないでしょう。 こうした構図は 創作 の世界でも 「美少女と少年が出会って事件が始まる」(ガール・ミーツ・ボーイ あるいは逆の ボーイ・ミーツ・ガール) そのものの構図であり、頻繁に見かける お約束設定 だと云えるでしょう。

そろそろ子供時代から卒業しなきゃ…その判断が命取り

 この時代の引っ越しがおたくや腐女子らの与える クリティカル なインパクトは、「子供時代の趣味の品の廃棄」 が生じやすいことです。 親から 「そんな ゴミ を新しい家に持ってくるな」「捨てていけ」 と云われたりしますし、本人も 「もうこれいらないかな」 などと思ったりで、不用品として捨てられることが多いのですね。 場合によっては、「これまでの自分 (子供の自分) を卒業してこれからの自分 (大人の自分) にステップアップする良い機会だ」 と捉え、ことさらに古いもの、過去に執着したものを自ら区切りとして捨てる場合もあります。

 これはこれで人生の一つのステップですし、大人の階段を登ることでもあるのでしょうが、捨てたものによっては、後年 「やっぱり捨てなきゃよかった…」 などと激しい後悔にさいなまれる結果にもなりがちです。 とくにおたくにとっての子供の頃の宝物 (おもちゃやゲーム、プライズグッズ) の多くが、お宝ブームやおたく・マニア向けグッズ店の発展により高額なプレミアがついてたりしますし、大学や社会人になって独立した友人の実家に懐かしい趣味の品が残っていたりすると、「あああああー何で捨ててしまったんだーーー当時のクソガキの自分を殴りてぇーーー何がガキの頃の思い出の品に Good bye だよ、今もまだガキのままだったよーーー」 などと頭をかきむしる結果となりがちです。

 筆者 の場合、小学校高学年と高校の頃に二度引っ越しをしており、友人関係のリセットもさることながら、趣味の品の散逸はすごいことになっていて、オタク的観点からはいまだに一部の品については後悔することしきりです。 とくに電子ブロック (ハンディタイプと卓上タイプの2つあった…)、任天堂の古い電子ゲーム (光線銃はリボルバーの拳銃タイプとライフルタイプ両方あり、標的もライオンの額縁タイプとガンマンタイプの2つあった)、古いラジオ (BCL用のラジオいくつか)、古いゲーム機 (ブロック崩しやテニスが入った専用機)、古いレコードや書籍類 (とくに雑誌) などなど現在ではちょっとした 博物館 で収蔵 レベル のものもあり、これらを捨てると判断した小学生時代の自分に殺意を覚えることもあります。

「受験」「就職」「結婚」「出産・育児」…様々な人生イベントでさらにピンチに

 こうした 「人生イベントをきっかけにした趣味の品の散逸」 は、「受験」 や 「就職」「結婚」 などなど、人生には何度かあります (これらは俗に3大転換期や 4大転換期 などと呼びます)。

 昨今はモノ余りが叫ばれ、断捨離などがもてはやされる時代ですが、もし実家などに古い品を置いておける環境があるなら、無理に捨てる必要もないでしょう。 また捨てるのではなく、たとえ二束三文だったとしても、マニアショップなどに引き取ってもらうなど、「この世から完全に消滅・蒸発しない方法」 で手放すのが、精神衛生上も良いのかなと思います。 まあ小学生が実際に遊んで使ったグッズ類などは、それなりに汚損していて価値などたいしてなかったりもするのですが。

 ここ最近はおたくや腐女子向けのサブカルグッズに古銭や切手などと同様のコレクション的価値があるのは一般人でも知っていることですし、今どきの小中学生はそこのところもちゃんと押さえているとは思いますが、世俗的なプレミア的価値はともかく、自分が子供の頃に大切にしていた品物はいつでも自分を子供の頃に引き戻してくれるタイムマシンになりますし、一時の判断で後々後悔しないようにしたいものですね。

 筆者ももっともクリティカルにトラウマレベルの後悔を感じるのは、前述したマニアグッズなどではなく、小学生から社会人になるまで愛用していた小さくて安っぽい折り畳み式の赤いプラスチック製の電気スタンドだったりしますし。 子供の頃から夜型だったので、この電気スタンドの灯りの下でどれほどの時間過ごしたか想像もできません。 これ以上ない思い出の品であり、まじで夢に出るレベルで後悔しています…。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年12月20日)
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