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準児童ポルノ

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海外と日本とで、意味が全く違う 「準児童ポルノ」

 「準児童ポルノ」 とは、本来は実在の児童による、ポルノに準じた性的表現がされたもののことです。 例えばセックスをしている 「演技」 や、一部のオーラルセックス、あるいはそれらの演技を撮影した画像 (写真) や動画 (ムービー、ビデオ) 作品などです。 擬似児童ポルノ とも呼びます。

 成年の演技者 (18歳、もしくは 20歳、21歳以上) による児童になりすました芝居によるポルノを含む考え方もありますが、欧米や多くの国の 児童ポルノ の大半が、おおむね 12歳以下の児童よる画像や動画によるポルノを指すので (その年代までの被害が集中しているからです)、大人の演技は現実的に不可能だと考えて良いと思います (日本の児童ポルノの中心年齢層は援助交際などのビデオなどに見られる、15歳から17歳程度なので、根本的に状況が異なります)。

 また劇場公開されたりテレビで放映される実写映画、テレビドラマなどで、児童や未成年者のセックスやレイプをごく一部分だけ、もしくは暗示的に扱うもの (青春活劇映画のそれなど) は、ポルノとまで呼ぶことはなく、ゾーニング (年齢制限など) がされる場合はあっても、禁止や取締り、規制の対象にはなっていません。 もっぱら 「そのシーンのみ」 を、反復して執拗に表現する、ポルノとしてメインとして取り扱ったものだけが、その対象となるようです。

 なお単なる裸体や、裸体の児童同士のソフトな絡み合い、例えば草原にたたずむ裸の少女とか、裸体でくすぐりあう子供の姿などは、「ヌード」(Nude)、「エロチカ」(Erotica) などと呼ばれ、それらとは区別されています。 欧米ほか世界のほとんどの国では 「表現の自由」 によって合法とされ、例えば ネット の通販サイト、Amazon などでは、それらの写真集や DVD が (日本以外の国では) 普通に購入することができます (一部のタイトルは、日本独自のわいせつ規制により修正が施されて販売可能になったり、全く販売禁止のものなどもあります)。

 「児童ポルノ」 とは、そもそも児童の性的虐待、大きな人権侵害を伴う犯罪行為の記録、犯罪の成果物であるので、「準」 がつくとはいえ、準児童ポルノも相当程度の人権侵害や、それを強く示唆する内容のものに限定して使われるケースが多いようです。

 ただし2007年頃からの 「児童ポルノ法改正」 に向けた動きの中で、成年によるポルノの一部を、ことさらに 「擬似児童ポルノ」 と呼ぶマスコミ報道などが2009年頃から現れ、ただでさえ複雑なこの問題を、一般の人がさらに理解しにくい状況へと追いやっています。

バーチャルポルノ・仮想ポルノと混同しがちな準児童ポルノ

 日本の規制推進派などが、ことさらに準児童ポルノという言葉を使っていた時期があり (逆説的になりますが、日本では本物の児童ポルノの数があまりに少なくて、規制範囲が広げられない (実績としての検挙者数などが稼げない)、このままでは (彼らにとって) 法律の効果がないということと無縁ではないでしょう)、その際に、CG (コンピュータグラフィックス)マンガアニメゲーム などの、「被害者が存在しない創作物」 をこの言葉に含めようとしていた時期があります。

 これらはアメリカなどでは、「バーチャルポルノ」・「仮想ポルノ」 と呼ばれているもので、本来は 「準児童ポルノ」 とは全く別のものです。 しかも 「バーチャルポルノ」・「仮想ポルノ」 とは、CG(コンピュータグラフィックス) による 「本物と見分けのつかないポルノ」 のことをもっぱら指し、日本のマンガなどのように、見るからに絵やアニメキャラを規制するものではありませんし、アメリカの最高裁で現在争われている最中のテーマです。

 実はそれ以前に、創作物ポルノの規制を行っていた時期があり (最高裁で表現の自由に反するとして違憲判決が出ました)、それと明確に区別するために、かなりハッキリとした 「違い」 を持っています。

 またイギリスなどでは、文章上、「絵」 を含むとされているケースもありますが、これは 「実在の人間によるポルノ画像、動画を加工」 したものをそう呼ぶ場合が大半です。 これは写真などをほんのわずかだけ、Photoshop などのグラフィックツールで加工して、「このポルノは 「絵」 なんだから規制の範囲外だ」 とポルノ業者などが言い逃れの主張をするのを防ぐためのもので、全てを紙の上で、空想でデッサンから描き起こしたような日本風のマンガや イラスト、ゲーム キャラ などは含みません。

 現在、イラストやマンガまで含めて完全に違法としている国は、カナダなどごく一部の国だけです。

準児童ポルノから、ミスリードを誘う子どもポルノへと名称を拡大

 「児童ポルノ」 に対して 「準児童ポルノ」 という名称は、規制拡大を目指す人たちから、「都合が悪い」 と思われたのでしょうか、その後この言葉は、さらに 「小説」 や 「声」 にまで拡大しつつ、子どもポルノ という名称になっています。 ただし 「準児童ポルノ」 という呼称も平行して使い続けており、「その場その場で使い分けている」 印象があります。

 上記の説明を読んだ方、もとからこの問題に詳しく取り組んだ人ならともかく、一般人が 「児童ポルノ」 と 「子どもポルノ」 の違いを、言葉から受けるイメージで把握するのは不可能でしょう。 2008年、日本ユニセフ協会などは、児童ポルノ法 の次の改正に向けて活動を活発化させていますが、児童ポルノ法なのにも関わらず、運動では一貫して 「子どもポルノ根絶」、そのための 単純所持 の禁止を訴えていて、一般市民の錯誤による賛成を取り付けようと躍起です。

 また公明党などのプロジェクトチームは、大人 (成年) がセーラー服などを着て児童の演技するアダルトビデオなどを みなしポルノ と呼び、秋葉原 の視察の際には、それらをごっちゃにして 「児童ポルノが店先でたくさん売られている」 などと主張しています。

 ことは表現の自由、国民の基本的人権と密接にからむ問題です。 被害に遭う児童が存在しない、架空の少女の人権を守るために、現実に生活している市民の権利を奪うことのないよう、注意深く見守る必要がありそうです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2008年2月26日)
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