同人用語の基礎知識

セックスヘイター
Sex Hater

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セックスやポルノ、あらゆる性情報を 「嫌悪」 する異常な思考とは

 「セックスヘイター」 (Sex Hater) とは、セックスやポルノ、性教育など、あらゆる性的な営み、情報を 「悪」「悪徳」「有害」「不潔」 だとみなし、嫌悪・否定する人たち、あるいはその主義や思想 (セックスヘイト) を持つ人たちのことです。 「性的憎悪者」、「性的抑圧者」、「性を否定する者」、「性憎悪主義者」、「性的抑圧思想者」、「性否定主義者」 などとも呼ばれます。

 なお 「性を否定する」「ポルノの禁止」 というのが、「性差を否定する」「女性の性的搾取の成果物であるポルノを忌避する」 こととしばしば混同、もしくは区別がつかない認識をされ、「フェミニズム」 (主に女性側からの視点で、性差別をなくし、性差別的な搾取や性的抑圧をなくし、男女同権と女性の自由を獲得する運動) と同じもののように語られるケースが多いようです。

 しかしフェミニズム (およびフェミニズムの影響を受けた一部のジェンダー) が重視する 「性教育」 まで完全に否定というスタンス、またフェミニズムが男女同権を意識してヒューマニズムに傾倒する中で、狂信的な 「ポルノ狩り」 にのみ固執するなど違いもあり、本質的には相反するまったく別の運動であると考えるべきでしょう。

 行き過ぎたフェミニズム (ラディカル・フェミニスト) をファシストだとして 「フェミファシスト」「フェミナチ」 という言葉で表す場合もありますが、「セックスヘイター」 は行き過ぎた人たちではなく、当初からフェミニズムを ポリシーロンダリング で利用しようとしただけの性的憎悪者だったのだとの認識も広まりつつあります。

 これら 「セックスへイター」 の運動の背景として、原理主義的な宗教団体の影響が強く作用していると見る向きもあるようです。 宗教的な独善性を持っているからこそなのか、それらの運動は民主主義国家の一般人から見てあまりに過激な場合が少なくなく (あらゆるポルノの根絶、処女童貞・純潔の絶対的な崇拝、同性愛者などの性的マイノリティに対する弾圧、結婚外性交渉の厳罰を課した禁止、自慰行為 (オナニー) などの抑圧、全ての妊娠中絶を理由を問わず禁ずる、など)、彼らが敵とみなすポルノ業者やその愛好家らに対する激しく執拗な攻撃性が見て取れます。

児童ポルノ根絶運動とセックスへイター

 男女同権が法律の上で明文化されるなどして運動に一定の成果が現れたことにより、過激なフェミニズムが穏やかなフェミニズムになって行く中、「セックスヘイター」 は女性の人権を盾としたポルノ禁止の主張は続けながらも、1980年代から 1990年代頃からは 「児童の人権」 を盾、大義名分とした 「有害情報の禁止」、そして 「児童ポルノ の禁止」 という 「戦術」 を、取り始めています。

 もちろん 「児童の深刻な性的虐待の成果物としての児童ポルノ」 の違法化や罰則付きの禁止は先進国の中で広まっている価値観ですし、それは人権上も必要なことだと思いますが、多くのまともな人権団体が 「被害にあう児童の人権侵害を防止し、児童を擁護する」 ために活動しているのに対し、セックスヘイターの場合は 「子供の人権を守れ」 という、ほとんど誰も反論のできない 「正義の御旗」 を振りかざしながら、児童ポルノ禁止を突破口に、あらゆるポルノの禁止、根絶を目指す運動を繰り広げている (もしくは、そのように見える) のが特徴です。

 現実に被害にあう児童が存在しない マンガアニメゲーム などの架空の キャラクター によるポルノ表現、成年が未成年を演じるアダルトビデオや、外見が未成年に見えるあらゆるポルノの禁止を打ち出す場合もあり、これらはほとんど、「児童ポルノ禁止を方便として使っているだけの、単なるポルノ禁止、表現の自由の抑圧だ」 と見る向きもあります。

 なおこれら創作物も含むポルノ類は、児童の人権侵害を伴う真性の 児童ポルノ (児童虐待動画・画像) に対し、準児童ポルノ子どもポルノみなしポルノ擬似児童ポルノ漫画児童ポルノ などとも呼ばれています。 またアニメやマンガの架空のキャラクターは 非実在青少年 などと呼ぶ場合もあります。

強烈な独善性、道徳観の押し付け、自己陶酔、そして強い排他性、攻撃性…

 「セックスヘイター」 の主張は、しばしば 「人間はこうでなくてはならない」「こうあるべき」 といった、民主主義国家では 「思想・良心の自由」「信条の自由」「内心の自由」 に触れるような一方的な道徳の押し付けがなされている場合が少なくありません。 また 「反道徳的な書物や著作物は存在自体が許されない」 とする、表現の自由 に真っ向から反する主張がなされている場合も多いようです。

 「思想・良心の自由」「信条の自由」「内心の自由」 や 「表現の自由」「創作の自由」、「知る権利」 は、人権の中でももっとも本質的な部分であり、民主主義の根本でもあります。 誰であっても他人に自分の考えを強制したり、本人の意思に反してその人の考えを押さえつけ犯すべきではありません。 「他人の趣味や主義 (それがどんなに他人から見て唾棄すべき醜悪なものであっても)」 は、それが他人に迷惑をかけたり、犯罪として被害を及ぼすものでない限り、力で押さえつけるべきではありません。

 なぜなら、そうした強制は最終的には 「ファシズム」(国や権力者が自らの原理や価値観、道徳でもってあらゆる個々人の思想を律し、従わないものは力ずくで排除し、型にはめる全体主義) につながる、危険な考え方だからです。 さらに表現や言論、思想や意見の自由を奪うことは、対話や話し合い、議論で物事を決める手段を奪うことと同じです。 対話や話し合いができない世界とは、実力行動、すなわち暴力がものを言う世界と同じでしょう。

 口では人権を守れと唱えながら、人権そのものである 表現・思想・良心・信条・内心の自由を、権力の側が実力行使で強く規制せよと叫ぶ人たちの人権意識とは、いったいどんなものなのでしょうか。

真意を見抜く賢さを身に着けましょう

 思想や文化の多様さ、差異に寛容な世の中であること。 それは、人類が無数の人命の喪失と、大地を真っ赤に染めるほどの流血で購って獲得した考え方です。 日本では元々、異宗教や異文化に寛容 (ある意味でいい加減 (^-^;)、 な国民性を育んできました。 それがこれほどまでに豊かで多様性に富む、素晴らしい文化と、世界に通用するアニメやマンガ、ゲームを生み出す原動力となっています。

 金太郎飴のように、みんなが同じ考え方、みんなが同じ主張をする世の中、どちらか一方から見た 「良いことと悪いこと」 のたった2つしか見方がないような価値観に支配された世の中など、まっぴらごめんです。 また表現の自由が守られない世の中とは、「話し合い」 や 「議論」 ではなく、問答無用の実力行使、最終的には政治的な弾圧やテロが蔓延あるいは結果的に肯定され、実力行使や暴力が全てを決める世の中に向かうということです。

 自分がそうであったように自分の子供たちにも、ドラえもんのしずかちゃんのお風呂シーンでドキドキしたり、ドラゴンボールやバガボンドやベルセルクやエヴァで血湧き肉躍ったりセーラームーンで萌えたり、エロマンガで興奮したり、ブラックジャックで泣いたり…そんな作品がちゃんとある世界、多様な言論や議論、表現で物事を決めてゆく世界を残したいと強く思います。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年11月20日)
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