同人用語の基礎知識

児童ポルノ/ Child Porno

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欧米における児童ポルノ(Child Porno/ Child Pornography) はあやふやなものでなく、きちんと基準があるものです

 「児童ポルノ」 とは、実在の児童を被写体とした動画や写真などのポルノ作品のことです。

 また児童に対する性的暴行や人権侵害行為などによる成果物としてのポルノ (挿入シーンか、それに近い性行為などを行った結果撮影したもの、児童人権侵害が不可欠なもの) を指し示す場合が多く、例えば芸術分野における児童エロチカやヌード (草原で裸で遊ぶ児童) のようなものは、児童ポルノとまでは呼ばれない場合が大半です。

 ここでいう児童の年齢はおおむね18歳未満とされますが、欧米や発展途上国の多くでは、小学生程度 (おおむね 12歳程度まで/ 第2次性徴前後程度) を、とくに重要視している場合が多いようです。 理由は、この年齢層に被害が集中しているからです。 もちろん女児だけでなく、男児も含みます。

 日本も批准している国連による 「児童の権利に関する条約」 の 児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書 (外務省による略称/ 児童の売買等に関する児童の権利条約選択議定書) の中で明文化され定義されており、条約批准国の児童ポルノの定義も、おおむねそれに沿ったものとなっています。

児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の定義

第2条 (c)
「児童ポルノ」とは、現実の若しくは疑似のあからさまな性的な行為を行う児童のあらゆる表現 (手段のいかんを問わない) 又は主として性的な目的のための児童の身体の性的な部位のあらゆる表現をいう。

日本と欧米先進国、発展途上国との定義と状況の違い

 日本の場合は、そもそも局部や挿入シーンの映ったポルノは成人のものであっても であっても わいせつ物 として違法ですし、欧米と異なり売春 (管理売春) も全面的に違法、さらに児童に対する性行為などは 「児童福祉法」 や 青少年健全育成条例 (淫行条例) などで違法でした。

 また 1999年からは 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律 (いわゆる 「児童ポルノ法」) でも違法とされ、さらに2000年からは 「児童虐待の防止等に関する法律」(いわゆる 「児童虐待防止法」) も施行され、多重の法律で取り締まられており、現行法の下でもいずれかの法律で必ず処罰されることになっています。

 批准した各国とも 「第2条 (c) 」 を原則としながら、それぞれの国によって文化的な、あるいは国民のコンセンサス的な内容の付加やばらつきはありますが (例えば 「児童の権利に関する条約」 における児童の定義は 18歳未満ですが、単純所持 まで禁じるような児童ポルノ扱いとなると、イギリス、ドイツ、イタリアなどは 13歳以下のものとなっています)、日本の場合は法律上の児童ポルノの定義がとてもあいまいです。 これは、成人・児童問わず、元々のポルノや 「わいせつ物」 の定義があやふやなことに起因していると思われます。

 欧米などでは、基本的にポルノは合法とされ、閲覧するものの年齢制限で区切る (レイティング する) ことで明確化しています。 通常のポルノは18歳以上で閲覧が可能、同性愛などを含むものは21歳以上、あるいは全てのポルノが21歳以上です。 日本は局部描写のポルノが年齢問わず全て違法で、さらに法律によって扱う児童の年齢が違う (代表的なものでは、13歳、16歳、18歳で区切っている) 、ので、説明不足も手伝いこのような混乱が起こるのでしょう。

 結果、17歳の高校生が水着で撮影したポートレートや動画が違法とされたり (心交社事件/ 児童ポルノ法違反容疑で逮捕されたものの、児童ポルノとしての立件はされず、児童福祉法での送検に留まった)、かつて新聞社後援で芸術として評価されていた写真集などが児童ポルノ認定されたり (清岡純子の作品など)、一方でヘアヌードが 「芸術」 として新聞社系の版元から出版、一般売りされ (宮沢りえの 「サンタフェ/ Santa Fe」 (撮影/ 篠山紀信) など)、こちらは一切の法的措置が取られないなど、時代や市場のムード、判断する個人の印象などが大きく作用する (その気になれば恣意的運用や拡大解釈が可能な) 状態となっています。

 なお 「児童ポルノ法」 により定義されている日本の 「児童ポルノ」 は、次の通りです。

1998年年5月の与党案定義による 「児童ポルノ」

この法律において「児童ポルノ」とは、写真、絵、ビデオテープその他の物であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
性交等に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの
衣服の全部又は一部を脱いだ児童の姿態であって性的好奇心をそそるものを視覚により認識することができる方法により描写したもの
専ら児童の性器又は肛門を視覚により認識することができる方法により描写したもの(専ら医学その他の学術研究の用に供するものを除く。)

1999年可決成立した 「児童ポルノ法」 により定義されている日本の 「児童ポルノ」

この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

 「一」 や 「二」 はともかく、「三」 の 「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」 などは、ほとんどどうとでも解釈できる内容です (三号ポルノ と呼ばれます)。 また児童の定義を 18歳未満としていますが、女性の結婚が可能な年齢は16歳ですし、性行為の最低同意年齢は13歳です。 同意年齢については他の多くの国でも同様の年齢が設定されていますが、売春が合法な国 (実は日本以外の多くの国は、売春が合法です) では、売春を職業として行う場合の最低年齢が 16歳となっていたりして、日本だけが特殊だとも云える状況です。

 これは何も途上国だけの話ではなく、例えばドイツやオランダ、ノルウェー、スイスでは 16歳の売春が合法、デンマークでは 15歳から売春が合法、中国では15歳でポルノへの出演が合法となっています。 日本でも女性は 16歳で結婚ができるように、「性的同意年齢」 を13歳から16歳程度に設定している国は非常に多い現実があります。 いずれにせよ、17歳の水着の写真で捕まるような国は、一部の禁欲的な原理主義国家、軍事政権国家以外にはどこにもありません。

 なお売春が合法の国で、同意年齢以下の児童が 「自ら客引きなどをして」 売春を行った場合、処罰されるのは売春婦の側です (近年は、旧共産圏の国の貧困にあえぐ子供の人権に配慮し、買った側の大人が罰せられるケースも見られるようになっています)。 これは日本も同様ですし、現実に日本で業としての売春行為が全くないという訳ではありません。

日本における児童ポルノ法違反の検挙例を見ると…

 なお IWF による 世界児童ポルノサイト 10年間の統計 によると、欧米で問題となっている児童ポルノのうち、およそ 91%が、12歳以下の児童を対象としたものとなっています。 つまり児童ポルノというよりは、「小学生ポルノ」 なんですね (そもそも児童 (Child) って言葉自体が、普通は小学生くらいを指す言葉です)。

 日本の場合は、例えば 2007年の検挙実績でいえば、違反事件 1,914件のうち、およそ6割の 1,347件が、「女子高生などの児童買春」 を検挙したものとなっています (残りの約3割の多くは、そうした援助交際 (援交/ 円光) の様子を撮影した動画などの販売を検挙したもの)。 全体では7割以上が、女子高生やその年代のフリーターなどを被害者とする事件なのですね。 15歳から17歳程度は、普通英語では 「Teen」(ティーンエイジャー/ Teenager/ 13歳から19歳までを指します) であり、「Child」 とは呼ばれません (ちなみに Teen Porno という言葉もあります)。

 また買春 (児童買春) の内容を比べてみても、欧米や発展途上国のそれらが主に貧困をその根本原因としていて、親による児童の人身売買や、政情不安からくる治安の悪化などでの児童誘拐の多発、蔓延、先進国では不法移民の子供の誘拐など、貧富の格差や命に関わる貧困の現実とセットになってる話なんですね。

 一方日本の場合は、例えば先ほど例に挙げた 2007年の検挙実績で云えば、親が買い与えた携帯電話による出会い系サイトでの援助交際などが中心で (児童自らが売春相手を探すケースが激増しています)、また得た金銭の大半を、児童本人が遊興費や小遣いとして得ているケースが大半を占めているのが現実です (日本では、児童の人権問題というより、「青少年の非行の問題」 として長く扱われてきた話です)。

 もちろん売春 (買春) に走る女子高生や女子中学生を買う大人が悪いのは当然ですし、善悪の判断が未熟な女子高生や女子中学生の 「倫理観」 がこのように歪んでしまったのは、まわりの大人の指導力不足や大人による社会環境整備の不備からきているのですから、児童の人権上、本人が主体的に売春を行っていたとしても、結果的に被害者だというのは理解できますし共感もします。

 しかし、貧しい移民の子が貧困ゆえに人身売買されて性的虐待を受ける海外の小学生の児童ポルノと、携帯電話で出会い系につなげて自分で売春を交渉して小遣いを稼ぐ厚化粧でありえないミニスカートの女子高校生やフリーターとが同じものだとは、筆者はどうしても思えません。 また同じであっても、それへの対処法や法的な支援や規制は、おのずと異なるものになるはずです。 原因も社会情勢も被害者数も被害者の年齢も国民性も、文化のバックボーンとなる宗教も歴史も、何もかもが違うのですから。 被害児童の救済が目的なのなら、同じであるはずがありません。

擬似児童ポルノ、準児童ポルノ、子どもポルノ…
様々な呼び名とミスリードを誘う定義で混乱する児童ポルノ

 まず第一に、「児童ポルノ」 というものを定義し、それを違法なものとしている国は、世界の中でも少数派だというのを認識する必要があります。 また一部の先進国では1980年代から 1990年代にかけて大きく叫ばれるようになったものの、その定義は上記のように 「現実に存在する児童が、セックスやそれに限りなく近い行為を強制され」 たことによる 「成果物としてのポルノ」 であり、本来の 「児童ポルノ」 とは、これに限定された言葉となっています。

児童イメージ  日本も前出の 「第2条 (c)」 の内容を批准しており、これを守らないといけませんし、また小さい子供がセックスなどを行い、それを撮影して動画や写真を 頒布 するなどは、人権上も許されることではないでしょう。

 しかし更なる規制強化を狙う 「日本ユニセフ協会」 や 「ECPAT/ ストップ子ども買春の会」 などは、「児童ポルノ」 と紛らわしい名称を使い (準児童ポルノ子どもポルノ など)、本来児童ポルノには含まれないアニメやマンガ、ゲーム などの創作物を含めた概念を広め、「児童ポルノ」 規制への賛同の 「ついで」に、それら創作物への規制につなげるかのような運動を、法改正ごとに根強く行っています。

 日本のような、「児童ポルノの定義」 すらあやふやな状況で、アニメやゲーム、マンガや小説 (音声も規制すべきとの主張があります)、見た目が未成年っぽく見える成人によるポルノまでを規制したら、さらにそれらの 単純所持 までを違法としたら、どれほどの作品やその ファン が、何も悪いことをしていない善良な市民が、「児童ポルノ愛好家」 というレッテルを貼られて社会的に抹殺されるか見当もつきません。 漫画アニメ には被害者はいません。 犯罪とされ加害者とされる 「犯人」 は、いったい誰に罰せられるほどの被害を及ぼしたのでしょうか。

 児童ポルノとは何なのか、そしてそれを規制するのは何のためなのか、しっかりと考えて法律を作ったり、規制したり、取締りをしてもらいたいものです。 真摯な 「子供の人権」 を守ろうという意見に反対する人などいません。 性的被害に遇い将来が閉ざされようとしている、実在の被害児童の救済に反対する人もいません。 どう考えても目的が他にあるとしか思えないから、みんな反対しているのです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年12月16日)
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