ドジを踏んだらとりあえず 「てへぺろ☆」
「てへぺろ☆」(てへぺろ(・ω<)/ テヘペロ) とは、失敗やドジ、うっかりミスなどをした時につい出てしまう照れ笑い 「テヘッ」 と、その際の表情として 舌 をペロリと出す擬態語、「ぺろ」 とが合わさり、ひとかたまりのフレーズ、言い回しとして言語化されたものです。 文字として記述する場合、ひらがなに 顔文字 をあしらった 「てへぺろ(・ω<)」 や、☆マークがついた 「てへぺろ☆」 のほか、カタカナで 「テヘペロ」 とも書きます。
失敗した時の照れ笑いやごまかすための笑いに 「テヘッ」 を当てはめるのは、昔から少女漫画の世界などではおなじみですし、その際に舌を出す、あるいは自分で自分の頭をゲンコツで軽く 叩く (これは 「コツン」 と呼びます) も、マンガ の世界では お約束 のパターン、典型的なパターンでしょう。 この 「てへぺろ☆」(テヘペロ) は、そうした典型パターンをベースとした オタク用語 の一つとなりますが、初めて見たり聞いたりしても意味や ニュアンス は伝わりますし、使い所も極めて広いので、流行語としても 認知 されるようになっています。
なおこうした言葉を使うこと、「てへぺろ」 でドジや失敗によって沈滞した空気を和らげ明るくすること、ミスをごまかすことなどは、動詞化して 「てへぺろる」「てへぺろった」 とも云います。 またこのフレーズを口に出して使う時は舌を出すだけでなく、片目 (通常は左目) をつぶって ウインク しつつ、右手でピースサインを出したりします。
元ネタは、人気声優 日笠陽子さんの 「てへぺろ☆」
人気ブログ 「日笠陽子のひよっ子記」 にも 「てへぺろ(・ω<)」(2009年7月14日) |
元ネタ ですが、アイムエンタープライズ所属の人気女性声優・ナレーターの、日笠陽子さんのラジオ番組中での持ちネタ・ギャグの 「てへぺろ☆」 からとなります。
2007年にデビューした日笠陽子さんは、2009年4月にはある種の社会現象になるほど人気が加熱した アニメ 「けいおん!」 の人気 キャラ、秋山澪役でブレイク。 さらに同年7月の 「世紀末オカルト学院」 の神代マヤ役 (主演) で、その安定した実力と存在感を見るものに決定づけた若手声優さんです。
この日笠陽子さんが自身のラジオ番組で持ちネタ、ギャグとして度々使っていたのがこの 「てへぺろ(・ω<)」 であり、他の 「けいおん!」 出演声優などにも感染する一方、声優専門誌 「声優グランプリ」 の web版による企画、「第一回 声グラwebが勝手に選ぶ流行語 2009」 に選ばれるとネットニュースなどでも扱われ、日笠さんの ファン や けいおん! ファン以外にもこの言葉が徐々に伝播。
その後はお笑いコンビ、はんにゃの金田哲さんや、人気グループ AKB48のメンバー (渡辺麻友さん) などもこの言葉を使い、「てへぺろ」 の 拡散 や流行を後押し。 ファッションモデル、ローラさんも同じような仕草を前後して行なっていて注目を集めていたこともあり、それらが相乗して一気に一般メディアでの 露出 も増え、一般人 までもがこぞって使う流行語となったのでした。
2011年から2012年にかけ、「てへぺろ」 が大ブレイク
前述したとおり、テヘもペロもマンガではおなじみの表現ですし (あまりに使われすぎて、それを ネタ として扱うような作品も昭和の時代からあります)、それを組み合わせた 「テヘペロ」 という文字列が一致した言い回し、あるいは 「コツン」 と組み合わせて 「ヘテペロコツン」 といったフレーズも、実はかねてから散発的には存在していました。
また単体で 「ペロッ」 とか 「コツン」「ガーン」(ショックを受ける)、「シューン」(しょんぼり) などの漫画的なセリフや擬音、擬態語をことさらに口に出してしゃべり、痛さ をネタとして演じるような使い方は ネット の世界だけではなく、アニメの演出や芸能人のネタとしても存在しています。
しかし2011年から2012年にかけて一般の人までが使う流行語となった 「テヘペロ」 については、それを言語化して流行させた発端は、この日笠陽子さんの 「てへぺろ」 が元ネタだったといって良いでしょう。 その後はギャル用語、若者用語としてもすっかり定着しているようです。
ギャル用語としても認知が進む
2011年には 「女子中高生ケータイ流行語大賞2011」(ピーネスト 主催) の銀賞に選ばれたり (ちなみに金賞は リア充)、GRP (Gal Reserch Press/ ギャル系 雑誌などを発行しているツインプラネット 運営) が主催する 「GRP AWARD 2011」の「ギャルの流行語トップテン」で第2位 (一位は ◯◯ぽよ) に選出。
これをきっかけに大手ネットメディアやテレビ・雑誌などでも 「今年の言葉」 として取り上げられる一方、2012年2月1日から全国放映されたソフトバンクのテレビCM、「白戸家「ハワイからの留学生」篇」 で決め台詞としても使用されるなど (しゃべるのはファッションモデル・タレントのトリンドル玲奈さん)、すっかりギャル用語としての定着もしているようです。