主に公式な二次創作でデキの悪いものにつけられる罵倒語です
「原作レイプ」 とは、小説やマンガなどのオリジナル作品、原作を元にした二次創作 (アニメ化したり、テレビドラマ化したり、映画化したり) のうち、あまりにデキの悪い作品に対して原作のファンが呼ぶ、ほぼ最上級の罵倒語です。 単なる 「駄作」、「クソアニメ」 や 「クソドラマ、映画」 を超えた酷い作品に付けられるようです。
| 原作レイプ 6つの怒りのポイント | ||
| [1] | 世界観を壊す 原作にはない設定やキャラを入れる | |
| [2] | キャラデザや絵柄、配役があまりにミスマッチ もしくは二次創作スタッフの力量不足 | |
| [3] | ストーリーの核心部分、 一番大事なところを取り違えたり省略 二次創作スタッフが原作を理解できていないとの疑念 | |
| [4] | 原作者がすでに他界している 原作者の遺志を無視しているように思える | |
| [5] | なぜか原作を知らない人間には評判が高い | |
| [6] | 原作版元の認めた公式(商業)二次創作だ やたら派手に告知やプロモーションをしている | |
これは、最初からある程度以上視聴者のイメージが固定化される映像作品に比べ、小説やマンガは読者それぞれが行間を読んだりコマの間を読んだりして自由に自分のイメージを膨らませられますから、他人 (映像作品の監督など) の思うイメージと自分のそれとが食い違ってしまう場合が逆のパターンより多いからなんでしょう。
ただし原作ファンそれぞれが持つイメージとかけ離れたイメージとなっていても、作品としてきちんと成立して面白ければ原作レイプとは呼ばれませんから (原作とは違った魅力があった、とか、原作と映画は別物だけどそれぞれ面白い、とか肯定されます)、やっぱりつまらない内容、駄作の場合にのみ、使われる言葉だといって良いと思います。 これは映像作品を原作とした映像作品 (リメイク) の場合にも当てはまりますが、リメイクの場合、前作がデキがよく人気がある場合が多いので、いきおいリメイクのレベルのハードルは上がる傾向があります。
なお単なるオマージュやリスペクト、パロディなどでは、よほど二次創作者に悪意が感じられない限り、「原作レイプ」 とまでは呼ばれないようです。 あくまで公式の (そしてしばしば初の) 映像化やリメイクの場合に使われる言葉のようです。 ただし盗作やパクリの場合は、この限りではありません。
外してはいけない原作の根幹部分を外すととにかく原作レイプになるようです
まぁ 「面白い」「つまらない」 なんてのは個人の好みですから、全ての人が納得できる作品を作るのはかなり難しいものです。 従って誰もが納得できる 「原作レイプ」 の定義も難しいのですが、「面白い」「つまらない」 以外の要素として、おおよそ次の点をクリアしてると原作レイプと呼ばれるケースが多いようです。
[1] 世界観を壊す 原作にはない設定やキャラを入れる
もっとも分かりやすいのは、やはりこれでしょう。 アニメやドラマや映画にする中で、原作には登場しないおかしな設定やキャラクター (しかも何の必要性もない) が出てくると、もうそれだけで叩かれる原因になります。 とりわけそれが、「最近の流行」(例えば 「萌え」 が流行ってるから萌えキャラを入れるなど) を意識しての付け足しだと、「商売 (お金) のために原作をないがしろにしてる」 と、原作ファンの逆鱗に触れるケースが多いようです。
また、ただ登場するだけでなく、例えばオリジナルキャラが原作の重要キャラを食ってしまう (能力が高いとか、やたらと出番が多いなど) 状態だと、原作ファンや原作に登場するキャラのファンは怒りを感じるようです。 こうした無意味に存在感のあるオリジナルキャラは、「メアリー・スー」(Mary Sue) などとも呼ばれます。 二次創作する監督などが、「新しい○○像を作り上げてやるぜ!」「これが俺流○○や!」 みたいにノリノリだと、大きく足を踏み外す場合が多いようですね。
[2] キャラデザや絵柄、配役があまりにミスマッチ
アニメのキャラクターデザインや声優、ドラマや実写映画の俳優が、あまりに原作のイメージとかけ離れていたり、単に人気があるだけで実力のないアイドルや新人だったりすると、原作ファンの怒りのボルテージも上がるようです。 マンガのリメイクなどの場合は、無名の技術的に稚拙な新人や、すでに旬を過ぎたマイナーな (しかも絵が下手だったり主流ではない、あるいは古臭い絵柄) 漫画家だったりすると、リメイクの意味すら見失わせるインパクトを与える場合もあります。
[3] ストーリーの核心部分、一番大事なところを取り違えたり省略
短編のマンガや小説などをドラマや映画などにすると、時間の関係で話を膨らませなければなりません。 逆に、何年も連載が続いたマンガなどを1本の映画 (60分〜120分程度) にまとめる場合には、エピソードの大半を切り捨てなくてはなりません。 この際に作品のパーツをどういう取捨択一で再構成するのか、話を膨らませるポイントのエピソードをどこにするのかも、失敗すると原作ファンが大きく失望するポイントとなります。
「この物語はこのエピソードが一番大事でストーリーの核心なのに、何でこんなどうでもいいエピソードを取り上げて、こっちは触れないんだ?」 なんてことになると、「そもそもこの監督は原作をまったく分かってない」 と感じられ、原作ファンはネットの掲示板で原作レイプと叫ばずにはいられません。
[4] 原作者がすでに他界している
原作となるマンガや小説の作者、原作者が存命であれば、「私はこの解釈は間違ってると思うけど、原作者が許可しているんだから尊重しよう」 とも思えます。 ところが原作者がすでに亡くなっていたりすると、いくら正規の版権許諾を得た公式の二次創作であっても、「原作者の審査、許諾を得ていない」 となります。 場合によっては 「原作者は他界してるが、もし生きていたらこんな作品絶対に認めるはずがない」 とまで思ったり、「原作者を侮辱している」「原作者に謝れ」 とまで、怒りのボルテージが上がる場合もあります。
なお原作者が存命中でも、版元 (出版社など) との契約上、原作者が本意では認めたくないと思っていても、やむなく二次創作に同意せざるを得なかったり、あるいは当初の話とは違った内容になったのを知らされず、半ば 「原作者がだまされた」 ような状態となる場合もあります。 この場合は生物としての原作者は存命してますが、その作品の生みの親、原作者としての命は二次創作関係者によって 「殺された」 と受け取るファンも多く、さらに怒りの炎が燃え上がる傾向にあります。
[5] なぜか原作を知らない人間には評判が高い
原作ファンが激怒するポイントでもとりわけ危ないのがこれでしょう。 原作を読んだこともない人間が原作を知らないまま映像化された作品やリメイクを 「面白い」 などと云おうものなら、「だからお前は!」 と、原作ファンの神経を逆撫でしまくるようです。 また原作者にとって 「新参者」(いまどきの若いものは) な人の人気が上がれば上がるほどやたらと大手マスコミがブームかのように派手に触れるようになるのも、神経を逆なでするようです。
[6] 原作版元の認めた公式(商業)二次創作だ
「同人サークル」 などが作る 「同人誌」 などのような非公認、黙認の 「無許可二次創作もの」、「アニパロ」 などなら発行部数も少なく、存在を知っていても 「無視」 もできますが、版元や著作権者が認めた公式で商用の二次創作の場合だとマスコミや世間でも大きなニュースになり、原作ファンが 「無視」 できなくなってしまいます。
原作に思い入れがあるが故の原作レイプ
上記のポイントをひと言で云うと、とにかく 「私が持っている原作のイメージを壊すな」 なんでしょうね。 筆者も好きなマンガや小説がおかしな映像化となってガッカリしたことがありますが、その時もやっぱり同じような印象を持ちました。 もちろん原作を知らない人は、初めて見た二次創作でその人なりのイメージをまた作り上げる訳ですから、それぞれは別の作品なんだと割り切れば良いのですが、原作のデキがよく、またファンが心から入り込んでいる場合などは、「原作を知る前にあんな変な作品でイメージを悪くしてかわいそうだ」 なんて、人によっては思ったりするようです。
別に学校の必修科目ではないんですから、「イヤなら見なきゃいいじゃん」 とも云えますが、「あの作品が好きだから、たとえどんな二次創作でも無視はできない、見ないわけにはいかない」 という切実なファン心理もありますし、ここらはどうにも共存できそうもなく、やっかいですね。 新しい二次創作のみ知っているファンは、古い原作を唯一最上とする原作ファンを 「時代の変化を見ず経年による理想化や自分の受けたイメージだけを押し付ける行為だ、「原作厨房(原作厨)」 だと反感を覚えて 「厨」 扱いする場合もあるようですし。
なお同人作家による同人作品としての二次創作には、そこまでの拒否反応を示す人は少ないようです。 もちろん苦手な人は多いですし、同人にエロ作品が多いこともあり、自分の好きなキャラを汚す、文字通りレイプすると感じて嫌悪感をあらわにするファンもいます。 しかし同人はしょせん無許可の二次創作。 公式の二次創作とは別ものだ、「単なる落書きだ」 と無視もできます。 また公式の二次創作でも、オマージュとかパロディくらいなら、それほど目くじらも立てられません。 公式のリメイクや映像化のような二次創作の場合はマスコミが大きく取り上げたり、ひょっとしたらそちらのイメージが原作のイメージを上書きする可能性があるから、ファンは心中穏やかではいられないのでしょうね。
互いの趣味を認め合えれば良いのですが、趣味は趣味。 そして趣味はビジネスと違って、しばしば妥協の余地がなかったりもします。 無理に両者を接近させたり分かろうとせず、一定の距離を置いて見たくないものは見ない、見たくない人には見せないで、住み分けができるといいですね。

