同人用語の基礎知識

擬人化

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とりあえず何でも萌えキャラにしなきゃならないんです

 「擬人化」(ぎじんか) とは、動物や植物や物品、その場の空気や流行言葉、「概念」 などなど、とりあえずこの世のあらゆるもの、森羅万象を人間のような姿形にしたり、あるいは人間のような感情を持ち思考するものに置き換えることです。

 多くの場合は美少女の姿をしていたり、美少年、もしくは美青年のような形をしていて、「美少女化」「美少年化」、あるいは 「萌え擬人化」 などとも呼びます。 また 「命のないもの、もしくは人間のような感情や精神を持たない生物を命や精神を持っているかのように喩える」 として、「活喩」(かつゆ/ 山が語りかける、森が泣いている…みたいな使い方とその発展) と呼ぶ場合もあります。

 なお人間のような姿をしたものが、「神様」 もしくは 「妖怪」(妖精や精霊) の場合もあります。 人間の力の及ばない自然現象や概念 (恐怖や貧困、裕福ほか) などは、それを象徴する神様や妖怪、妖精などの姿として描かれる場合が多く、こちらは擬人化というより神格化といった方が適切かもしれません。 ただし多くの神様や妖怪は人間的な姿をしていますし、それは人間の姿から想像した神様の姿と重ねあわせているので、広義の擬人化と呼んでも差し支えないようにも思えます。

 歴史上、動物や自然現象、木や山、海、野菜、道具などを擬人化した創作物はたくさんありますが、まず人智の及ばぬものを 「神」 として 「擬人化」 し、その後そのアレンジとして、より親しみやすい身近な動物や無機物で命や魂のない道具類の擬人化が登場したと考えるほうが、恐らくは適切なのでしょう。

 こうした考え方は、付喪神(つくもがみ/ 九十九神) としてもおなじみで、つくも=九十九、すなわち長い年月や森羅万象、数多くの経験を経て、命や魂、心のないものにも、それが 「寄り代」 として宿る、篭るといった考え方がベースとなっており、それらが人間のように喋ったり悩んだりといった民話や古典的物語は、古今枚挙にいとまがありません。

 なお八百万の神がいるアジア的、日本的な神様と比べると、一神教であるキリスト教などでは、そのものに命や魂が宿るというよりは、神様の代理人として神から命や魂を授かるといった描写が割合として比較的多いのは、ちょっとした違いかもしれません。

動物の擬人化

 こんにちの擬人化で、もっとも分かりやすいのは、動物の擬人化でしょうか。 猫を美少女化した ネコミミ少女 などが代表的です。 広く ケモノ獣人 とされることもありますが、このあたりは、例えば化け猫とかきつね、たぬきの変化 (逆獣化) なども妖怪の概念として日本には昔からありますし、それこそ大昔からの創作のひとつの定番とも云えます。 ちなみに国宝の 「鳥獣人物戯画(鳥獣戯画)」 が作られたのは、12世紀(平安時代末期) から 13世紀(鎌倉時代初期) と云われています。 ほかにも食べ物を擬人化した 「精進魚類物語」 など、この種の文献は数多くあります。

 同人 に限らず、アニメ でも マンガ でも ゲーム でも音楽でも、創作物にはどれだけイマジネーションを膨らませ特徴を誇張し、発想の跳躍を説得力を持って行うかの勝負というところもありますから、それこそ現代の コミケ などに代表されるいわゆるマンガによる同人や ライトノベル 形式の同人などでも、こうした作品は初期の初期から見かけるものでした。

 とりわけそれが大きく発展するのは、おたく という概念が広がり、また世界観や設定だけでなく、登場する キャラクター への思い入れの強さ、「キャラ萌え」 の要素が強くなってきてからでしょうか。 一般的な擬人化と、萌え擬人化ではニュアンスもかなり違い、ストーリーが先に来て、ある意味で 「真の姿が人間の姿や感情のある姿だった (普通は気がつかず深夜や人がいないところでだけ真の姿を現す)」 ともされるのが昔からある普通の擬人化、形が先に来て、対象物の持つ特徴を組み合わせて人の形にするのが萌え擬人化だとも云えそうですが、一概には決められません。

恐るべし 腐女子の無限のイマジネーション

 無機質の物体、道具や乗り物、戦闘車両などの擬人化と云えば、男性による 萌える キャラへの変換、美少女擬人化でしょうか。 「おたく」 の本業もしくは副業としておなじみの電車 (鉄っちゃん系) による鉄道車両の擬人化、あるいは ミリタリーファン による戦車や戦闘機、軍艦、城や要塞、国家などの擬人化、さらにはカメラや昆虫、「機動戦士ガンダム」 のモビルスーツの美少女化、「萌え擬人化」 などもポピュラーな擬人化の方法です。

 一方、冴えない中年おやじや、「ドラえもん」 や 「サザエさん」「アンパンマン」、その他あらゆる 「普通のもの」 を極端に理想化した美少年化や美青年化させて絡ませる、妄想無限大の やおい 「乙女系」 表現と云えば、腐女子 の独擅場です。 これらは元々が人物だったりするので、「再擬人化」 などとも呼ばれますが、ドラえもんのジャイアンとスネオを美少年化してヤオらせる熱意と力量は凄まじいものがあります。

 とりわけ ネット の人気サイト 2ちゃんねる あたりでは、例えばスパムメール業者で 「やおい」 させたり、政治や経済、事件報道の登場人物で 「やおい」 させたりと、とにかく対になる何かがあり 受け攻めカップリング の設定ができさえすれば、必ず濃厚な 「やおい」 に仕立て上げる歴戦の猛者が普通に生息していて、その剥き出しの腐の迫力に、男性おたくもはだしで逃げ出すケースが多いようです (性転換 関係も乙女の皆さんに一日の長がある感じです)。

 なお書籍化、ドラマCD化、しまいにはアニメ化の予定も立った 「BL」 風味の 「ヘタリア Hetalia Axis Powers」(日丸屋秀和/ キタユメ。)、同じく書籍化した 「萌え」 風味の美少女キャラ 「ニホンちゃん」(連続ドラマ小説ニホンちゃん/ 国際情勢風刺寓話集ニホンちゃん) など、国を擬人化する場合もあります。

25歳。去年まで金無し君、亞北ネル…とどまるところを知らない美少女化・美少年化圧力><

 ネットの 掲示板 などのコミュニティ上で、特定企業や政党などから対価を得て、書き込みや レス の監視や誘導を行う企業が実際に存在しますが、2007年に 初音ミク がらみのある お祭り で、ある企業を擁護しお祭りを終息させようと組織的に書き込みしていると思しき人物が、やたら 「飽きた、もう寝る」「お前らもこんな騒ぎやめて寝ろ」 と繰り返していたところ、いつしか 「飽きた寝る」 が ネット工作員 が良く使う慣用句として流行。 さらにそれを萌え美少女化した 「亞北ネル」 という ツンデレ キャラになって、テーマソングまで作られていたのは笑いました。

 やおい系 で云うと、一時期2ちゃんねるなどで広告コピペとして絨毯爆撃されていた 「25歳。去年まで金無し君」 が、どういうわけか美青年スパム業者とその上司 (耽美系) でヤオイしていたのも驚きましたね。 まあ似たようなことは結構いろんな人がしてますし、筆者も他人事ではなかったりしますが、クオリティと密度がすごいです。

 男女ともにこれでは…日本がアニメやマンガ、ゲームで世界制覇もするわなぁ…なんて思ったりもしますw

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年2月7日)
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