同人用語の基礎知識

カップリング/ カプ/ CP

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カップリング…それは、同人における最重要概念…です

 同人マンガSS で、ある キャラクター と別のキャラクターとを “カップル” にすることを 「カップリング」 と呼びます。 “●●×□□” などとキャラクター名称の頭2文字をそれぞれ取り、“×” でつなげて表現します (例→ “はるか” と “みちる” = “はる×みち”。 読み方は、×を省いて “はるみち” となります)。

 多くの場合、攻め受け の役割分担が存在し、攻め側が最初 (左側) に来るのが普通ですが、前出のような例外も多いです。 略して 「カプ」「CP」「チョコパフェ」「掛け算」 とも。 なお海外では 「/」 でつなげたり区切るケースが多く、カップリング (Coupling) を英語で俗に 「スラッシュ/ Slash」 と呼んだりもします。

 カップリングは、基本的に作者が好きな組み合わせでカップリングして構いませんが、あまりに意味不明なカップリング、とくに受けと攻めとを やおい 系や BL 系で取り間違える (方向的に反主流側になる/ 逆カプ など) と、いろいろと苦労も絶えないようです。

 なお一般的に受け側に自分の好きなキャラを置くのがパターンとしては多いのですが (特に男性作家や男性向け作品における異性の組み合わせは、圧倒的にそちらが多い印象)、男キャラ同士、女キャラ同士など、同性の組み合わせの場合には必ずしもそればかりではなく、どちらも同じくらい好きだったり、むしろ攻めの方にこそ感情移入するケースなどもあります。

もちろん 「カップリング」 は好きに組み合わせても良いのですが…

●●×□□
通常のカップリング
(●● (攻め) × □□ (受け) が
 多数派のカップリングの場合)
「王道」 とも
□□×●●
逆カップリング・逆カプ
「邪道」 とも
●●□□
●●□□
●●□□
仲良しコンビ・親密な友達
ブロマンス・その他
●●□□
片思い・一方通行
●●□□
リバーシブル
両思い

 ところで 受け、攻め のない、“仲良しカップル” …のような 「カップリング」 も存在します。 その場合は、“×” ではなく、“+” や “&”、“♥” などで表現する場合が多いようですね。

 カップルとまで行かないプラトニックな片思いの組み合わせ…などという場合は、「→」(矢印) で表現するケースもあります。 また 受け・攻め はあるけれど、役割分担が決まっていなくてどちらがどちらでもOKという場合には リバーシブル と呼んだりします。

 左上に一覧表にしてありますが、このやり方が絶対という訳ではなく、とりわけ 「&」 や 「+」 や 「♥」 などは、人によってニュアンスや定義づけが異なっているケースもあります。 またパソコンであれこれ記号を使うようになったことにより、「=」 とか 「>」、「<」、「≠」、「≒」 など、ほとんど本人しか分からないだろってな微妙なニュアンスのカップリング表記もあります。 これらは、それを好んで使ってる 同人作家 がブレイクすると、一気にその表現方法と定義づけが広まり定着する可能性もあり、結構複雑です。

 なおこれらとは別の概念もあります。 例えば原作中ですでにただならぬ関係なっている (カップリング状態ができている) 状態や、それと同じキャラの組み合わせの場合は 公式カップリング と呼んだり、時間軸や世界が違うカップリングを 別軸パラレル)、その対義語として 同軸 と呼んだり、ファン や支持者が多数派となっている人気の組み合わせ (キャラや方向性を含め) を 王道、そうでない組み合わせを 邪道イバラ と呼んだりもします。 何でもアリの場合は よろず や雑食になります。

 ちなみに2人ではなく3人の場合は サンドトリオ と呼び、受けが一人で攻めが大勢の場合には 総受け と呼ぶ場合もあります。 総受けの反対は 総攻め ですが、この場合はハーレム、大奥と呼んだりもします。

カップリングのこだわりこそ、同人作家の特権

 こういったカップリングの組み合わせや役割分担、カップリングの種類などは、作者本人のこだわりや非常に細かい趣味嗜好、思いこみが反映されたもので、多くの作家さんが決まったカップリングでの作品のみを描くケースが多いです。 たまに両者がひょんなことから入れ替わって、日ごろ自分がやっている 「正しい方向のカップリング」 を ネタ として遊ぶケースもありますが、たいていは決まったパターンを繰り返し踏襲する場合が多いですね。

 こういったカップリングの性質や方向は、全く違う見方、好みをしている人にとっては 「?」 な場合も少なくないのですが、何といっても、こだわりや趣味は同人活動を行う動機の本質的な部分でもあるので、自分の考えや好みとは異なるカップリングのものも、ちゃんと尊重する姿勢は必要でしょう。

カップリングの方向違いでバトルになることも…

 ただ、なかなかそうは行かないのが難しいところ。 カップリング (もしくはその要素) は本来、元ネタ となった アニメ やマンガ、小説や ラノベ などの作品そのものには直接は含まれていないものであって (完全に腐女子向けの作品は別ですが)、見ているファン、あるいは二次創作を行う同人作家の勝手な 妄想 がもたらす一種の錯覚、脱線、外野の勝手な楽しみでしょう。

 しかし、しばしば作品そのものの意味や内容を 「正しく理解した」、作者や制作者の意図を 「正確に読み取った」、さらには 「キャラクターの気持ちを完全に理解した、共有した」 と自分が感じられた時にひらめいて生まれることもあり、本人にとって間違った (ように見える) キャラ同士のカップリングや方向性は、「作品をちゃんと見ていない」「理解できてない」「何も分かっちゃいない」 と決め付ける原因になったりもします。

 また作品をちゃんと見ていない、理解できてないってことは、「その作品が好きじゃないんでは?」「その作品を心から愛していないのでは?」 という疑念を生んでしまいます。 そうなると 「好きでもない作品で同人をやるってどうなの?」「作品のメッセージを理解できないくせに、「二次創作」 ってアリなの?」 みたいな意見にもつながってしまいます。

リバと固定、相容れない水と油?

 なかでも難しいのが、リバーシブル (リバ/ 受け攻めが変わる) と固定 (受け攻めが固定している) の考え方の違いでしょう。 通常はキャラの性格を把握し発展させて受け攻めを決めるわけですから、これが入れ替わるというのは、「キャラの性格が変わる」 ことにもつながります。 だから固定はリバを、「キャラの性格や気持ちを理解できてない」「見た目だけでキャラの好き嫌いを決めている」 と判断して避けるわけです。

 一方のリバの側は、「両方のキャラがとにかく好きなのだ」「仲良しコンビに受け攻めの固定などない」 という認識を持つ人もいますし、「固定はキャラそのものの魅力よりも、カップリングの形やキャラ同士の関係性にばかり注目している」「単なる シチュエーション萌え だ」「受けキャラが好きなだけ」 と批判的に見る場合もあります。 またリバは一般的に少数派であるケースが多いため、多勢に無勢で肩身の狭い思いをしたり、固定から心ない誹謗中傷を受けるなど、作品以外の部分で不満を持つ場合もあります。

 実際には固定・リバそれぞれに、受けが好きだ・攻めが好きだといった要素も加わり、それらがどんどん積み重なって、しばしば特定の作家やそのファン同士による深刻なトラブルや揉め事、ネット を巻き込んだ誹謗中傷合戦、最悪の場合には バトル になるケースも多いようです。 多数派・少数派といったそれぞれの支持者数の違いはありますが、重ねて書きますが、作品やキャラの好き嫌い、好みの傾向などは人それぞれですから、どちらが正しいとか悪いとか、数が多い方が偉いとか、上だ下だはありません。

本人x本人? 特殊なカップリングも

 あまり一般的なものではないかも知れませんが、同じキャラ同士をカップリングするようなケースもあります。 もう一人の自分が現れて、元いた自分と受け・攻めの関係になるわけですが、元ネタとなる作品にそうした描写があったり、1人のキャラの子供の頃、若い頃、大人や老人になった時などが現れたりすると、年上年下やロリショタなどをからめ、意外な広がりを見せる場合もあります。

 こうしたカップリングは、通常の ○x○ といった表現の他、とくに 「二乗」 などと呼ぶケースもあります。

原則として、同一作品内キャラでカップリングするのが良いようです

 なお 二次創作 とか パロディ などの 「同人作品」 などでは、基本的に元になった一つの作品内のキャラクターのみで、カップリングを完結させるのがひとつの不文律になっています。

 もちろん例外もあり、アニメでキャラクターを演じた声優さんつながりなどで作品を横断してカップリングするといった作品はたまに見かけますが (広義の 「別軸カップリング」 になります)、純粋な作品のファン、キャラのファンからは、あまりいい顔をされない場合が多いようです。

 もっともナンセンス・不条理ギャグマンガなどでは必ずしも当てはまらなかったり、むしろそれが大人気になったりもしますけれど。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年2月28日)
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