一般人も巻き込み一世を風靡した 「メイド喫茶」、そのルーツと歴史は…
同人やおたくの世界で非常に人気のあるジャンルの一つ、「メイド」 さん。 そのコスチューム、メイド服を身に着けた女の子がウェイトレスをする喫茶店、それがメイド喫茶です (当て字で 「冥土喫茶」 とも)。 メイドカフェ、コスプレ喫茶、コスプレカフェ、コスカフェなどとも呼びますが、現在はメイド喫茶という呼び方が一般的でしょう。
メイド喫茶発祥は、ゲームのイベントの出し物から
発祥は、1997年10月に発売された F&C (エフアンドシー) のブランド、カクテル・ソフトの美少女パソコンゲーム、「Pia キャロットへようこそ!! 2」(ピアキャロ2) の人気を受け、翌 1998年8月2日〜3日に行かけて、千葉県は幕張メッセで開催された 「東京キャラクターショー 1998」 (主催/ ニッポン放送) に、イベント企画として出展された模擬店のようなお店、「Pia キャロット」 (ゲーム中に登場するお店を再現した) とするのが通説となっています。
第1回目となる 「東京キャラクターショー」 の目玉として用意されたこの企画は大好評を博し、その後秋葉原のブロッコリー店内にも期間限定のイベント店舗として再登場。 大きな話題となり、ついに 2000年2月25日に常設のコスプレ喫茶としては第一号となる、「ゲーマーズカフェ」 がアキバにオープンしました。
「メイド喫茶」 か、「コスプレカフェ」 か…
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| メイド喫茶 「めいど in じゃぱん」 看板 |
筆者はメイドに 「萌え」 ていて、ウェブサイトで全国のメイド情報をまとめている知人がそばにいたこと、名古屋に友達がいることもあり、こうした喫茶店が登場する以前からフレンチスタイルの変形メイド服が人気の 「アンナミラーズ」 や、明治ロマンあふれる 「馬車道」、デパート地下の洋菓子店なんかを引っ張りまわされていまし
従って当然のごとくこれらの店にもなじみがあるのですが、当時はメイド喫茶と云うよりは、やっぱり 「コスプレ喫茶」 って感じがしましたね (飲食夜神月天は巫女さんコスプレ居酒屋って感じでした)。
そもそもメイド喫茶とコスプレ喫茶は同じものだ…ってな意見もありますが、「コスプレ」 という言葉は 1982年〜1983年頃におたくの世界から飛び出して一般化してからは、OLの事務服とかナース、スチュワーデス、セーラー服なんかの 「風俗産業における仮装、扮装」 と区別がつかなくなりつつあり、単なるセクシャルなサービスとして発展したのか、オタクやオタクの世界のコスプレの世界観、空気を継承して発展したのがメイド喫茶なのかは、非常に判断の難しい問題です。
版権コスプレなのか、そうでないのかって区別の仕方もありますが、イメクラやヘルスなどの風俗店にもアニメなどの版権コスプレをした女の子はいましたし、居酒屋なんかでもコスプレした店員がいた店は結構ありました (ハロウィンなんかだと、スパイダーマンやドラキュラ伯爵、フランケンシュタインの格好をした店員がいる店は昔からたくさんあります)。
あたしゃ、おたくですので、一般人が余興でやるコスプレと、そうでないコスプレとが違うのがわかるつもりなんですが、世間から見たら区別をつけるのは難しいかも知れません。 思い入れがあるかどうか…って云い方も出来ますが、特定プロ野球のファンが集まる居酒屋なんかでは、店員がそのチームのユニフォームを着ている場合もあります。 これは思い入れたっぷりのコスプレなのか、単なる余興の仮装なのかどっちだと云われると、ちと困ってしまいます。 と云うわけで、メイド喫茶やコスプレ喫茶の第一号を決めるのは、実はちょっと大変なのかも知れませんw
ところで先ほどアンナミラーズの話がでましたが、前出した「ピアキャロ」(Piaキャロットへようこそ!!) などを代表とする いわゆるコスチューム系美少女ゲームの制作者には、「アンミラの影響を受けた」「アンミラ萌えです」 と公言してはばからないクリエイターが大勢います。 実在の店に影響を受け、そうした店を舞台としたゲームやアニメが生まれ、人気を得て、そのゲームやアニメの影響で実在の店ができる。 このサイクルこそが、おたくやアキバ系が好む、本当のメイド喫茶なんじゃないかなと思ったりします。
様々なサービスを生み出した 「メイド喫茶」
メイド喫茶のサービスと云えば、メイド服を着ているのはもちろんですが、凝った店内装飾、あるいは多少の演技力が求められる掛け声や独特な接客方法が真っ先に思い浮かびます。 客が来店すると 「ご主人様、お帰りなさいませ! (お帰りなさいませ〜お帰りなさいませ〜)」、コーヒーを注文するとミルクを入れてスプーンで混ぜてくれたり、オムライスを頼むとケチャップでイラストや萌えメッセージを書いてくれるお店もあります。
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| メイドさん手書きケチャップイラスト |
2004年〜2005年にかけ、萌えやおたく文化が一般にも広く知られるようになると、その象徴の一つとしてメイド喫茶は大ブレイクし、中には風俗店と変わらないようなサービスをする店が現れたりしました。 秋葉原で摘発されたあるメイド喫茶は、中国人の出稼ぎの女の子を使ってマッサージや風俗まがいのサービスをしていたところもありました。
一部の店舗では、メイド喫茶にあるまじきサービスも
個人的にはメイドにもオタクや萌え文化にも興味のない、それどころかトラディショナルなメイドにも全く興味のない業者が、儲かるからと次々参入し過剰なサービスでエスカレートするのはよくない風潮だなぁ…そんなのは真のメイド喫茶とは云えんじゃろ…とは思っているんですが、2006年となって 「ツンデレ」 のイベントや、「ネコミミ」 の喫茶が出たり、従業員のメイド店員さんのアイドルユニットがデビューしたりする一方、儲け主義の半風俗店なんかは悪評が立ち淘汰されつつあって、この流れが続いてくれればいいなとは思います。
なお 「メード」 という表記の仕方もありますが、同人やおたく関係では、なぜか みな 「メイド」 と表記しているようです。 メイド喫茶が話題になるにれ、一般紙や一般マスコミが触れるケースも増えましたが、「メード喫茶」 とか記述されていると、妙な違和感を覚えたりもします。
ついに女性版メイド喫茶(乙女系カフェ)「執事喫茶」、さらに 「BL喫茶」 も登場
池袋の一部を、女性版秋葉原、俗に 「乙女ロード」 などと呼びますが、その池袋の一角に 2006年3月になり、執事喫茶が誕生しました。 2005年末に自称腐女子とするOLさんが自身のブログで企画実現を呼びかけ、4ヶ月で開店にこぎつけた執事喫茶 「Swallowtail」 は、ある意味本当の意味でのメイド喫茶の進化系かなとも思います。
店長や経営者に思い入れがあって、店内装飾にも凝っていて、しかもスタッフもしっかりプロ意識を持ってなりきり、「分かってるお客さん」 がそれを愉しむ。 やたら風俗に結びついてメイドにあるまじきサービスをする雨後のタケノコみたいなエセメイド喫茶にはない正統派の趣があって、面白いお店と現象だなぁ…と思っています。 近々行きたいものですじゃ…。
なお池袋では、女性が男装した 「ホスト喫茶」 や 「BL喫茶」 が 2000年代後半は増殖し、意外な場所にひっそりと店を構えている場合も少なくありません。 情報などはその手の人の集まる掲示板やブログなどでよく出てきますので、興味があれば訪れるのも良いかも知れません。 「乙女ロード」 で買い物をした後にくつろぐには、こういった 「わかってるお店」 が気楽で楽しめるでしょう。 料金も、一般的なお店とあまり変わりません (サービス内容を考えると、むしろ割安なくらい)。
メイド喫茶の主な流れ
| 秋葉原に常設のコスプレ喫茶第一号、「ゲーマーズカフェ」 がオープン (名古屋の飲食夜神月天が最初との意見も (1999年の開店当時行った記憶がありますが、巫女さん居酒屋って感じでした)。 →秋葉原 アキバ系 | |
| 業界初のメイドがサービスをする宿泊施設 「もえるーむ」 が静岡県熱海市で開業。 当初予定の6月開業は間に合わず、また翌月8月3日には閉館となった。 | |
| 秋葉原に世界初のメイド美容室 「メイドヘアサロン モエシャン」 がオープン。 | |
| 福岡県警が福岡市に新規開店したメイドカフェ2店に対し、メイド (従業員) の行為が 「接客」 ではなく 「接待」 に当たるとして、喫茶店と認めず風俗営業の許可を得るよう指導。 | |
| 愛媛県警が松山市内のメイドカフェに対し、県公安委員会に風俗営業の許可を申請するよう指導。 店側は、従業員が客と一緒にテレビゲームやトランプをするサービスを中止、喫茶店として営業を続けるとこれを拒否。 | |
| 秋葉原に妹カフェ(妹喫茶)、「Pash Cafe NAGOMI」 がオープン。 勝つと景品が貰えるゲームなどがあり、3分プレイで500円、10分で1,000円。 | |
| 秋葉原の妹系カフェ 「Pash Cafe NAGOMI」 がツンデレイベントを開催。 常設ではないが、定期的にイベントは開催。 ツンデレ喫茶の始祖。 | |
| 女性向けメイド喫茶とも云える予約制の 執事喫茶 「Swallowtail」 が池袋プレオープン。 自称腐女子のOLが自身のブログで呼びかけ4ヶ月で開店にこぎつけた。 テレビ出演で発揮した個性などもあり、長老執事の沖田さんの人気が一部で沸騰。 なお5月になり、講談社の雑誌 「VoCE」 6月号266ページ「VoCE EeW」(編集長/ 関 龍彦)において、店内や客を「盗み撮り」した写真と悪質な潜入レポが無断掲載され問題に。 | |
| 世界初の萌え系メイドファーストフード 「Akiba Maid Deli 萌バーガー」 が秋葉原でプレオープン。 ザ・コン裏 (Laoxザ・コンピューター館の裏通り) のメイド系店舗だらけに拍車。 | |
| 世界初の移動式メイド喫茶 「そよカフェ」 が秋葉原でプレオープン (正式オープンは7月1日)。 | |
| 世界初の常設ネコミミ喫茶 「Cafe with Cat」 が秋葉原、虎の穴本店2Fでプレオープン (正式オープンは8月5日)。 | |

