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メイド/ Maid

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様々に加工されて隆盛を誇る人気ジャンル、「メイドさん」

やっぱりメイド服は可愛い
やっぱりメイド服は可愛い

 「メイド」(Maid/ メード) とは、同人 の世界をはじめ、おたく の界隈で非常に人気がある 作品ジャンル の一つです。

 狭義の作品傾向としては、19世紀ヴィクトリア朝時代の英国の身分階級や役職としての 「メイド」 をルーツとする、「お金持ちの洋館に働く美少女お手伝いさん」 と云うメイドの職業そのものの持つイメージや シチュエーション を利用するものがあります。

 一方、女の子が 「メイド服」 と呼ばれる “衣装”、“コスチューム” を身にまとった姿などを愛でるシンプルで直接的な趣味も非常に広く 認知 されていて (そうした服を制服とした飲食店などでアルバイトしている女性や、コスプレイヤー であるなど)、様々な動機・バリエーションで数多くの作品を生みだすフィールドとなっています。

 その関わり方は人によって色々ですが (2次元3次元 を問わず)、女性の音楽 ファン らから広まった ゴスロリ との衣服上の類似性もあり、版権もの ではない、オリジナルファッションとしての コスプレ などでも人気のジャンルとなっていますね。

可愛らしくて女性レイヤーにも人気のメイド服

 豪華なレースやフリル、可愛らしいリボンや大きな襟が付いた服に、レースの カチューシャ (ホワイトブリム)、オーバーニー などの 靴下 とフォーマルな靴、それら全体をまとめるクラシカルでトラディショナル、清楚な雰囲気…。 メイド服の持つこれら非日常性を感じさせるデザイン、全体で一つにまとまるシルエット自体が、そもそもとても魅力的です。

 これらの特徴や、それに極めて近いイメージを持つデザインの服 (ケーニヒスクローネの制服を代表とする、黒っぽい服に白いエプロンのイメージ) をアルバイト制服とするレストラン・洋菓子店・喫茶店の店員さんのファン活動、あるいはそれらをモチーフとした創作活動は、メイドブーム以前にも根強く行われていました。

 これらは、いわゆる 制服モノ という大きなくくりの カテゴリ の一つになる訳ですが、1990年代の大ブレイク以降は、もはやその一ジャンルにとどまらない活況振りを見せています。

アンナミラーズ (アンミラ) とメイド服

 元々このジャンルがここまで広く一般化したには、よりコアな 「メイド」 そのもののイメージ (ご主人様 (貴族、もしくは富豪) とメイド (貧しい家の出、もしくは家主に従順たるべしと教育された家系の娘) との関係のような) などではなく、前述のアルバイト職業制服の持つ可愛らしさや親しみやすさが元々の背景にあったのだと思います。

 そこに改めて後から “健気に働く女の子”、“しかも、ご主人様のいいなり…”、“ご奉仕するにゃん” と云うイメージが、ブームとともにメイドの生まれた時代背景や歴史的事実から調べられ、導かれて付加されていったんでしょう。

 その意味で、現在の 「メイド」 ブームの直接的な発端のひとつとして、黒っぽい服+白エプロン+フォーマルな造形 のイメージ…とは正反対な、(真のメイドマニア(?) からは 邪道 だと 叩かれる ことすら多い) フレンチスタイルの変形である 「アンナミラーズ」 の制服があったのは象徴的です。

一般的なメイドと云えば…

 メイド自体は、「下級身分の女性使用人」 といった扱いで、貧富の格差や 奴隷 などが生じた古代の時代から存在していたのでしょう。 それらは地域や国を統治する権力者や貴族、地主が登場すると身分に基づく職業の一つとして定着します。 通常は個人とその家族に奉仕する使用人であり、時代や地域によって異なるものの、おおむね使用人の長である執事 (スチュワード (Steward) やバトラー(Butler) 主に男性) と女性使用人の長であるハウスキーパー (House Keeper) の元、ハウスメイド (House Maid) として 掃除 や洗濯、炊事、給仕、買い物などの肉体的な雑務をこなす存在となります。 これらは日本における家政婦や女中、下女と呼ばれるものとほぼ同じです。

 一方、同じ使用人ながら、通常の使用人の身分階層・序列からは外れた存在もいます。 例えばレディーズメイド (Lady's Maid) はレディー (上流階級の婦人や娘) に個人的に仕える存在であり、主人はあくまでそのレディー個人です。 仕事は軽い雑用やレディーの身辺の世話などで、日本では侍女とも呼ばれますが、数々の特権を持っていました。 主人が家中で力を持っていて、かつその主人から気に入ってさえもらえれば、宝石や衣服、財産を与えられたり、然るべき家へ嫁がせたり、時として絶大な権力を持つこともありました。 若く美貌にあふれ教養やマナーにも通じた存在であり、西洋絵画の貴族絵などのモチーフにもよく選ばれる、メイドのスターのような存在です。

 この他メイドは、その役割によって細かい分類がされる場合もあります。 例えばコックの下で炊事や調理の仕事をこなす キッチンメイド (Kitchen Maid)、給仕や来客対応を行う パーラーメイド (Parlour Maid)、洗濯担当ならランドリーメイド (Laundry Maid)、子守担当なら ナースメイド (Nurse Maid) といった具合です。 逆に全てを一人でこなす存在は メイド・オブ・オール・ワーク (Maid of All Work) と呼ばれ、多数のメイドを雇う金銭的余裕がない家などが雇った存在となります。

美少女ゲームのメイド人気なくして語れません

メイド服イラスト1

 なお同人の世界でメイドが人気になった別の要因に、メイドを 主人公 に据えたメイドゲームの始祖ともされる 「殻の中の小鳥」(BLACK PACKAGE/ 1996年2月29日発売) の登場や、「アンナミラーズ」「アンミラ」 を発端として影響された、例えば 「ピアキャロ」(Piaキャロットへようこそ!!/ F&C/ 1996年7月26日発売)などを代表とする いわゆるコスチューム系美少女ゲームブームの影響が強かった点は見逃せません。

 この点はコスプレ世界に当然ながら強く影響し、ゲーム 系のイベントではメイド服のコスプレイヤーが大勢集まります。

 すなわち、
 1)昔っからトラディショナルなメイドが好きだった。
 2)アンミラなどの制服系コスチュームが好きだった。
 3)アンミラに影響を受けたギャルゲーが好きだった。

 の3つが同人の世界で一気に相乗効果をもたらし、そこにコスプレが大きく華を添えて一般にも強く訴求したって感じでしょうか。 流行り始めた頃、体に密着したボディコンや ミニスカート が現実世界の女性の間で大流行していて、そうしたファッションより 「フリフリの女の子らしい服装」 を好む男性からの支持を集めたという点もあります。

ゴスロリなどと並び、人気コスチュームとして定着

 「メイド」 は、現在ではいわゆる 萌え要素 の最大要件の一つとして完全に定着し、新しいメイド キャラ が今も次々生まれています。

「メイド」 と 「メード」、微妙な日本語表現

 なおカタカナで書く場合に 「メード」 という表記の仕方もありますが、同人やおたく関係では、なぜかほとんどの場合で 「メイド」 と表記しているのは、どうしてなのでしょうかね?

 新聞やテレビでの記述や発音 「メード」 は、1954年3月15日の国語審議会報告による日本語表記、発音の原則に則っているわけですが (一部の例外を除き、原音における二重母音は長音とするといった内容)、メードよりメイドの方が、何やらカッチリして耳触りも良いような気がします。

 書き言葉ではなく口で喋る場合は、結構なオタクの人でも 「メード」 と発音しているケースが多いので、これはもう、文章で書き記す時の お約束 みたいなものなのかも知れませんね。 Made in Japan などの場合も、同じようにメードインジャパンではなくメイドインジャパンと書く場合が多いと思うのですが、ことここでいう 「メイド」 に関しては、オタク的文脈なのかそうでないのかを、「メイド」 と 「メード」 で軽く分けることもできそうな気がします。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年5月1日)
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