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怪しいお米セシウムさん

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限度を超えた不謹慎、非常識さ 「怪しいお米セシウムさん」「汚染されたお米セシウムさん」

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怪しいお米
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「怪しいお米セシウムさん」 AA
キャラは東海テレビのマスコットキャラクター 「わんだほ」

 「怪しいお米セシウムさん」 とは、ネット の世界であまりに非常識、度を超えた下劣さを発揮した マスゴミ (マスコミを侮蔑的に表す言葉) を指す時に使う罵倒語、侮蔑のための ネットスラング の一つです。 「怪しい」 ではなく、「汚染された」 のバージョンもあります。

 そのままの形で 「怪しいお米セシウムさん」 とする場合もあれば、「お米」 と 「セシウム」 の部分を入れ替えて、例えば 「怪しい放送東海テレビさん」 になる場合もあります。

 また全体を改変して 「短いお詫び 東海テレビさん」「形だけのお詫び 東海テレビさん 」 などと表現する場合もあり、こうした 「怪しい○○ △△さん」 のバリエーションは色々なものが登場しています。

 元ネタ ですが、2011年8月4日、フジテレビ系列の地方局、名古屋の東海テレビ放送 (エリア 愛知県/ 岐阜県/ 三重県) が放映したテレビ番組、「ぴーかんテレビ」 の中で、通販 の紹介を行っている時に放送事故として流れたプレゼント当選者名の文字フリップ用テロップ、「怪しいお米セシウムさん」「汚染されたお米セシウムさん」 に由来します。 流れたのは午前11時3分35秒からで、コーナー名は 「夏休み プレゼント 主義る祭り」(「主義る」 は同局のキャッチフレーズ 「おもしろ主義る宣言」 から)、プレゼント品目は、岩手県産米 「ひとめぼれ」 10キロでした。

 なおここでいうセシウムとは、同年3月11日に発生した福島第一原子力発電所の事故により外部に漏れ出した放射性物質の一つです。 事故後様々な食品などから基準値を超えるセシウムが検出されていますが、お米は収穫時期が秋 (9月〜10月) であり、事故後に出回っているお米も前年以前に収穫されたものが全てであって保存もしっかりしており、事件当時流通しているお米に問題のセシウムが含まれている可能性はありません。

「怪しいお米セシウムさん」 あまりの内容にネットでは大きな祭りに

「怪しいお米セシウムさん」 問題の動画はすぐに YouTube で共有された (2011年8月4日)
「怪しいお米セシウムさん」 問題の動画はすぐに
YouTube で共有された (2011年8月4日)
東海テレビ放送は公式サイトで正式に謝罪 (2011年8月4日)
東海テレビ放送は公式サイトで
正式に謝罪 (2011年8月4日)
「ぴーかんテレビ」 番組公式サイトでも正式に謝罪 (2011年8月4日)
「ぴーかんテレビ」 番組公式サイトでも
正式に謝罪 (2011年8月4日)
その後、「ぴーかんテレビ」 公式サイトは謝罪文だけに差し替え (2011年8月4日)
その後、「ぴーかんテレビ」 公式サイトは
謝罪文だけに差し替え (2011年8月4日)

 1998年3月30日から東海地方の朝の顔として放送が続くこの人気番組 「ぴーかんテレビ」 では、前半に新聞誌面を紹介する形で様々なニュースや話題に触れるほか、特集コーナーや通販コーナー、電話応募による視聴者プレゼントコーナーがあります。

 問題の文字フリップは番組最後のプレゼントコーナーで使うものだったようなのですが、なぜかその前の、まるで無関係な秋田稲庭うどんの通販コーナーの商品紹介のところで23秒余りに渡って全画面表示。 しかも3人の当選者名は 「怪しいお米セシウムさん」 が2回、「汚染されたお米セシウムさん」 が1回という、首を傾げる内容のものでした。

 これは恐らくは、生放送で使う本番用フリップとは別に、リハーサル用として用意したダミーのフリップだったのでしょう (正しいプレゼント当選者のフリップは、番組最後に登場しています)。 それが何かの手違いで、誤って画面に表示されてしまったものと思われます (その後同社もこれを認めた)。

 ダミーのものなので名前は何でも良いのでしょうし、作成者が悪ふざけで作ったものに過ぎなかったのかも知れません。 しかし、それにしてもその名前があまりと云えばあまりのものだったことから、まずは 掲示板 2ちゃんねる実況系 の掲示板から大きな騒ぎに (ネタ として、「何でセシウムさんばかり当選するんだ」「当選祈願に使えるかも知れんな」 や、テロップ右にいる東海テレビのマスコットキャラクター 「わんだほ」 を使った アスキーアート (AA) なども)。

 その後画面をキャプチャーした画像がニュース系の板などに伝播し、Twitter などでも情報が拡散。 しばらくして 動画共有サイト の YouTube などに動画が出まわり、大手ネットメディアなども次々に報道。 大騒ぎになったのでした。

折からのフジテレビ批判と湾曲報道による批判が激化

 この放送事故は、それ単体でも大きな 祭り に発展しかねない重大な失態でしたが、とりわけネット上で大きく燃え盛り 炎上 の状態となったのには、いくつかの前提がありました。

 まず同年7月23日に俳優の高岡蒼甫さんが Twitter でつぶやいた、フジテレビの異常な韓流 ゴリ押し の放送姿勢に対する疑問を発端に巻き起こった、ネット中に広がるフジテレビに対する強い批判があります。 東海テレビがフジテレビ系列であったことが、大きく影響しているのですね。

 またこの 「ぴーかんテレビ」 では、7月29日の芸能レビューコーナーにてこれを、「ブログ炎上の末…あおいの夫 高岡蒼甫 韓流ブーム批判で代謝」「高岡蒼甫 ツイッターで韓流ブームを過激批判し 事務所退社」 と題して事実を矮小化し放送。 高岡蒼甫さんをまるで問題児、お騒がせタレントのように扱い、これらの言動を奇行や妄言と決めつけ批判するような内容のものとなっていました。 これらが相乗し、要するに 「またテレビ局のあいつらがやったのか」 という空気になっていたのでした。

 高岡蒼甫さんの ツイート は別に韓流そのものを批判している訳ではなく、3月11日に起こった東日本大震災や福島第一原発の事故などによって日本が危機的な状況にある中、国民共有の財産である電波周波数をあずかっていながらそうした被災地や原発事故の情報などをきちんと伝えず、朝から晩まで金儲けのために外国の放送を流している日本の放送局への疑問を呈していたものでした。

 また震災後、東海テレビやフジテレビに限らず、日本の多くのメディアが放射線や放射性物質の危険性などをきちんと伝えず、政府への対応も不十分で、農産物に対する国民の不安を取り除くための報道をきちんと根拠を持って行うことなく 「風評被害だ」 と一方的に決めつけた放送を行っていましたが、これもネットの一部では強く批判されていました。

 こうした中での 「怪しいお米セシウムさん」。 単なるミス、あるいはスタッフの悪ふざけに過ぎないのだとしても、放送でのキレイ事とは裏腹に、影では今回のフリップにあるように被災者をあざ笑い、農産物にありもしない汚染やセシウムとのレッテルを貼っていたのではないか、たまたま今回は表に出たがいつもやっていたのではないかとの疑念を持たせる内容だったため、ネットには批判の書き込みが殺到することに。

東海テレビ放送と番組は同日中に謝罪、岩手県は正式に抗議を

岩手県公式サイトで正式に抗議、岩手県のお米を始め、全国のお米は安全です。(2011年8月4日)
岩手県公式サイトで正式に抗議、
岩手県のお米を始め、全国のお米は安全です。
(2011年8月4日)
岩手県広聴広報課は Twitter でも正式に抗議 (2011年8月4日)
岩手県広聴広報課は Twitter でも正式に抗議
(2011年8月4日)

 番組では福島智之アナウンサーが事故直後と放送終了前の正しい当選者発表時の二度に渡って謝罪を行い、同日中に公式サイトなどでも正式に謝罪。

 一方、番組のためにプレゼント商品を提供しながら、結果的にあり得ない誹謗中傷に晒された農家・農協を持つ岩手県では、広聴広報課として 「8月4日の東海テレビ放送「ぴーかんテレビ」で、本県産米を誹謗中傷する静止画が23秒間放送されました。 とても残念ですが、先方に強く抗議するとともに、詳細な事実関係について引き続き確認してまります。」 と発表する傍ら、県知事が東海テレビ放送に厳重な抗議を行っています。

 翌8月5日は 「ぴーかんテレビ」 の放送を急遽取りやめ、2分30秒のお詫び番組 「不適切な放送のお詫びとご報告」 として番組の休止と事情説明、お詫びを放送。 また同番組放映時間帯は アニメ 「トムとジェリー」(Tom and Jerry) を代替番組として流しました。 その後今度は15分間の社長が登場した検証番組も放送。 「50代の男性外注スタッフがふざけ気分で作ったものを誤って放送したもの」 と説明しています。

 また当初、リハーサル用の CG データだったと説明していたものの、「ダミーとは云えこんな不謹慎なものでリハーサルをしていたのか」「出演者全員、これを見てゲラゲラ笑っていたのではないか」 との批判が噴出し、その後はリハーサル用との説明を行わず、「仮のデータ」 と呼ぶようになっています。

冗談でもこういう 「ノリ」 が許される業界、社風

 正式なものが決まる前のダミーの名前を入れるにしても、普通は万が一の場合を考え、山田太郎とかテレビ太郎などにするとか、あるいは あああああ だとか ◯◯◯◯ だとか 名称未設定さん などにしておくものです。 長文が必要な場合、ダミーデータのテキストとして適当な文章を貼り付ける (著作権上問題のない青空文庫からとった文章など) もよくあるでしょう。

 しかしよりによってこうしたデリケートな問題で他人をあざ笑うような言葉にわざわざするのは、内輪の誰かの 「受け」 を狙っているのでしょうし、その感覚と常識を疑ってしまいますね。

 ネットの世界にも不謹慎な発言をする人は大勢いますが、匿名で個人的にやっていてハメが外れるならともかく、日ごろ正論を吐く公共的性格の強い職場、しかも自分以外に大勢のスタッフがいる仕事の場で、こうした悪ふざけがまかり通るというのは、ちょっと想像を絶します。 テレビ局どころか、ごく普通の民間企業の社内プレゼンのリハーサルでも、この 「ノリ」 は場合によっては社内的な信用を完全に失うレベルの非常識さでしょう。 自分たち以外の人間や企業の不祥事や失敗は徹底して 叩き 続けるマスコミの皆さんですが、こうした重大なミスにはどのような対応を行うのでしょうか。

 その後東海テレビ放送はマスコミ各社に対し、「テロップ制作者が当選者が決定される前に作成したリハーサル用の仮テロップが、操作ミスで送出されたため」 とのプレスリリースを配信。 自社ニュースでも触れ、改めて謝罪。 さらにその後、1時間に渡る謝罪・検証番組を放送し、当該番組の打ち切り、関係者の処分などを発表しています。

 放送各社で作る BPO (放送倫理・番組向上機構) はこの問題について検討をしていましたが、検証番組が放送されるなど自主的な是正の動きがあったとして、9月になって、処分や勧告を決めるための審議入り自体を見送っています。

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