同人用語の基礎知識

引きこもり/ ヒッキー

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たまに外出すると季節がとっくに変わってて服装が周りと浮くよね…引きこもり

 「引きこもり」(ひきこもり) とは、様々な個人的・社会的な原因によって自宅以外の生活の場を失い、昼夜を問わず自宅や自室に入り浸り、引きこもる生活を送っている人のことです。 ヒッキー (Hikky)、ヒキ、自宅警備員 とも呼びます。

 多くの場合、不登校 (登校拒否) や就業拒否、無職、ニート という状況を伴い、一般的な人間関係や社会生活が長期に渡って失われています。 寝たきりや身体に不自由があるなどにより、外に出られない人を含める考え方もありますが、現在はもっぱら、精神的・意識的な様々な内的要因により、「出たくても出られない」 といった人を、もっぱら指すケースが多いようです。

 これらの状況を、「何も社会的・生産的な活動はしないが、しかしご飯を食べてトイレには行く状態」 とし、ネット の世界などでは口汚く批判的・侮蔑的に、うんこ製造機などと罵倒して呼ぶ場合もあります。

 なお 「引きこもり」 という言葉自体は、古代中国や昔の日本などでも、「官職につかず在野で過ごす」「高官や文化人などが表に出ず、自宅にこもる」 との意味で使われてきた言葉です。 あるいは学者や芸術家などが、自分の研究や創作活動などに没頭するあまり、社会に背を向ける状態を指して使う場合もあります。

2000年代に入り、「ひきこもり」 が大きな社会問題に

「ひきこもり」 のガイドライン
「ひきこもり」 のガイドライン
10代・20代を中心とした「ひきこもり」を
めぐる地域精神保健活動のガイドライン

 「引きこもり」(あるいは 「閉じこもり」) という言葉や概念それ自体は1980年代には使われるようになり、1990年代には一般的な名称としても徐々に使われるようになっていますが、それが大きな社会問題としても取り上げられるようになったのは、1990年代末から2000年代初頭にかけてでしょうか。

 2000年から2002年にかけては、厚生労働省所管の科学研究事業 「地域精神保健活動における介入のあり方に関する研究」(主任研究者:国立精神・神経センター精神保健研究所 社会復帰相談部長 伊藤順一郎) において 「ひきこもり」 のガイドラインが作られ、2003年7月28日に各都道府県・指定都市等に対し、業務参考資料として配付。 関係機関の相談業務の充実を図っています。

 掲示板 2ちゃんねる をはじめ、ネットの中では前出した無職やニート、ぼっちメンヘラ、池沼、童貞非モテゆとり厨房DQNピザ やハゲ などと並び、差別的な罵倒語、他人に貼る負のレッテルとして頻出するキーワード、ネットスラング ともなっていますが、掲示板に一日中貼りつく人の中には、必然的に引きこもりの人や、その傾向、気質を持つ人も少なくありませんから、掲示板でアクティブに書き込みをする人の中には 「他人ごとではない」 とのある種の危機感や共感、意識の共有を覚える人もいます (筆者もモロにそうですが…)。

2001年、2ちゃんねるに 「引きこもり@2ch掲示板」 が設置

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ヒッキーのAA

 なお引きこもり、ヒッキーをあらわす アスキーアート (AA) や 顔文字 は1999年に2ちゃんねるで使われるようになっています (左図)。 口癖は、「ウツダシノウ」(欝だ死のう) です。

 中でも2000年のクリスマス時期に合わせて発表された 「ヒッキーのクリスマス」 は、最初期のAA、及び長編AAの傑作の一つとされ、その後の長編AAや大型AAブームの大きな発端のひとつともなっています (引きこもり@2ch掲示板 (ヒッキー板) は2001年3月23日に開設、そこでは、「少しでも会社や学校に行ってる人は、ここではヒッキーではありません。」 と、その定義を表現しています)。

 行政や医療機関などが心の病として取り上げる一方、一般的には 「甘え」 などとして、社会生活不適合者として罵倒されることも多い引きこもりですが、「家に閉じこもりたい」「学校や会社に行きたくない」「人間関係に疲れた」「人と会うのが怖い」「一日中、ゲーム をして過ごしたい」 などは、多かれ少なかれ現代に生きる人間の多くが心の中に持っているものです。

 ネットの世界、なかんずく 同人おたく腐女子 の界隈にはこうした気分を他人事と思えないと考える人たちも多く (漫画家やイラストレーター、デザイナー、ウェブ制作、株取引など、業務の大半を在宅で行える仕事に就いている人も多い)、他人を罵倒するだけでなく、自虐表現としても使われるケースの多い、独特な言葉とも云えます。

毎日がエブリディ!\(^o^)/ その 「引きこもり」 の傾向

 初期の引きこもりについては、登校拒否 (その後、拒否しているだけではなく、様々な要因から登校したくてもできない人もいるなどにより、不登校と言い換え) の延長線として考えられる場合が多く、人間関係が作れないとか、イジメ、本人の甘えなど、若者のごく稀な個々のケースとして長く扱われてきました。 しかしそうした状態に長くいる人が決して少なくないこと、一旦は問題なく学校に通い就職もしているのに、社会人となった後に突然引きこもる人たちも目立つようになり、根本から認識や定義が変わりつつあります。

 大規模な統計や調査などが長く行われていなかったことから、その実数は80万人とも100万人とも云われていましたが、2005年になり、NHK の社会福祉番組、「福祉ネットワーク」 により全国調査が行われ、長期に渡る完全な引きこもりはおよそ160万人、ごくたまに外出はする 準引きこもりとも呼べる人まで合わせると、およそ300万人に達するとされています。

 就学年齢から不登校を経て長期の引きこもりとなるケースが多いのですが、前述の通り社会人が中途から引きこもりとなるケースも増え、その年齢も時を経るにつれ上昇する傾向があります。 2000年代初頭には10代・20代を中心とした引きこもりが注目されていましたが、2000年代後半からは 30代・40代の引きこもりなども、大きな社会的問題となっています。

 原因については本人に解決することのできない精神的なストレスによるものや身体的な不自由・障害から、本人の努力次第で何とでもなる性格や甘えと思われるものまで多種多様です。 しかし根本的には子供が引きこもる生活を支え、やむを得ない状態なのだとしてもそれを認めている父親、母親の対応が、その大きな要因のひとつでしょう。

 もちろんだからといって、一言で甘やかす親が悪い、甘える子が悪いとはいえませんが、日本と同じように家族の関係が濃密で支えあう文化を持つ国に類似の現象が規模の差こそあれ生じていることを見ると、大きな要因であるのは間違いないでしょう (逆に独立心が良い物とされ親が子を突き放すような傾向の強い国では、若年層のホームレス (ヤングホームレス) が増加する傾向があります)。

 解決は一筋縄ではいきませんが、本人が悩み努力しても克服できない状況となっている場合も多く、さらに引きこもりが長期化する中で状態が悪化して解決が難しくなる状況もあります。 個々の 「家庭問題」「子供の躾」 を超えるものについては、行政や周囲の関係者も含め、解決のための試行錯誤が続いている状況です。

 ちなみに 「毎日がエブリディ」(Everyday) とは、ニートや無職、引きこもりのキャッチフレーズとして使わている言葉です。 本来は 「毎日がサンデー」 や 「毎日が夏休み」 となるべきところ、毎日を意味するエブリディ (すなわち 「毎日が毎日」) となっているおかしみが受けて、意味はわからないものの脱力系の ネタ としてネットの一部で使われています。 元ネタ はお笑いネタ、もしくはそれの影響を受けたチェーンメールの内容からです。

ボトリスト、ボトラーという名の猛者たちも

 「ボトリスト」「ボトラー」 とは、自分のおしっこ (尿) を、空になったペットボトルなどに溜め込む人たちのことです。 こちらは スカトロ 的な性癖とか変態とはほとんど関係がなく、自宅どころか自分の部屋からも極力出るのをためらい、トイレにすらいかない…しかし尿意は襲ってくる…そうだこのペットボトルに! みたいな人たちを指します。

 ネタとしての都市伝説的存在ですが、実際にいくらかはこうした人もいるようで、単なる引きこもりというより、オンラインゲーム (ネットワークゲーム/ ネトゲ) にはまってる人が陥るパターンが多いようです。 ゲームの途中で勝手にその場を離れるわけにいかない、でもトイレに行くなどといって、ゲームの流れをぶった切ることができない…といった感じでしょうか。 何と云うか、世の中にはいろんな人がいますね。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2003年6月21日)
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