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バカスクリーニング

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「それでも騙されるバカ」 をすくいあげて利用 「バカスクリーニング」

 「バカスクリーニング」 とは、多数の中からあらかじめ 設定 した条件に基づいて目的に合った バカ を効率的にふるい分け・選別する手法やノウハウのことです。 バカを弾くために使うこともあれば、バカを選び取るために使うこともあります。

 とくに問題になるのは 「バカ集め」 のためのもので、もっぱらねずみ講や一部のネットワークビジネスをはじめとする詐欺行為や 陰謀論、新興宗教や自己啓発セミナー、女性に対する夜職斡旋 (スカウト・女衒) などの世界で行われ、またノウハウとしてまとめられたものを指すことが多いでしょう。 ただし名称自体は集客メソッドとか勧誘メソッド、スカウトメソッドみたいな、もう少しそれっぽい名称が付けられています。 金儲けだけでなく、何らかの政治・思想活動で極めて強固な支持者 (岩盤支持層) を獲得するために行われることもあります。

 スクリーニングとは英語の screening (ふるい分け、選別) で、医療研究や科学技術開発、ビジネスなどでよく用いられます。 またここでいうバカとは、俗語的な意味だったり何らかの障碍などにより知的機能に制限があるといった人たちだけでなく、精神的に疲弊した人、判断能力が未熟な子供や老化で衰えた老人なども含みます。 一般に社会的弱者とされる人たちも多く、こうした人たちを悪しざまにバカ呼ばわりするのも 露悪的 なひどい言い草でためらわれますが、何らかの被害に遭った人を責めるのではなく、被害を未然に防ぐためにあえて目立って分かりやすいネーミングにするといった狙いがあります。

 一方で人はしばしば自分のことを賢いと思いがちなので、バカと銘打つことで 「自分とは違うバカなやつらの問題だ」 として多くの人に他人事のように感じさせてしまう効果もあります。 人はそれほど賢くないし、判断能力が鈍って後になって 「なんでこんなバカみたいなことをしたんだ」 と自分で自分の判断に呆れることだってあります。 相手はプロなのですからそうした心の隙を的確に突いてきますし、「自分だけは大丈夫」 と思っている人ほど危ないのは、全ての詐欺にいえることです。

あえてまともな人なら避けて通るような言葉や外見で誘う

 具体的なバカスクリーニングの手法ですが、端的に云えば 「それでも騙されるバカ」 を見つけるための方法となります。 あからさまな嘘や幼稚なデタラメ話、コラ や 生成AI で作ったのが見え見えの 画像、胡散臭さや危険な 雰囲気 など、まともな判断能力があればまず騙されなかったり避けて通るようなものをあえて前面に出して、それらが危険だと 認知 できない人だけを吸引するものが多いでしょう。

 例えば スパムメール で 「1億円当たりました今すぐ口座確認のために5万円振り込んでください」 とか、SNS で行われるお金配りとか、思想的に右側にせよ左側にせよ政治や社会問題に対する荒唐無稽で大げさすぎる極論や 逆張り、ネット広告で行う 「1ヶ月で月収100万円を実現」 みたいな情報商材の販売や、身体的コンプレックスを簡単に克服できるような バナー による広告(1ヶ月で30kg痩せるとか極端なもの) などがあります。

 詐欺団体や特定の団体を持たない 環境 と呼ばれる グループ主催者代表 (裏に別の人がいて、単なる雇われの場合が多い) が、いかにも詐欺師っぽいインチキくさい服装や風貌でいるのもその一種です。 ひと昔前ならド派手なスーツに小太りで口ひげとか、最近なら チャラ男 やヤカラっぽい 日焼け した身体に ブランド ものを身に着けた 茶髪 で顎髭の男性とか、整形や生成AI っぽい若くて美しい女性などです。 まともな人はこんな手口や外見の人の口車には最初から引っかかりませんから、バカだけを効率的に集めることができるでしょう。

 かつてこれらの手法は対面でのキャッチ営業やスパムメールの利用が多かったのですが、その後は何らかのオンラインサロンを立ち上げて 運営 し、有料会員募集の形で集めたり、2010年以降は SNS での勧誘も増えています。 とりわけ2020年前後からは匿名・流動型犯罪グループ (トクリュウ) による闇バイトの増加は大きな社会問題となり、その存在が広く知られるきっかけにもなっています。

バカを騙してもお金儲けできないのでは…?

 一般に社会的弱者はお金がなく、騙しても金儲けなどできないのでは?と思う人もいますが、これは大きな誤りです。 詐欺などはたいした元手がかかりませんし、儲かってもそもそも納税の意志もないため、騙し取ったお金はほぼ全て自分のものになります。 またまともな判断能力を持つ人に比べて騙すのが容易で、かつ事件化して発覚するリスクも低く抑えることができます。 発覚した後も、法的な部分はともかく、世間的には 「こんな嘘くさい詐欺に騙される方が悪い」 と、被害者に対してあまり同情的ではないでしょう。

 もちろん騙された被害者に家族がいればそこからお金を引っ張ることもできますし、騙し取るお金は被害者やその家族が泣き寝入りしてくれそうな金額に抑えるのが一般的なセオリーです。 仮にまったくお金がなくとも、犯罪で得たお金の受け渡しに使える銀行口座を獲得する、闇バイト斡旋のようにお金ではなく何らかの犯罪行為なりをやらせる、高利貸 (闇金) の形で経済的・精神的に多重債務者を追い詰めてその人のあれこれを安く買い叩く、弱者支援や社会問題解決を目指すなどと称して市民団体を設立して行政などから補助金を得る、弱者への支援をピンハネするなどでお金を稼ぐこと (弱者ビジネス) もできます。

 さらにねずみ講 (連鎖取引) のように自分が元締め・同元となって最初に何人かのバカを集めれば、そのバカ同士で競い合ってどんどんバカを増やし、お金を吸い上げるだけの 「金の生る木」 を作ることだってできます。 バカとハサミは使いようなのです。

 また社会的弱者が男性ならたいしたお金にならなくとも、若い女性であれば水商売や性風俗店へ送り込む、援助交際 なりパパ活なりの売春行為を行わせることでお金を稼がせることもできます。 バカスクリーニングの中でももっとも低リスクで大金を得られる可能性が高いのが若い女性相手のもので、近年ではネット利用が広がり、多くの若者が SNS などを利用するようになっているため、弱者女性を狙った行為も増える結果となっています。

 代表的な手口で目立つものとしては、若い女性が興味関心を惹きそうな話題、例えば芸能人のゴシップや ファッション、生きづらさや貧困に対する 他責的 な社会に対する恨みつらみ、ファミニズムのふりをした男叩きなどの 投稿 を行うものでしょう。 極論で投稿を バズ らせ、そのバズった ツイート に宣伝の リプ をつけて勧誘する、何らかの共感を示してきた相手に個別の DM を使って寄り添ってみせて取り込む (グルーミング) などもあります。

 あからさまな嘘や ツッコミどころ満載 のデタラメであっても日本には 表現の自由 がありますから規制などできませんし、おかしな意見に対してはその都度反論をして正すしかありません。 しかしその正す行為が時として投稿を 炎上お祭り に発展させて彼らが注目を集める手助けにもなっており、このあたりは対応が極めて難しいものでしょう。

 個人的には根拠やデータを添えて反論しても認知機能が弱い人には理解できないので 放置 するか粛々と通報するしかないような気がしますが、バカスクリーニングをしている業者らは組織的かつ bot などのツール類も駆使して大規模に活動しており、個人が善意にせよ冷やかしや悪意にせよ反論や通報を続けても追いつかない部分があります。 またその反論が元々あった分断をさらに抜き差しならない形で可視化しがちなのは暗い気分にさせてしまいます。 おまけに自称リベラルの大手メディアや社会学者、自称フェミニストや下心のある 無害な俺 のような男性まで群がり、認知機能の弱い女性を食い物にしているような状況もあります。

 常日頃から他人や社会の悪口ばかり書いている人、自分の非を認めず外部にばかり問題の責任を問う人、そしてそのような人の真偽不明な極論に賛同の意を示したり 拡散 して留飲を下げている人は、自分の精神状態や認知機能について少しだけ疑ってみる健全さが必要なのでしょう。 またそのような負のスパイラルに陥って苦しんでいる人、いわゆる 「面白がって触れてはいけない人」 を見世物のようにして消費するのもあまり品の良い 趣味 でもないでしょう。 いずれにせよ関わらないのが身のためでもあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2009年10月22日)
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