スポーツ大好き! 元気で素朴な 「ボーイッシュ」
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男女じゃなくてボーイッシュって呼んでよ ガサツで悪かったわね (寐津菟かき子) |
「ボーイッシュ」 とは、少年のようとか男の子っぽいという意味の言葉です。 英語の boyish からきており、主に ファッション の世界で広く使われますが、人の ルックス や個性について使われることも多いでしょう。
外見でとくに重要なのは 髪型 で、さっぱりした ショートカット やせいぜい セミロング 程度の長さまでの 髪 で、アクセサリー として男子が被るようなスポーティーなキャップ (野球帽) などを併用するといかにも 「らしさ」 が感じられます。
言葉の使われ方として、「男子なら男子らしく」 という意味と 「女子なのに男子っぽい」 という意味の両方がありますが、おおむね女性でありながら男性っぽいキリっとした凛々しさがある、あるいは目鼻立ちが整っていて透明感のある 中性的 な魅力や 雰囲気 を併せ持つ場合に用いられることが多いでしょう。
場合によっては気が強くて男勝り、単純明快・正々堂々を好み、根性 があって 精神論 をぶつような体育会系の乱暴さや 脳筋 さ、うんちんまん みたいな 露悪的 でお下劣な ネタ に喜ぶ子供っぽさや下ネタに動じない豪快さを含めて指すこともあります。
本人が一人称としてもっぱら男性が用いる 「僕」「俺」 を使うケースもあり、それぞれ 僕女 (僕っ娘)・俺女 (俺っ娘) と呼ぶこともあります。 現実の世界でそうした雰囲気を持つ人物が存在するのはもちろん、マンガ や アニメ、ゲーム といった創作物の世界にもボーイッシュさが魅力の キャラ は様々存在し、重要な 萌え要素 のひとつとなっています。
「ショタ」 との接続性
創作物に対する ヘキ の傾向としてはスポーツ少女はもちろん、ジェンダーどころか性別すら超えて ショタ に接続する 属性 だという意見も多く、実際にどちらも好きだという ファン も少なくありません。 貧乳 はもちろん ふたなり とも複合することがありますが、そこまで振り切った趣味は全体からすればさほど多くはありません (ふたなりなどは、いかにも女の子という外見の方がインパクトがありますし)。
一般的には少年っぽさの中に見え隠れする女の子らしさとか、異性との恋愛などで突然男っぽい友達から女の子っぽい彼女に変わるギャップなどが魅力とされることが多いでしょう。 この場合、ツンデレ の傾向や、さらには世話好きな 姉 や ママ の特徴を持つことも多いでしょう。 振れ幅が大きいほど感情を揺さぶるというわけです。
もっとも男性から見た理想像としての架空キャラ、あるいは実在女性に対する願望の場合、日常 のつきあいでは気を使わない男同士のようなフランクな接し方ができ、いざ 「その時」 は女の子としてもつきあえる、さらにはお姉さんや母親のようにもなってくれるというある種の 「便利さ」 が重宝されて支持されているだけだみたいな辛辣な意見もあります。
とはいえ異性に対する理想像などは、そもそもそういう都合のよさが含まれるものでもあります。 女性の一部が理想の男性に、同性の友達のような共感力や寄り添う優しさと、父親のような包容力や力強さ、経済力を求めてしまうようなものですね。 どちらのケースでも欲張りセットみ満載です。
美称としてのボーイッシュ
ボーイッシュはファッションの カテゴリ の一つであると同時に、一般に少年っぽさのある女性を表現する美称となります。 女性が男性っぽいという名称が美称になるという点に違和感を覚える向きもありますが、おおむね中性的な人物は顔も整っていて魅力的に見えるケースが多いものです。 女性で男性っぽい顔つきは俗に 「男顔」 と、その他美称として 「イケメン」 や 「男段位保持者」 があります。
逆に蔑称としては 「男女」(おとこおんな/ おとこんな) とか性自認のあれこれを含めた 「オナベ」 といった呼ばれ方がされることもあります。 ファッションの世界ではこの他、メンズライク (men's-like) やマニッシュ (mannish) といった呼び方もあります。 これらは少年の持つ元気な愛くるしさだけに限らず、大人の男性が持つ 寡黙 でクール、イケメンな雰囲気も合わせたスタイルや考え方となります。 とくに気高いゴージャスな雰囲気を持つ場合は男装の麗人とか女武者みたいな呼ばれ方をする場合もあります。
対義語は一般にガーリッシュ (girlish) やガーリー (girly) で、女の子っぽい、少女っぽいという意味になります。 その他、フェミニン (feminine/ 女性的な) と呼ぶこともあります。 いつも男っぽい服を着ているボーイッシュな女性が、これら女性っぽいファッションをすることは、揶揄として女装と呼ぶこともあります。 なお異性に対して女の子っぽさをあざとく過剰にアピールすることは ぶりっ子 と呼びます。
とくにボーイッシュさを意識しなくても、楽だから選ぶ女性も多数
ファッションやスタイルに関しては、短い頭髪の他、服装なら トップス は Tシャツ や ポロ、ボトムス はデニムやスウェット、ジャージ、ショートパンツ (短パン) やオーバーオール、足元は スニーカー といったラフでカジュアルな アイテム を選ぶことが多いでしょう。 男性用アパレルを選ぶなど、完全な 異性装 となることもあります。 健康的で活発な 「元気な男の子」 あるいはイタズラ好きで乱暴・野卑な 「悪ガキ」 のイメージが喚起されるものが多いですが、どれもファッション性というよりは実用性を求めるものが多く、実在の女性らも 「とにかく楽だから」 で選ぶケースは少なくありません。 「自宅やプライベートタイムまで 「女の子を頑張る」 必要はない」 というわけです。
性格やライフスタイルで云えば、曲がったことが嫌いで細かいことにくよくよせず、サバサバしているとか、合理的というよりは大雑把で 雑 でガサツ、よく食べ、よく笑い、よく怒り、よく落ち込み、そしてすぐ立ち直るなど、女子からも男子からも頼られる親分肌の包容力と大胆な行動を厭わない積極性があります。 これは本人が女の子っぽさを嫌ったり苦手と感じた結果の場合もあれば、男兄弟に囲まれて育って女の子らしさが身につかなかったとか、何らかの精神的なショックや トラウマ から、「女を捨てた」 という決意の現れの場合もあります。 とはいえこうしたステレオタイプな男性イメージも、今は否定される傾向が強まっているといって良いかもしれません。
基本的に日常生活の多くの時間をパンツスタイルで過ごすためため パンチラ の不安もなく、足さばきも男っぽい足を広げた歩き方や座り方をしたり、あるがまま、自然体での立ち居振る舞いが多いでしょう。 とくに異性の目を気にする必要がない女子校などでは、背が高くスラッとした女子は同性たる他の女子生徒からもしばしば疑似恋愛の対象や理想像とされ、人気があります。 なかでも背が高いバレーボール部のレギュラー選手などは、共学ではしばしば男女などと見なされることもありますが、女子校では スクカ の頂点部分に位置する憧れの対象でしょう。 可愛らしさよりはかっこよさ、ラフで気軽なイメージですが、一方で男性から見れば、そこここに漂う女の子らしさが逆に際立ち、爽やかな可愛らしさが魅力となります。
制服 の場合、女子は スカート、男子は スラックス が一般的ですが、近年では女子用にスラックスが用意されたり男子もスカートが選べるなど、ジェンダーの観点から自由度が高まる傾向にあります。 とはいえ創作物の世界ならともかく、現実に女子用スラックスが用意されたり生徒がそれを選ぶケースは稀で、スカートでありながら男子のような雑な振る舞いをするケースを指すことも多いでしょう。
「おやじギャル」 とジェンダーフリーやユニセックス
おじさん が好みそうな 趣味 を持っていたり、おじさんっぽく感じられるガサツさやだらしのなさを持つ女性は 「おやじギャル」 と呼ぶこともあります。 こちらは外見が男子や男性っぽいかどうかとはほとんど関係がありません。 単に男女の差や区別がないか薄い場合はジェンダーレスやジェンダーフリー、ユニセックス と呼ぶことがあります。 性別不問みたいな意味ですね。
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