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埴輪ルック

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北風に立ち向かうその姿は、まるで挂甲の武人のよう… 「埴輪ルック」

やっぱ寒い日は 埴輪ルックに限るわ (寐津菟かき子)
やっぱ寒い日は 埴輪ルックに限るわ (寐津菟かき子

 「埴輪ルック」 あるいは 「埴輪」(はにわ) とは、主に中高の女子生徒が寒い時期に 防寒対策 として行う着こなしの一種で、制服 のスカートの下に スクールジャージ (とくに女子用のえんじ色のジャージ、いわゆる 芋ジャー) のパンツを履く姿を指します。

 スカート (それも短めの ミニスカート) に足首部分が絞られた長ズボン状のパンツを履く姿が、まるで古墳時代に造られた埴輪のファッション (鎧の草摺と足部分の盾や脛当、あるいは古墳時代に見られる男子の袴と脚結のある衣) に似ているため、埴輪と呼ばれるようになっています。

 秋冬はただでさえ寒いですし、ましてミニスカート姿だと下半身の冷えは切実な問題です。 一部では毛糸のパンツ (毛パン) をショーツの上に重ね履くなどの対策をしますが、足部分がそのままでは冷たい風は堪えます。 しかし女子が気軽に身につけられる足元を覆う学校指定・準制服扱いの衣服はジャージしかないため、必然的に埴輪となってしまうのでしょう。

 なお着用するのはおおむね通学時だけで、学校に着いたら脱ぐことも多いのですが、そのまま下校時まで身に着け続ける女子もわりといたりします。 またその際は、裾を膝上くらいまでまくって履いているケースも多く見られます。

 一方、下半身ではなく上半身の防寒用として、ジャージのトップスをカーディガンやセーター代わりに重ね着することもあります。 シャツ (ブラウス) の上にジャージを着て、その上に ブレザー などを着こむイメージです。

 こちらは埴輪よりずっと前から一般的な着用方法として広まっていましたが、ただの重ね着でもあり、これといった俗称で呼ばれることはなかったようです。 ジャージの襟はファスナーによって首元で完全に閉じることができてかなり暖かいもので、男女問わず冬場はよく見かける着こなしです。 これはカーディガンやセーターを着たいけれど学校指定のダサいものしか校則で選べない場合の苦肉の策のような面も持っていました。

 一風変わったものでは、上下にジャージを着てジャケットを羽織りスカートを腰に巻くというスタイルもあります。 場合によっては上下ジャージにスカートのみ身に着けることもあります。 埴輪ルック以上に レア な着こなしですが、秋冬の部活の朝練などで時間がない慌ただしい時などに、どうせすぐにジャージに着替えるのだからと行っている女子がいくらかはいた印象です。 上下ともに防寒にもなりますし、徒歩や電車通学ならともかく、自転車通学などだと人目もあまり気にしなくて良いし、寒さはひとしおだったりもするので、わりとポピュラーな地域などもあったりします。

校則で禁止されたり指導されたり…でも暖かさには勝てん

 なお一部の学校などでは、埴輪ルックは見苦しいとして校則で禁止し、足元の防寒着はタイツを使うなどの指導をしているケースもあります。 タイツは極めて暖かく便利なものですが、子供っぽく感じたり、履き脱ぎが面倒だったりもするので、どうせ学校で履き脱ぎするジャージでいいやというのはある意味合理的でもあります。

 ちなみに1960年代から70年代にかけて、いわゆるスカートめくりが流行した時期に、パンツ を見られないためにスカートの下に ブルマー を履く女子が結構いましたが、これらとは目的や時期も異なり、直接の関係はないでしょう。

そもそも女子 = スカートに無理はないのかといった主張も

 時代が下り 2000年代になると 「冬場にスカートを強制する合理的理由がない」「そもそも男女で服装に差をつける意味もないのではないか」 との主張が強まり、寒い時期に女子用のズボン制服を用意したり、通年でスカートとズボンを生徒が自由に選べる学校なども登場しています。 しかし一方で、制服のミニスカートはかわいいとして女子側がやせ我慢してでもスカートを選びがちな傾向もあったりして (男子の目ではなく同じ女子の目が気になるという人は結構います)、学校側の保守的な対応もあり、あまり普及していないのが現実でしょう。

 なお マンガアニメ といった創作物の キャラ では、積極的に埴輪ルックを描く作品はあまりありませんが、リアルで等身大の女子中高生を描く作品などでは、日常の風景として徐々に取り入れられつつあるようです。 また本人以外の男子や周囲からも、ある種の フェチ として 「かわいい」 と感じ、好んで描いたり鑑賞すると云ったケースも徐々に増えています。

 そこに ロリコン のような不健全さを感じる人もいるようですが、成人 になってなおジャージ姿や埴輪に魅力や癒しを求めるのは、ある意味で失った (そしてしばしば不遇だった) 自らの遠い青春へのリベンジという部分もあるのでしょうし、創作物や頭の中にとどまっている限りは、なんら批判されるものでもないでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2012年5月20日)
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