同人用語の基礎知識

天使/ 大天使

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相手に対する最上級の称賛表現 「天使」「大天使」

 「天使」(てんし) とは、特定の相手や キャラ に対して見た目がかわいい、美人だ、萌える推せる といった意味で使われる言葉です。 とくにかわいい場合は 「大天使」 と呼ばれることも。 ネット などでは男性から見た女性を指して使う場合が多いようですが、対象は性別を選ばず、女性が魅力的な男性を指して使ったり、同性に対して使う場合もあります。

 またこの言葉には、単に容姿が優れているだけでなく、明るい、優しい、健気、従順、微笑ましい天然 (アホの子)、楽天的といった、一般に好ましく感じられる善良な性格のニュアンスを含んでいます。 さらにしばしば慈母的・母性愛的な包容力、思いやりがあるといった意味も持ち、「聖母」「大聖母」 と呼ばれる場合もあります。 およそ恋愛対象の内面に対する称賛表現としては、ほぼ最上級に位置する言葉と云って良いでしょう。 ただし 「都合の良い相手」「言いなりにできる便利な性格」 といった負のニュアンスがないわけではありません (後述します)。

 なおとりわけ慈母的魅力にあふれている場合は、言葉の意味や使いどころは異なりますが、似たニュアンスとして 「バブみ」 と表現される場合もあります。 これは赤ん坊のバブバブといった声に由来し、赤ん坊のように甘えたい、包み込んで愛してもらいたいとの願望を表します。 さらに同様の意味で 「オギャる」(赤ん坊のオギャーという泣き声に由来) と呼ばれることもあります。

 一方、18禁エロ な文脈においては、容姿がかわいいのはもちろん、「どんなことでも受け入れてくれる」「望みのままにしてくれる」 との意味で使われる場合もあります。 この場合、「性の対象は誰でもOK」 といった意味の サセ子 (誰でもさせてくれる子) や、簡単に心や身体を許す ちょろイン (ちょろい ヒロイン)などと意味が重なる部分もありながら、そうでない部分もかなりあり、人によって線引きの見解が異なるでしょう。

 言葉の由来というか 元ネタ は、ユダヤ教やキリスト教など宗教の伝承に登場する神の使い、天の使いである 「天使」「エンジェル」(Angel) です。 時代や地域、聖典の解釈にもよりますが、おおむね羽の生えた美しい女性か子供の姿として描かれ、空から舞い降りる肉体を持たない霊的な存在として表現されるケースが多いでしょう。

 なお関連する言葉として、「ペ天使」 や 「天使ちゃんマジ天使」(それぞれ後述します)、「ただでさえ天使の○○が」 などもあります。

「てんす」 の場合は…

 一方、「天使」 をひらがな書きにして崩した 「てんす」 という表現もあります。 これは主に知的障碍者 (池沼・ガイジ) を指す言葉です。 重度障害児や知的障碍者の家族などが、メディアの報道やインタビュー記事などで自分の子供を 「神様がくれた天使」 などと呼ぶケースがあること、そうした子供を持つ親の会の名前にしばしば 「天使」「てんし」 といった言葉が見られることから派生した揶揄・差別的表現であり、ここでいう 「天使」 とは関係がありません。 また当然ながら強い侮蔑や差別的ニュアンスが含まれ、その他の類似の言葉ともども、表向きの場で使えるような好ましい表現だとも云えないでしょう。

 ただし知的障碍者が 受け となる作品もありますから、その場合は必ずしも無関係というわけではありません。 またその場合は必ずしも揶揄や侮蔑のニュアンスだけでもないのですが、とはいえ差別的な言葉であることには違いはなく、気軽に使うべき言葉とは云えないでしょう。 少なくともリアルで使う人がいたら軽蔑されることは必至です。

エロい文脈における 「天使」

 男性向け作品における女性の天使では、基本的に性行為を求められても一切断らず、嫌がるそぶりもほとんど、あるいは全く見せず、文字通り献身的に身をささげる状態をしばしば指します。 誰とでもセックスする、あるいは頼まれると断れない、すぐ落ちるという点で前述したサセ子、ちょろイン、あるいはOK娘 (痴漢OK娘) との類似点は多々ありますが、必ずしも好色や淫乱・痴女 で惚れっぽいというわけではなく、性行為・非性行為問わず、「相手が求めているものを懸命に与えようとする」「自己犠牲をいとわず他人に尽くす」 という根本姿勢こそが、「天使」 と呼ばる理由となっています。

 例えば痴漢に体を触られても 「嫌だ」 と拒絶するのではなく、困惑しつつも受け入れてなすがままにされる、痴漢からああしろこうしろと云われたら 「はい」「うん」 と答えてぎこちない動きで懸命に従ったりします。 おすましやツンツン・ツンデレ、あるいは不良・ヤンキー・ギャル系のキャラの場合、多少は反抗的なセリフを云い、従うと云うよりは引きつった笑いで諦めや渋々受け入れる態度の場合もありますが、そこに強い嫌悪や怒り、悲しみはなく、あるのはあくまで困惑や恥ずかしみ、「まあ仕方ないや」 という諦めです。 「1回だけよ」「今日だけだからね」 とかいいつつ受け入れてくれます。

 そのうち 「これほど求められているなら頑張って応えなきゃ」 のような使命感を覚え、頬を赤らめつつ徐々に慈愛に満ちた微笑すら浮かべ、痴漢の体に手を回して抱擁したり手をつないだり、痴漢行為が上手くいくようそれとなく協力したり、上手くいかない場合に励ましたり、ハメ撮りでピースサイン (作内撮影) でにっこりしたり、それをネットに上げるのを許可したり、ゴムなし・中だしを許したり、事後に自分より先に痴漢のことをおもんぱかったり、全てを赦して微笑んだりします。

攻め側の男性は、基本的にダメでクズな人

 一方、こうした天使キャラの特徴を際立たせるために、攻め側 である男性側にも、他のエロ作品とはやや異なる性格が与えられます。 おおむね モブ (その他大勢扱いの捨てキャラ) だったりもしますが、ただ強引に性行為を求めるのではなく、何らかのストレスで性的に暴走してしまったとか、キモイ容姿で 根暗非モテ童貞 のやけっぱちの行為だったり、いじめられっ子や路上生活者、性行為を試したいだけの子供だったり、弱いところやダメなところ、マイナスな部分だと一般に見られがちな 要素 をこれでもかと強調して入れたりします。 天使の相手として卑劣な犯罪行為である痴漢がよく選ばれるのもそうした傾向の結果でしょう。

 また身体的特徴として一般に女性から忌避されがちなイメージがあるデブやチビ、ハゲ、おっさん、ロリコンおたくキモオタ、短小、包茎、早漏、インポ、不潔さなども 属性 として頻繁に付与されるパターンでしょう。 性格的にも自分勝手でいい加減、せこくて小心者、変態、クズなど、およそ好かれる要素のないものばかりだったりします。

 例えば痴漢ものの場合、こうした男性が複数登場して 女性の体のおすそ分け が起こり輪姦に発展する場合もありますが、あくまで 「天使が欲望を受け入れてあげる」 という形であり、脅迫や力ずくを伴う強姦・レイプといった形はあまりとりません。 攻め側が無理やり性行為を行っては、全てを献身的に受け入れるというせっかくの 「天使性」 が損なわれてしまうからです。

ある意味、風俗嬢に求められるイメージにも近い 「天使」

 なお性行為におけるこのような女性のふるまい方や男性の願いが、結果的にほぼ風俗嬢に求められるイメージに近しいこともあり、批判的にみる人からは 「単なる風俗嬢じゃん」「都合がいいだけの相手」 あるいはもっときつく 「意志や感情を持たないダッチワイフ」 などと見られることもあります。 これはこれで風俗で働く女性に対して失礼な話ではありますが、「こんな自分でも絶対に受け入れてくれるはず」 という揺るぎない信頼感は、一部の男性にとっては風俗嬢 (そして前述した母親) からしか得られないものなのかもしれません。

 またエロにおける シチュエーション には様々なものがありますが、一般的な痴漢ものや 凌辱 ものと違い、天使ものはやってることは同じでもそこには合意と笑顔がある点で、男性側の劣情に対してだけ著しく寛容に偏ってはいるものの、無理やりの性行為に比べると悲惨さや男性側の罪悪感もが薄れ、なにやら 「やさしいせかい」 のような倒錯した温かみが表面上なくはないでしょう。

 癒しや安らぎが求められ、また暴力が実社会だけでなく創作の世界でもより敬遠されるようになりつつある中、こうした天使ものの作品も支持者を増やしつつあるようです。 まあ実際、とくに若い世代では、例えあくまで創作物の中の話とはいえ、苦痛や悲しみ、それに伴う涙、暴力や加虐などは見ているだけでストレスになるという声は 2010年以降はわりとよく聞く話です。 結局のところ行うのは痴漢だったり輪姦だったりするので、相手となる女性にとっては全然優しい世界ではないと思いますが、これはそういう世界のそういう女性だというあくまで ファンタジー の話なので、現実世界と リンク させても意味がないのでしょう。

「ペ天使」 とは?

 似たような言葉に 「ペ天使」(ぺてんし) があります。 意味合いとしては、天使のふりをしているが実は邪悪な存在である、あるいは自称天使・勘違い天使 (自分では天使みたいにかわいいと思っているがそうでもない人) といったニュアンスで使われます。 この言葉自体は誰でも知っている天使と云う言葉に 「ペ」 をつけることでいかがわしい存在であるとの意味を付加するパターンとして、昔からあります。 1979年に放映された人気ドラマ 「俺たちは天使だ!」 でも似たような言い回しが劇中であったような気がしますが定かではありませんw。

 一方、おたくや同人の世界においては、「東方Project」 に登場し妖怪変化の力を持つ 「因幡てゐ」 を指して使ったり、「真・女神転生」(メガテン) シリーズに登場する敵キャラ 「大天使マンセマット」 を指して使われたりします。

 いずれもおたく界隈では存在感と影響力が極めて大きい作品であり、中でも大天使マンセマットについては、天使といいつつ黒い羽根と野望を持ち、主人公に罵詈雑言を浴びせ、マンガ 「北斗の拳」 のアミバに酷似したいかにも悪そうなキャラでした。 いったいどこが天使やねんということで作中でも 「ペ天使」 と呼ばれるように。 詐欺師をあらわすペテン師とのゴロの食い合わせも良く、ファンの間でも良く使われるようになりました。

死後の世界の生徒会長は 「天使ちゃんマジ天使」

 「天使ちゃんマジ天使」 とは、死後の世界を舞台としたファンタジーな学園ものアニメ 「AngelBeats!」(エンジェル ビーツ) に登場するヒロインの1人、立華かなで の ファン らが使う最上級の誉め言葉です。 この場合の天使は、物語の作中の 設定 である天使と、可愛らしいという意味の天使表現とを重ねた言い回しです。

 作品自体も高い人気を得ましたが、中でも特別な使命を帯びた天使かつ 生徒会長 の立華かなでは人気爆発。 2010年頃にはこの 「天使ちゃんマジ天使」 が対象を選ばずよく使われる インターネット の流行語ともなりました。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2009年12月21日)
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