同人用語の基礎知識

同人用語
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「文化」 と 「文化」 の交差点、発祥地点の衝突による独自の言葉文化圏

 「同人用語」 とは、狭義の 同人 (一般的にサブカルに分類されるような マンガアニメライトノベルゲーム など) を題材とした 二次創作、あるいは オリジナル による、マンガや動画、ノベル、ゲーム、音楽、同人グッズ などの創作活動) における参加者らのある程度共通して使われる言葉、同人の専門用語のことです。 同人誌用語、ドジーン用語などとも呼ばれます。

 さらに狭めれば、コミケ を中心とする 同人誌即売会 (同人の イベント) においてのみ使われる、専門的な言葉となります。 またその源流をさかのぼれば、いわゆる 「文芸同人」、あるいは 「美術同人」 の世界の言葉から始まっている用語が根本のベースとなります。 俳句や和歌、小説や文芸批評、あるいは日本絵画、西洋絵画、版画、彫刻などを、仲間とともに創り、そして楽しむ集まりが 「同人」、その成果を一冊の本にまとめたものが 同人誌 などとなります。

 「同人」 を 「アニメやマンガの本を出すこと」 だと考えるのは誤りですが、「小説や詩歌の集まりが本物の同人」 というのも、ちょっと違います。 どちらも 「同人」 です。 ただし言葉としての 「同人」 から受けるイメージは人それぞれですし、アニメやマンガなどの同人の中でも、いろいろな ジャンルカテゴリ があります。

印刷・地名人名、さらにおたく用語 萌え用語 ネットスラングなども

同人用語は難しいけど面白さもいっぱい
同人用語は難しいけど面白さもいっぱい

 狭義の同人用語のみでは、実際に同人活動を始めた場合に、分からない言葉だらけになってしまうでしょう。

 例えばマンガを描き、同人誌を作るとなると、イラストレーション の言葉、画材 やストーリーを作るための方法論に使われる言葉や、さらに 印刷 に関する用語も必要になります。

 さらに おたく用語 や 萌え用語 としての、アニメやマンガの作品や登場 キャラ のセリフなどを由来とする言葉や、おたくと親和性の高いアイドルのための アイドル用語、模型やフィギュア、鉄道や ミリタリー に関する専門用語、腐女子系・乙女系の隠語や やおい用語、ゲームファンによる ゲーム用語、お笑い用語、コスプレにおける 服飾用語、さらにエロ同人の場合の セクシャル用語 もあります。

 1980年代からは、パソコン通信 の時代が始まり、さらに 90年代からの インターネット掲示板 の時代となり、ネット用語、ネットスラング、あるいは パソコン用語、IT用語 も無視できなくなっています。 これらは密接に絡み合い、互いに影響されながら日々新しい言葉や言い回し、あるいは過去の言葉の意味の変節、復活などもあり、部外者から見たら 「そもそも意味どころか、何の用語かも分からない」 などという状態になっています。

 同人という世界では、様々な趣味を持つ人、それもかなりディープで濃い関わり方、のめりこみ方をしている人が互いに作品や情報を持ち寄り、それらは伝言ゲームのように他の世界に広がって行きます。 政治、経済、神話、宗教、哲学、科学、歴史といったメインカルチャーやアカデミックな情報や用語も混ざり合い、大きな文化発生装置であると同時に、ある意味で 「巨大な言葉製造工場」 のような感じともなっています。

同属意識のための仲間用語、流行語なども混ざり合い…

 また おたく腐女子 が、しばしば表向きは大声で喋れない、隠れてやるべき趣味…のようなイメージが昔は強く、隠語や仲間だけで通じる言葉としての 「言い換え」 もありますし、ネット の時代となって言葉の伝播が大きくなると、流行言葉としての需要と言葉としての更新サイクルの短縮も見られるようになりました。

 要するに、もはや 「何が同人用語で、何がおたく用語、萌え用語、腐女子用語かの区別にあまり意味がない」 状態になっているのかと思われます。 とりわけ、「新しくこの世界に入る人」 にとって、この膨大な 「言葉の海」 は、ちょっと溺れてしまいそうな大きさがあります。

ネットの登場で、幅広い年代から新旧日本語が集積

 さらに若い同人ファンにとっては、ある程度の年齢になった同人ファン (読書などを通じて語彙が豊富な人) との、「日本語」 の意思疎通の問題もあります。 同人やネットの世界では、趣味や話す内容が大切で、相手の年齢や職業、経歴は、あまり重要視されません。 30代40代の同人ファンが使う古い日本語、言葉を若い人が理解できない場合があり、同人用語やネットスラングかと思ったら、ごく普通の日本語だった…なんてのは、よくある話です。

 というわけで、現在は 「同人用語」… というより 「同人の世界で使われる言葉」 は、範囲が限りなく広がっていると見て良いのではないでしょうか。 まぁそれらの言葉のくくりが、別に 「同人用語」 でなくとも良いとは思うんですが、筆者が同人イベントや、おたく系のネットコミュニティに参加して、「あらゆるものがごちゃまぜ」 で、しかもそれらが等価値で存在し、関わる人全てが刺激しあっている状況を見て大きな驚きと感動、インスピレーションを覚えましたので、やっぱり個々の専門用語と云うよりは、「同人」 という 「場」 の 「言葉」 なんだと強く思います。

 そしてその場の 「言葉」「雰囲気」「空気」 は、理解しようと努める人に対してはやすやすと年代を超え、国境を越え、異なる文化を乗り越え、日本のサブカルが世界に羽ばたく大きな原動力、土壌となっていると思います。

同人用語は、ネットスラングと溶け合いながら、時代を映す鑑に

 この 「同人用語の基礎知識」 では、同人イベントの 会場 に訪れて人と会話をする時、あるいは同人やおたく、腐女子、萌え系の話を掲示板などで行う時に、最低限の意思の疎通が行え、さらにその際に使う言葉の 「奥行き」 を感じられるような言葉を 「同人用語」 もしくは 「同人的な人たちの言葉」 として定義し、できるだけ平易な文章で解説し、とりまとめるようにしています。

 ネットの普及とともに、一般的な意味の 「同人用語」 だけでは、もはや同じ趣味の人たちとの会話が成り立たない状況となっているからですが、この用語集が元々 パソコン通信 の集まりから始まり、同人もネットも、パソコンすら初心者って人を対象にしていたこともあり、ネットスラングなどの含有率がかなり高目になる傾向があります。

 「同人関係者が集う掲示板で生まれた言葉は、同人用語なのかネットスラングなのか」 は、ナンセンスな問いだと思います。 また オンライン専門 の同人作家にとっては、イベント会場でのみ使われる言葉などは知らない場合も多く、また興味すらないのかもしれません。 今後もネットの言葉を無視しては同人やおたく、腐女子の会話は成り立たないと考えられますので、必要に応じて流行り言葉などは拡充してゆくことになるかと思います。

 ただしローカルな場に留まっている 「仲間言葉」 のようなものは、その場に参加するための 「パスポート」 のような意味がありますから、ここで部外者に事細かに説明して場を乱すようなことはしないつもりで運営しています (うちのサークル界隈の言葉は気楽に掲載してますがw)。

 もし少しでも同人に関わる人たちのお役に立てたら、これほど嬉しいことはありません。 と同時に、素晴らしい言葉を日々作りコミュニケーションを図っている同人やそれにかかわる人たちの造語力や才能、様々なコミュニティ (オフラインオンライン 問わず) を維持されている方々に、心から敬意を表します。 マンガやアニメ、ゲームやノベルでメッセージを発し、それらの情報交換やノウハウ共有のための連絡にも惜しみない造語力を発揮する。 そりゃ世界を席巻しますよねぇ。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年1月20日)
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