同人用語の基礎知識

個人誌

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ジャンルの細分化と、全体のパイの拡大、作家を好みで選ぶ時代に

 「個人誌」 とは、1人の 同人作家原稿 だけで作られた 同人誌 のことです。 本来の 「同人誌」 とは、同好の士、友人や仲間と一緒に趣味で作った雑誌や本、会報などのことですが、現在はこの 「個人誌」 が、「同人誌」 でもっとも多い発行のパターンとなっています。 「単著」 とも呼びます。

 ちなみに本来の意味で云えば 同人サークル も、そもそもが同好の士で集まって作る同好会のことです。 しかし現在では一部の ジャンル を除き、一人だけで運営する 個人サークル が、その多くを占めるようになっています。

同好会の研究発表、会報から、「インディーズマンガ本」 に

 元々同人誌は、前述の通り 「同好会」 などの会報のような形のものから生まれ発展しました。 しかしその後、創作系 (二次創作 など) が盛んになるにつれ、個人個人の個性や作品の傾向などが重視されるようになり、肉筆回覧誌委託編集同人誌、印刷代を折半するような形での 合同誌 の時代を経て、「個人誌」 がその中心となる時代となりました。

 商業誌で云えば、多種多様な作家の作品がズラリと掲載された 「マンガ雑誌」 から 「単行本」 に主流が移ったといった感じですが、研究や批評、レポートに比べるとはるかに個々人の作家の 「好み」 が直接的に影響しますから、同人 ファン の人口の拡大と共に好みの多様化、細分化もされている中、そうした傾向が強まるのは当然なのかも知れません。

 また初期の頃は、そもそも 同人誌即売会 という 「場」 が存在せず、パソコン通信インターネット もない時代でしたので、情報を交換したり マンガ などの技術向上や印刷の知識などを得るには、マンガ研究会などの同好会に所属していないと、個人ではどうしようもない状況になりがちだったのもあるでしょう。

 しかし同人イベントが生まれ、同人情報誌や ネット などの 「場」 ができると、特定の仲間とサークルを組まなくても、横のつながりも縦のつながりも、「場」 に出向くことで作ることができるようになります。 さらにコピー機やパソコンのプリンターの普及や、安価で案内の行き届いた同人専門の印刷屋さんの登場が、それをバックアップしました。

 「個人誌」 の発行数が増大した初期の頃は、それでもどこかの大人数サークルに所属しながら過去の会報に寄稿していた自分の原稿が1冊分くらい蓄積したので、何かのきっかけに加筆して同じサークル名義、もしくは自分個人名義のサークル名で 「個人誌」 を出す…というパターンが多かったのですが、現在は知り合いなどがやっている同人サークルに影響されたり、雑誌やネットの同人情報を見て、1人でサークルを立ち上げ、1人で作った 「同人誌」 を引っさげてイベントにデビューなんてのが当たり前になっています。

プロでもアマチュアでもない、職業同人作家の登場

 商業誌に作品を描く人を 「プロ漫画家」、同人誌などで活動する人を 「アマチュア作家」「同人作家」 などと呼びますが、ここらの境界線も現在ははなはだあいまいです。 人気のある 大手サークル ともなると、イベントの手売り、書店委託 での販売、さらに 通販 で、5,000とか1万を超えるような 部数頒布 するところもありますし、商業誌のように1ページいくらの原稿料と単行本の印税に比べ、「印刷代金などの経費以外は全部自分の儲け」 になる 「同人」 とでは、経済的な逆転現象も起こっています (もちろん売れ残りなどのリスクも背負い込むことにはなりますが)。

 同人作品を原作とする アニメ や映画、ゲーム などのメジャー進出もあり、「趣味」 ではなく、「商売」「ビジネス」 として同人誌を発行するサークルも少なくない状況です。 実際、雑誌編集部からチェックが入る商業誌と違い、自分で好きなものを好きなように描け、さらに食べていくだけの収入が見込めて数万もの 「数」 がでる同人の世界があるのなら、そっちでいいじゃないかと考える作家が出ても当然です。 もちろん数十万から数百万部を売るメジャーなマンガ雑誌の世界は別でしょうが、マイナー雑誌で描くくらいなら、進んで同人の世界を選ぶプロ志望の作家が多いのが現実です。

 その意味では、コミケ を始めとする 「同人イベント」 は、「漫画家だけでなく、出版社 (版元) も無数に生んだ」 とも云えそうです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 1999年2月12日)
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